今日は夫が子ども達を見てくれるとのことでずっと観たかった「第三夫人と髪飾り」を観に渋谷のBunkamuraまで行ってきました。
スパイク・リー、トラン・アン・ユン等世界の巨匠が才能を絶賛する新鋭アッシュ・メイフェア監督のデビュー作。
メイフェア監督の長編映画としては初の作品です。
ベトナムでは公開して4日で公開中止となった話題作。ネットでは誹謗中傷も飛び交うほど荒れたようですが。
一夫多妻のテーマはもとより官能的な描写がネックとなり物議を醸すことになってしまったのは頷けます。
やはりベトナムはポルノ等性に関してタブーであること、それにLGBTゲイ等への偏見差別も強くあるので生きにくい社会でもあります。以前友人にオネェの方がいましたが心許せる友人にのみ打ち明け普段は自分がオネェであることを隠しながら生活している友人がいました。
本当の自分を公表すればどうなるか重々わかっているので隠すしかない、苦悩している姿には色々と考えさせられました。
また一方で旅行で訪れたタイでは自然体で足毛ボーボーでも顔はばっちりメイクしてきめた方が屋台を営んでいたり皆自分の生きたいように生きている姿が同じ東南アジアでも真逆な世界だと感じたことを思い起こします。
まだまだ閉鎖的な部分も多く田舎の方では男尊女卑も根強く残っています。
食事も先に男達、後で女達が食べる男女別でというのも夫の田舎では今も習慣です。
映画の中には確かに官能的な描写が含まれておりR15指定ではありますが変ないやらしさというものはなく絵のように美しい艶というような感じに思いました。
日常の一部のように生きて行く上での必然的な事だと感じます。
それぞれの人生、思いの交錯、時代とともに生きたある一家(一族)の物語です。
メイフェア監督自身の曾祖母の体験を元に脚本、執筆されたものでなんと5年の歳月をかけたという❗️作品。
キャストと共に数ヶ月ロケ地で19世紀の暮らしをするなどの徹底したこだわりと丁寧な制作。この映画を制作するにあたりどれほどの時間と綿密な過程を経て完成したのかを考えると奥深いものがあります。とても一言では言い表せないほどです。
観れて本当に良かった😭!
全てが美しかったです。
客層はマダム達とちらほら男性の方も見受けられました。
そんな中私は…浮いていたかも😌
トラン・アン・ユン監督のファンの方なら懐かしい面々の登場人物が久々にお目にかかれます。
ユン監督の公私ともにパートナーの第一夫人役にはトラン・ヌー・イェン・ケー、使用人ラオ役にはグェン・ニュー・クイン、旦那様役にはレ・ヴー・ロンとユン監督の映画「夏至」(00)のメンバーが久々の登場に嬉しかったです😊皆さん変わっていない😳
主人公メイ役を演じたグェン・フォン・チャー・ミーさん。
オーディション時メイフェア監督が彼女を見た瞬間、間違いなくこの子こそ探し求めていた逸材だと涙したという。
新人とは思えないほどの演技でこれからの活躍が楽しみです。
第二夫人役のマイ・トゥー・フォンさんも艶やかさを纏い大学で声楽科を学んでいたことから歌手デビュー。劇中の歌声は聞き入ってしまうほど美しく映画を盛り上げています😊
*続きます