花と文。(暮らしと本と花と)

日々の心に残る記しておきたいこと。

湯と浪漫と。

2017年11月27日 | 旅するように

 旅館に着いたのが午後4時前。

 まずは湯につかりましょう

 少し前にリニューアルされて、広々として、すばらしくきれい。

 3つの湯船があり

 露天風呂もある。

 湯の温度はぬるめで肌にもやわらかい。

 温泉施設の良いところは

 風情にある。湯けむりと薄明りが落ち着きを与えてくれて

 誰かの話す声と、笑い声と

 そしてじっとして湯を味わうというのか、しみじみとする時間がある。

 戸を滑らせて、寒風吹きすさぶ外の寒気に耐えて

 数秒歩けば、源泉よりも低めの湯船にそっと浸かり

 じんわりと温まる。

 月が見える。

 ・・・・・・

 朝風呂に入ることが多い近頃。

 血行もよくなるし、目も覚めて、爽やかに出かけられる。

 仕事のある朝は、6時45分にはお湯をはり、20分は浸かる。

 じんわりとあたたまり

 今日が始まる

 朝風呂は気持ちいい。

 ・・・・・
 翌朝、

 起きたのが6時半過ぎ。家族は全員寝ていた。

 露天風呂には私だけで、朝陽が登る頃だった。

 空にはトビが(鷹と思ったけれど)輪を描いて飛んでいる。

 こんなに大きな鳥を見ることはない近頃

 朝日と鷹(トンビだけれど)、なにか縁起の良いものを見た気がして何度もぞくっとした。

 黒い山の稜線の少し上に、もやのかかった朝陽があり

 湯の流れる音だけで

 静寂に包まれていた

 日常と切り離されたとっておきの時間だった。

 ・・・・

 普段入るお風呂は、疲れを癒し、そして清潔を保つためのもの

 旅の湯は、これまでを振り返り、まだ見ぬ未来に思いを馳せる

 そういう時間かなとも思える。

 そこにいる不思議を感じて

 湯に浸かる気持ちよさ、清々しさに

 旅することが、なぜ良いのかと

 実感したのだった。

 
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