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パルテノンの金具

2009-12-27 | ギリシャから
KATHIMERINI 2009/12/24


昨日(12/23) パルテノン神殿へつづく石段に座る観光客。
今週 神殿への入り口部分の修復が終了し、この7年間
工事用足場などで覆われていたΠροπύλαιαプロピレアを
鑑賞できるようになった。

これは255個の大理石を一時取り外して
以前の修復に用いられた金具を取り除くプロジェクトの一部で
これらの金具がパルテノンの大理石にヒビを生じさせていた原因だったのだ。

BY ORESTIS PANAGIOTOU/ANA 原文:英語____________


この記事を読んで『ヒビをもたらせた金具』のことがとても気になり
調べてみました。

もともと
パルテノンの大理石は細長いH型金具で固定してありました。
これらの金具は鉄製で表面に鉛の錆び止めがコートされていましたが、19世紀の補強工事で使われた金具にはサビ止めが施してなかった!
それで徐々にサビが広がり、大理石にヒビが生じてしまったのです。

パルテノン建設当時はわかっていたと思われるサビの被害に関する知識や対応策の技術が、19世紀には失われていたのでしょうか?わかっていたけれど、何かの理由で、無視されてしまったのでしょうか?残念なことです。

科学や技術は常に進歩するものと私たちは思い込みがちですが、そうではないのかもしれません。

現在、金具は軽くて錆びないチタニウムが使われているそうです。

H型金具は現在も建築に使用されていますが、
パルテノン時代から存在するものなのですね。

もうひとつ 忘れてはならない大きな問題は排気ガスがもたらすアテネの酸性雨。
酸は鉄も大理石も浸食しますから・・これもなんとかしないと。







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2 コメント

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ふと・・・・ (sue)
2009-12-27 16:38:54
2000年から10年計画で修復されている
奈良・唐招提寺を思いおこしました。

こちらも 前回の修理方法ではなく
建てられた当時の工法で修復して
いるそうです。

一見安直で便利な事が
長い目でみた時には 大切なものを失って
いってしまう結果になる。

古今東西 同じですねぇ。

ちょっと・・・
ギリシャのお話ではなくm(_ _)m
返信する
sueさん (lesvosolive)
2009-12-27 16:47:06
そうなんですね

1000年を見据える眼を持つってことは凡人には難しいです。

古代ギリシャ人て
やっぱりすごい人たちだったんですね。

しかし湿気の多い我が国で
木造の唐招提寺をここまで長持ちさせている日本の宮大工の伝統技術もたいしたものですよね。
返信する

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