ギリシャへ そして ギリシャから From Greece & To Greece

ギリシャの時事ニュース、文学、映画、音楽がよくわかる
ギリシャの森林再生を支援する『百年の木の下で』の公式ブログです。

二人の女性

2009-02-28 | ギリシャから


PHOTO BY KATHIMERINI/EUROKINISSI

ホワイトハウスを訪れた
ギリシャのドラ・バコヤニス外務大臣と
アメリカ合衆国のヒラリー・クリントン国務長官

ひと世代前のギリシャでは考えられなかった
国を代表し国防や戦略を話し合う女性のツーショット。
ところで
ギリシャの旗とアメリカの旗
こうして並んでいると
とてもバランスが良くて美しいですね。


KATHIMERINI 2009/2/26

ホワイトハウスのロトンダを歩き
バラク・オバマ大統領の就任以来初めての会談に向かう
外務大臣ドラ・バコヤニスとアメリカ合衆国国務長官ヒラリー・クリントン

会談では二国間において「戦略協力」を強化することに同意した。
EU安全保障協力機構:Organization for Security and
Cooperation in Europe (OSCE)の議長としてのギリシャの役割、
火急を要するキプロス問題とエーゲ海における
トルコの動きについても話しあった。
バコヤニス外相はトルコ政府によるエーゲ海の国境侵害問題を提起し
クリントン国務長官はトルコ政府と話し合いを持つと語ったもよう。


マンマ ミーア!

2009-02-26 | ギリシャから
Mamma Mia! New Movie Clip Dancing Queen


映画やアートを観るときは
一緒に体験してくれる人がとても大切と思っています。
昨日、ようやく二人のスケジュールがあって
ギリシャダンスの踊り手Sさんと話題の『Mamma Mia!』を観てきました。


ストーリーはなんと言うこともないし、
舞台がギリシャである必然性も全然ないのですが
そんなことを考えさせないくらいのパワーを
この映画は持っています。 


カザンツアキスが『その男ゾルバ』で
「ここ(ギリシャ)をおいて、人が容易に、しかも平静に
現実から夢の世界へと移行できるところが他にあるだろうか?」
といったように、ギリシャという場所の不思議な魅力なのでしょう。

そしてコメディー仕立てのミュージカルの中にも
島の朝のひんやりとした空気に混じる夏草や土の新鮮な香り
いつもどこからか聞こえてくる波の音 鶏の鳴き声・・・

私の大好きな空気感がしっかり描き出されていました。


映画で一番楽しかったのは村中の女性がみんな
Dancing Queenになって海辺まで踊っていくこのシーンです。
ちっちゃな女の子からおばあちゃんまで楽しそうで実に壮観。
撮影しているところを観たかったなあ!

さて、物語の中で島の名前はカロカイリ島となっていましたが、
ギリシャ語が少しできる人なら ピンとくるはずです。
Καλοκαίρι:カロケリ(ギリシャ語で夏)を
イギリス風に発音しただけなんだと。

映画の舞台となったSkopelos島はエヴィアの北にあり
交通の便が良くないので
私もまだ行ったことがありませんでしたが、
おそらくこの夏一番人気の島になることでしょう。
Skopelos島への行き方はこちら

Skopelos島のオフィシャルページにはMamma Mia!のブログができていて
映画のトレーラーやロケ地の写真がたくさん出ていますので
のぞいてみて下さい。上の映像もその中にありました。

印象的な岩場の階段を上り詰めたところにある小さな教会が
ロマンティックな結婚式場に選ばれていました。
それがこのアギオス・イオアニス教会です。




『旅芸人の記録』と『アレキサンダー大王』

2009-02-24 | ギリシャ映画
アンゲロプーロス監督の代表作
『旅芸人の記録』Ο ΘΙΑΣΟΣ 1974年公開と
『アレクサンダー大王』ΜΕΓΑΛΕΞΑΝΔΡΟΣ 1980年公開が
渋谷シネマヴェーラにて
2月28日-3月20日開催予定の「紀伊國屋書店レーベルを讃える」特集で上映されます。
同時上映作品はこちら

この劇場は1週間ごとに2作品ずつ上映、
4週間をひとつのサイクルとして特集形式で上映します。

料金は2本で大人1400円、シニア1000円、中学生500円、高校大学生800円。

スケジュール、上映時間はこちら

以前にも書きましたが
アンゲロプーロス作品をDVDで見るのと劇場で見るのでは 
全く印象が異なるので ぜひこの機会にご覧下さい。

本日 お肉の日!

2009-02-19 | ギリシャの伝統行事



ギリシャは今日が今年のΤσικνοπεμπτη:チクノ・ペンプティ。
動物性の食物を避けるアポクリエスを前にして、
文字通りたらふくお肉を食べまくる木曜日です。

ギリシャの街には肉専門のレストランがたくさんありますが
その店先では今日は普段に増して
木炭が真っ赤に燃え その上で 
大量のお肉が 実に盛大にローストされます。

なんだか街中が肉を焼く煙で充満しているような感じがするくらい。
匂いに誘われるのは人間だけではありません。

ノラ犬たちもこの日は朝からそわそわ、
お店の回りをうろうろして
ごちそうのおこぼれを辛抱つよく待っています。

ナクソス島の真ん中にあるΦΙΛΟΤΙ:フィロティという村で行われる
チクノ・ペンプティのお祭りのポスターがwebにありました。
大きな画像を見たい方はこちら

ポスターには_______________________


たっぷりのロースト肉! 
伝統音楽の演奏! ダンス! すべて無料!

『忘れられない一日を過ごしに 
みんなフィロティへいらっしゃい!』 
_______________________________

バンドにはバグパイプ奏者もいるようです。

いいなあ・・・・楽しそう・・・・・・
今すぐ飛んで行きたくなりました。


Dust of Time

2009-02-15 | ギリシャから
eleni karaindrou dust of time 2009


テオ・アンゲロプーロス監督の新作 Η Σκόνη του Χρόνου
(英語タイトル Dust of Time)が2月12日ベルリン映画祭で上映されました。

舞台挨拶やインタビューの模様などTimeWarpの記事はこちら

オフィシャルWebsiteができていますが英語のページはまだ準備中 
ギリシャ語のページから入るとトレーラー映像メイキング映像が見られます。


上の映像はYoutubeからですが おそらくオフィシャルと思います

難解と評されるアンゲロプーロス監督の作品ですが
私は特に深い意味など詮索せず(映画評論家ではないので)
感覚で観て その美しさを楽しんでいます。

特に好きなのは
『ユリシーズの瞳』ΤΟ ΒΛΕΜΜΑ ΤΟΥ ΟΔΥΕΣΣΙΑと
『永遠と一日』ΜΙΑ ΑΙΩΝΙΟΤΗΤΑ ΚΑΙ ΜΙΑ ΜΕΡΑ 
どちらも作品も映像美の中で
過去と現在が一瞬交差する象徴的な場面が出てきて
甘いような切ないような感覚に囚われるのですが、
そこに彼のギリシャ人性が現れているような気がします。

ハービー・カイテル、ブルーノ・ガンツときて
今度はウイリアム・デュフォー!
主演俳優の名前を聞いただけで わくわくしてしまいます。

アンゲロプーロス監督の作品は
いつも主人公(たち)が困難な長い旅の途中です。
それは地理的な旅として表されているけれど
その実 自分の内面への旅のように感じます。

この作品は前作『エレニの旅』ΤΟ ΛΙΒΑΔΙ ΠΟΥΔΑΚΡΥΖΕΙに続く
20世紀三部作の第二作めですが
彼の作品は一本ずつが個々に完成した作品と考えて良いでしょう。

今度もアンゲロプーロスとともに
心の奥底を辿る旅をするのが楽しみです

 

アテネの宝物

2009-02-12 | ギリシャから
Αηδονάκι στον εθνικό κήπο ! ナショナル・ガーデンのナイチンゲール

 

ナショナル・ガーデンについての面白い社説がAthens Plusにありました。
『都会のオアシスであるナショナル・ガーデンはみんなの宝物であり
公私の区別と繋がりの感覚とはこういうところで育まれるものだ』
という興味深い意見ですので、ちょっと長いですが読んでみて下さい。
家の中をあんなに清潔に片付けているギリシャ人が
街はゴミだらけでも平気というのがいつも不思議でしたが、
ちょっと関係あるのかもしれません。

ナショナル・ガーデンついて_______________________

アテネを訪れた人なら きっと一度は通ったり
木陰のベンチで休んだりしたはず。
シンタグマ広場の国会議事堂の裏から
ザッペイオンやパナシナイコ競技場を含む
15ヘクタールの緑濃い公園は、都心の喧噪や
真夏の強い陽射しから逃れて ほっとできるところです。
映像

1830年代に首都の王室庭園として誕生し
共和国政府の手を経てアテネ市の所有管理下になってから、
様々な問題が起きています。

まさに新たに大規模な改造が加えられようとしている現在、
この都市が、どのような公園を必要としているのか、議論が急がれています。

Athens Plus:アセンズ・プラス 2009/02/06号 社説_____________

騒々しく空気が悪いアテネの中心にありながら、
その静けさと完結したエコシステムを持つナショナル・ガーデンは、
「喧噪の海に浮かぶ穏やかな離島」といえる。

門をくぐり木陰の広い散歩道をたどると
公園が周囲の混乱の解毒薬の役目を果たしていることを
誰でもが感じ取れるだろう。フィロパポスやリカベトスの丘、
パナシナイコ競技場、アクロポリス、アゴラ、アレオス公園
などをのぞくとアテネにおいて魂が癒される数少ない場所のひとつが
ナショナル・ガーデンだと気づく。

昨年6月のアンケート調査によると住民の65%がアテネを
離れたいと思っていると聞いても私は驚かない。

住民のほとんどは入り組んだ細い道に面した小さなアパートに住んでいる。
もともと狭くて壊れていてることが多い上に、
車やバイクが乗り上げて駐車している歩道を
ベビーカーを押したり、車いすで通行するなどまず不可能だ。

アテネの急な人口増加と、常軌を逸した開発の犠牲となって
庭付きの小さな家々は取り壊され、集合住宅の群れがとって替わった。

ほっとできるような公共のスペースはほんのわずかしか生き残れなかった。
10年前までだったら、夏の夜、家の前の歩道に椅子を並べ
夜が更けるまでおしゃべりしているおばあさんたちを見かけたものだった。

最後の家が取り壊されてアパートが建ち、歩道は車を停める場所に
なってしまった。おしゃべりしていたおばあさんたちは既に亡くなったか、
鍵をかけた部屋の中にひとりで閉じこもってくだらないテレビ番組を
眺めるしかない。

オープンで社交的な性格であるギリシャ人同士が結託して
自らの公共の場所を葬ってしまったのはとても皮肉なことだ。

パリやロンドンなどの大都市でも多くの人々は小さなアパートに
住んでいるだろう、しかし、その代わりに、大抵の大都市には
公共のスペースや、邪魔物のない歩道があって人は歩くことを楽しめる。
このような感覚から個人を保ちつつ、社会の一部であるという
実感が生まれてくる。

アテネにはそのような適切な公共の場所はまれなので、
この微妙な社会関係を築くことが妨げられているのでないだろうか。
だから個人の場所と公共の場所の区別が付けられず、
公私の線引きができない人が多いのだ。

ナショナル・ガーデンはその土や木々でやさしい風を私たちに送り、
都心の最も厳しい環境を楽園に変えてくれることを
その存在が欠かせない物であることを証明している。

ここに住むのであれば、この都市をより良くしようではないか
そうすることが私たち自身をより良くすることになるだろうから。

翻訳:lesvosolive





アテネを歩こう

2009-02-10 | ギリシャから
Πηγαίνω μόνος - Φίλιππος Πλιάτσικας


アテネでは自動車数が増えすぎたために
市内を移動するなら自動車に乗るより
歩いた方が早いという日がもうすぐやってくると
いう趣旨の記事がINTERNET英語版KATHIMERINI2月9日
にありました。

アテネの自動車の問題は深刻で 排気ガスが起こす酸性雨によって
アクロポリスのパルテノン神殿にも重大な被害が及んでいます。
なんとか解決法を早く試行して欲しいものです。

videoは以前kiyotakabaさんのブログ『aimotokiyotakaba - β』
で紹介されていたのを見て、素顔のアテネの生活感が出ているのが
いいなと思いました。

KATHIMERINI2009/02/09_____________________________________________

アテネの交通渋滞の増加は目を見張るほどで、
「市内のある箇所から目的地へ早く移動したければ
自動車に乗るよりも歩いた方がいい、状況が間もなくやってくる」と
政府の交通局の元主任局長Yiannis Golias:ヤニス・ゴリアス氏はいう。

アテネの道路を利用する自動車台数の増加により、
2011年には市内の大部分において自動車は
時速5-6キロ以下のスピードでしか走行できなくなるであろう、
実際都心の一部では自動車よりも歩いた方が速い場所が
いくつかすでに存在しているとゴリアス氏はいう

人口約400万人のアテネに280万台の自動車が存在している。
交通事情の専門家はこの状況を2年のうちに改善しなければ
首都は交通麻痺により機能しなくなると警鐘をならしている。

翻訳:lesvosolive



気になって東京の自動車台数を調べてみたら
23区で約300万台(資料はこちら)
人口は23区で830万人(資料はこちら)ですから、比率でいうと
アテネは東京の2倍!
うう~ん、やっぱり多すぎです。



              

雪景色のメテオラ

2009-02-03 | ギリシャから
Χιονισμένα Μετέωρα



曲がりくねった雪の山道
灰色の視界に見え隠れする
奇岩の上のメテオラの修道院

自分が雪道をドライブしているような気分。
あまりしっかり見すぎると車酔いになりますのでご注意。

世界遺産としての人気も高いメテオラ
夏の景色はずいぶん違います

2009/1/31に投稿された映像
ここ数日
ギリシャ北西部は大雪のようです。