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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

若い世代に読んで欲しい内田樹さんの「基地問題再論」

2010-05-08 23:25:31 | Weblog
普天間基地移設問題に対して鳩山首相が「腹案」を曰くありげにほのめかしていた頃、さては米軍の日本国領土からの完全撤退要求をついに打ち出すこともありうるとばかり、鳩山首相 ついにヤンキーゴーホームを叫ぶとはの一文をしたしめたが、エイプリルフールの4月1日が過ぎるとともに、この期待は夢と消え去ってしまった。その鳩山首相が5月4日、那覇市で記者団に次のように語っているようでは、「日米同盟ありき」からの脱却はとうてい期待できない。

この現在のアメリカ、日米同盟の関係の中で抑止力を維持する必要性というようなことから、国外あるいは県外にすべてを、普天間の機能をですね、移設することは難しいということに至りました。したがって誠に申し訳ないという思いで今日はおうかがいしたんですが、沖縄の県民の皆さま方のご理解をたまわって、やはり沖縄の中に一部、この機能を移設をせざるをえないと。そのようなことに対してご理解をいただけないかということを、仲井真知事に申したところでございます。
(asahij.com 2010年5月4日12時39分)

しかし覚めた目で見れば「日米同盟からの脱却」を総理、民主党政権に期待すること自体が無いものねだりなのであって、なぜなら国民の多くがそれを望んでいないように私には思えるからである。

なぜ国民が「日米同盟からの脱却」を望まないのか、その問題に真っ正面から対峙したのが内田樹さんの「基地問題再論」であるといえよう。ぜひ全文に目を通していただきたいが、その要点だけを引用させていただく。

私は「日本国内にある駐留米軍基地がすべての撤去されること」を求めるのは主権国家として当然の要求であると思っている。

私はとりあえず、「国内に治外法権の外国軍の駐留基地を持つ限り、その国は主権国家としての条件を全うしていない」という一般論についての国民的合意を形成したいと願っている。
それだけである。

実に簡潔明瞭、私はまったく同感である。内田さんが毎日新聞に先日普天間基地問題についてコメントした内容をそのまま採録しているが、その中から少なくとも次の部分に目を向けていただきたい。

普天間問題の根本にあるのは、米国が日本に基地を置いていることのほんとうの意味について私たちが思考停止に陥っているということだ。
米国は日本に基地を置いている理由の一つは日本が米の軍事的属国だということを私たち日本人に思い知らせるためであり、もう一つは、中国、北朝鮮という「仮想敵国」との間に「適度な」緊張関係を維持することによって、米の西太平洋におけるプレザンスを保つためである。
米軍基地はすでにあるものであり、これからもあり続けるものだと私たちはみな思い込んでいるが、米国は90年代にフィリピンのクラーク空軍基地とスービック海軍基地から撤退した。2008年には韓国内の基地を三分の一に縮小し、ソウル近郊の龍山基地を返還することに合意した。いずれも両国民からの強い抗議を承けたものである。
(強調は私)

私は今もアメリカの『占領下』にあるわが祖国日本で、アメリカ軍は日本固有の領土から完全に撤退していただく。言葉を換えれば日本は基地の提供を一切廃止する。『占領軍』の撤退でもって、始めてわが祖国日本は文字通り独立国の体裁を取りうるのであると叫んでいるような男であるので、内田さんのいう私たちはみなの範疇外にあるが、若い世代に日常接している現役の教師である内田さんの実感としての私たちはみなの意味するところは大きいと思う。

もう鳩山首相が普天間基地問題で何をつぶやこうと私はまともに取り上げる気にはならない。しかしこのドタバタを契機としてアメリカ軍は日本固有の領土から完全に撤退すべしの声が、少しずつでも若い世代から揚がって欲しいと思う。でないと、基地問題は永遠に日本の首かせになってしまう。香港ですら99年の租借で解放されたというのに。


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (腹案は国外)
2010-05-10 21:36:54
鳩山さんの「腹案」は国外と民主党川内議員(現在テニアンで交渉中)はテレビで発言。沖縄でのパフォーマンスはアメリカに民意を知らせるためだそうです。
また、私は下の「反戦な家作り」に記事に共感します。

http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-864.html
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