日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

70歳以上の医療費は14兆8千億円 どこまでほんまかいな?

2009-07-19 16:46:31 | Weblog
asahi.com(2009年7月17日22時2分)の伝えるニュースである。

 08年度の医療費34兆1千億円 過去最高を更新

 08年度の医療費は前年度比1.9%増の34兆1千億円で、過去最高を更新したことが17日、厚生労働省の集計でわかった。増加は6年連続。このうち70歳以上の医療費は14兆8千億円(前年度比2.1%増)と全体の43.5%を占めており、03年度からの5年間で2.5兆円増えている。

 この日公表されたのは概算医療費で、公的医療保険と公費から支払われた医療費。1人あたりの医療費は26万7千円(同1.9%増)。70歳以上は75万7千円で、70歳未満の16万4千円の4.6倍に上った。

 08年度から始まった75歳以上が対象の後期高齢者医療制度分の医療費は11兆4千億円で全体の33.5%だった。

34兆1千億円といえば、防衛省の平成21年度概算要求が5兆円足らずであるから約7倍になる。国防費を遙かに上回る医療費とはまさに平和のしるし、めでたしめでたしと言いたいところであるが、高齢者対象の医療費が高額と強調されているような書きぶりが気になった。そこで一言呈上、70歳以上の医療費は14兆8千億円、これ、どの程度ほんまかいな、である。

最近、こんなニュースがあった。奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」が、生活保護受給者に対し、手術や検査をしたように装って診療報酬を不正請求していたと言うのである。この詐欺事件では生活保護受給者がダシに使われたが、同じようなことが高齢者を相手に行われていると私は断じるのである。高齢者相手に「振り込め詐欺」を始めとするいろんな騙しのテクニックが報じられているが、私に言わせると、健康不安を抱えた高齢者ががいちばん狙われているのは医療の現場であろうと思う。その実態とは私があれこれ言うよりも、病院がよいの高齢者を身近に抱えている国民の多くが、「あれはおかしい」とか「あれはやり過ぎ」とか、日常感じていることを口に出して頂くだけでよい。

上の記事に70歳以上一人当たりの年間医療費が75万7千円と出ているが、これは統計データで現実ではない。厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成16年)の「65歳以上の高齢者の健康についての意識」によると、「よい」、「まあよい」、「ふつう」をあわせると、男性では68.1%、女性では64.1%になる。従って現実には残りの三分の一が医者にかかっているとすると、病人一人当たりの医療費は75万円の三倍、すなわち225万円にも達する。真面目な医療従事者には申し訳ない言い方になるが、高齢者が一人医者を訪れることは、225万円をしょってきていることになる。まさに葱をしょった鴨である。手放すわけにはいかない。いったいどのように料理されるのだろう。

私は後期高齢者入りを目前にしているが、現役時代も含めて過去20年ほど、医者にかかった記憶はほとんどない。理学部の出身者でありながら縁あって医学部に奉職(なんと懐かしいこの言葉の響き!)して20年余り過ごしたこともあって、自分の健康は自分で守ることの重要さを学び、そして実践してきたからであると思っている。五感を研ぎ澄ませて絶えず身体の発する言葉に耳を傾けるるようにしていると、自分の身体の状態を自得できるようになるものである。健康診断のあれやこれやの検査数値などはお呼びでない。実験屋の業であろうか、どうして出てきたか分からない数値を簡単には信用しないからでもある。だから職場での定期健康診断も在職期間の後半は受けていない。時々の不調は常のこと、有難いことにいまだ健在な復元力を頼りに今日に至っている。

高齢者だから医療費が嵩むのは当然と世間の人は思うのかも知れない。ところが私はそうとは思わない。自分のことで言えば若い時にこそ医療費がかかっていた。甲状腺機能亢進症になったせいと、足繁く歯医者通いをしたためである。しかし四十代後半からは医者いらずになった。そして現在に至る、だから、高齢者医療費には一切寄与していない。高齢者になれば身体機能が衰えてくるのは当たり前のこと、だから衰えるままに任せておけばよいのである。身体は機械と同じようなもので、動かさなければさびついてしまうから、ラジオ体操を欠かさないとか、庭仕事や散歩を日課にして自分で身体を動かすのは大いに結構である。今まで長年文字通り手足となって自分を支えてきてくれた手足であり、そして身体のいろいろな臓器である。長年のお付き合いで自分の具合は自分でこそよく分かる。また分かるように日頃から努めるべきなのである。病的な異常を感じたらそれこそ医者に直行すればよい。

健康診断はもちろんのこと、簡単にできるからとて血液検査なんて一切不要である。高齢者こそ数値で自分の身体の具合を評価されるなんて、非礼な行為から一切解放されるべきなのである。余計なことを知らされないからこそ、心の平安が保たれ、日々の生活が喜びと感謝に満たされる。数値に踊らされる馬鹿さ加減を余計なお節介のメタボ特定健診メタボ特定健診という愚行などで述べたが、メタボ特定健診を拒否することこそ知性人の証である。人生経験を積んだ高齢者こそ自分の身体をよく知っている。分からないと思えば今からでも知るべく努力を重ねればよい。そして検査数値を頼りにしかものの言えない医療従事者を一笑に付するればよい。要は医者に行くべきかどうかの判断を自分で下せる力を身につけることである。高齢者すべてがそういう判断をするようになれば、かりに病院に行ったとしても余計な検査を拒絶するし、過剰医療にストップをかけることも出来る。

そう思って70歳以上の医療費は14兆8千億円にあらためて目を向けると、この半分は不要の医療行為によるもののように私の目には映ってきた。「不要の医療行為」とは控えめの表現で、厳しく言えば医療費詐取行為にもなろう。民主党あたりが医療費の歳出カットに本腰を入れれば、70歳以下の医療費並みとまでは行かないまでも、高齢者医療費が劇的に減少すること間違いなしと思う。高齢者が医療費を大食いするとのイメージはこれで払拭されることであろう。

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