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このBLがやばい!2010年腐女子版。 2009-12-21

2010-09-24 | 気になったへんてこりん
実はボイスドラマにもなっている、
《俎上の鯉は二度跳ねる》(萌)

いや、大丈夫です。
ランキング見るくらいでは毒にも薬にもなりませんから(笑)
1位支持、ぜったい支持(笑)!!
   (既出:2009-12-21 )  


このBLがやばい!
2010年腐女子版。
   ベスト5ってなに?
     2009-12-21

★書店員、批評家、編集者をはじめとしたBL有識者40人にアンケート実施。
「となりの801ちゃん」メルマガ会員6000人と書店配布アンケートの
集計にて順位確定だそうです。

1位 俎上の鯉は二度跳ねる 水城せとな     小学館

2位 ダブルミンツ     中村明日美子    茜新社

3位 ファインダーの真実  やまねあやの    リブレ出版

4位 テレビくんの気持ち  松本ミーコハウス  幻冬舎コミックス

5位 セブンデイズ 
   FRIDAY →SUNDAY   橘紅緒/室井理人   大洋図書

《俎上の鯉は二度跳ねる》
         水城せとな 



■身を切るような恋の業を抱えた男たち

今年度の第一位に輝いたのは、水城せとなの《俎上の鯉は二度跳ねる》。
ゲイとノンケの間にある埋まることのない溝と、その距離に葛藤しながらも
互いを求めてしまう男たちの情念。
それを鋭く描き出した、珠玉の作品です。
「恋愛は業だ」という主人公の独白が示すとおりのシリアスストーリーと
登場人物たちの心情が実にこまやかに描かれています。
読むと引き込まれて、ついつい繰り返し読んでしまうような中毒性があります。

自分を愛してくれる女性にほだされ、付き合っては別れるという関係を
続けてきた「流され侍」のノンケ・恭一。
そして、恭一に想いを寄せ、異常な執着を持って彼に迫るゲイ・今ヶ瀬。
はじめは抵抗していた恭一だが、今ヶ瀬の猛烈なアタックに流されて
関係を結んでしまう。しかし、彼の周りには魅力的な女性の影が絶えず・・。

前作《窮鼠はチーズの夢を見る》から、流されっぱなしだった恭一が、
なんと今作では急成長!! 
迫る今ヶ瀬に抱かれるばかりでなく、逆に彼を押し倒しちゃいます
(なんとリバ展開)注:リバ→受けと攻めが入れ替わること
今ヶ瀬に抱く自分の想いを自覚した後の彼の据わった瞳は色っぽく、
獣のように彼を抱く姿には、読者もメロメロになっちゃうこと間違いなし!
素直にお互いを信じることの出来ない彼らが、悩みに悩みぬいて出した
恋の結論を、ぜひ見届けて。
              (このBLがやばい!)

実は繰り返し読む、どころか、
毎日のように、恭一と今ヶ瀬には逢っています(笑)
そのときそのときで開くページは違うのだけれど、
彼らが、自分達の置かれている状況にいつも真摯で
逃げ出さず、自分をみつめている姿に、
震えるほど感動するし、考えさせられるのです。

この物語のレビューを書いたときはかなりアグレッシブになってて、
アンチBLのかたにその論拠はなに?と突きつけるようなことを
書いてしまったのですが、反省しています(汗)
読めない人は読まなくていいんです、それだけ(笑)

前作では流されっぱなしの恭一がすごーくバッシングされたらしい(笑)、
でも水城さんのすごいところは、その恭一をリアルに、破綻なく、
今作で成長させているところで、その才能は天才的です!!!
あれだけ恭一のずるさを憎んでいたはずなのに、
恭一と一緒に、今ヶ瀬の存在をどう受け止めたらいいのか、
悩んでしまうんですからね。
でもって、ストーカーまがいで、でもその恭一に捧げる愛情が可愛くて、
シンパシーを感じていた今ヶ瀬が、
あんなに壊れやすくもろくてせつない可愛いひとだったとは・・などと、
読み進めるにしたがって、彼らのこころのひだひだに絡めとられ、
魅了されていくのです。

BLでベッドシーンもかなり濃厚なので、アンチBLのかたには
とてもお奨めできないですけれど、
純文学をBLで読んでもいいと想われる方には、「ぜひに!!」と
絶賛お奨めしたいです。
人間心理というものに興味があるかたもぜひにぜひに。
どうしてノンケの恭一が、今ヶ瀬の存在を大きく包み込めるようになったか、
そのあたりは本当に読みごたえがあります。
今年、さまざまな映画、ドラマ、小説などに触れたけど、
恐れずに誇りをもっていうけど、
私にとっては《俎上の鯉は二度跳ねる》がいちばんの収穫でした!!!


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4 コメント

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納得の一位。 (まよ)
2009-12-21 01:22:49
気になってたんです、これ!ありがとう樹さん!

「俎上の恋は二度跳ねる」は素晴らしいBLでしたね。BLという括りにするにはもったいないくらい。樹さんに教えてもらってよかった!
今日本屋に行ったら、水城せとなさんの漫画がたくさん平積みされてましたよ~。

でもって、私は二位のダブルミンツも見逃せない!大好きな中村明日美子先生。
来年1月には「同級生」の続編、「卒業生」の単行本が発売ですよ♪楽しみじゃ~
セブンデイズは最近読みました!タイトル通り、一週間という短い期間のお話ですが、気持ちの変化がじっくり丁寧に描かれているし、何より主役の二人が可愛くってお薦めです。

ランキング中三つも読んでる私って…くるとこまできたな(笑)
でも他の二つは全く知りませんでした!この際制覇しようかな♪
完結… (夏純)
2009-12-21 22:46:33
せとなさんの窮鼠シリーズは、掲載誌が変わったりケータイ配信になったり、紆余曲折を経て今年やっと完結しました。
最後まで読める日が来るんだろうか…、と思ったこともありましたし、最終章ではどんな終わり方もあり得る気がして、配信を待つあいだ怖くて仕方ありませんでしたが、作者が長い長い間温め続けたラストにようやく向かっているんだから、どんな終わりでもいいと思えました。
本当に、固唾を飲んで最終回の配信を待ちました。
そして今、手元に単行本があります。今までの経緯を思うと、この作品を紙媒体で読めるだけで奇跡のようです。

これから先、これ以上に心を鷲掴みされる作品に出会えるでしょうか?

いや、出会えるように、琴線をなるべくたくさん張って待ちたいと思います。ジャンルや表現手段に関係なく、心を揺さぶってくれる作品を。
まよちゃんへ ()
2009-12-22 06:18:30
おはようございます、まよちゃん。
メールもありがとう♪

この作品は私もmomocoさんに貸してもらって、窮鼠でKOされたんです。
近頃忙しすぎるmomocoさんにすごく感謝していますよ。
それから中村さんの「同級生」はまよちゃんに教えてもらったし。
すごーく感謝してます、ありがとう。

せとなさんの漫画は《植物図鑑》という短編集を読んでいて、
その圧倒的な純文学的才能に魂奪われていました。
類Lのたんぽぽの種子の儀式はLが植物図鑑を知っているからこそ、
なされたものであり、せとなさんが類Lに刻印された瞬間でした。
BLも大きな宝箱だと私は思っています。
小説だとプロットが面白いかどうかは、
しばらく読まないとわからないけど、
BLは描画のレベルでほぼわかる(笑)、と
私は思っています。
中村さんは個性的な描画だけど、引き込みますよね。
ダブルミンツ、ぜひ読みたいですし、まよちゃんと同じように、
私もベスト5は読破したいなあ。どんなに感動させてもらえるかなって楽しみです。

夏純さんへ ()
2009-12-22 08:32:09
おはようございます、夏純さん。

実は窮鼠・・は、私が《植物図鑑》に感激して、
東京に行ったとき、momocoさんに借りてきたものなのですが、
momocoさんからその後、続編がケータイ配信になったと聞いたときはめげました。
2,3度、配信のアドレスを聞いたんですけど、
契約したら解約のやりかたをすぐ忘れてしまうので、
パスしてました。
リバがとか聞いてめちゃ気になっている間、私も紙になるんだろうかと
すごーく焦っていました。
なので、夏純さんからもう出版されていますとうかがったとき、
どれだけ嬉しかったか!!!
人間心理に興味のあるものにとっては、汲めどつきない泉のようであるし、
恭一と今ヶ瀬の誠実さと不安定さ(笑)には
教えられるところも多いです。
稀有に素晴らしい作品に巡り合えたこと、
また、この作品が夏純さんとのおしゃべりの、
Lの次に位置すること、幸せだなあと思います。
だってたいていのひとはそのうち飽きますけど、
飽きないですもんね(笑)
私も、好奇心を満たしてくれるものには躊躇しないし、
禁忌を設けたくないです。
また興味をそそられるものを探していきたいですね♪

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