リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

トランプ退場でフーコーの振り子がひと周り

2021年01月18日 | 日々の風の吹くまま
1月17日(日曜日)。☁☂☁。ぱっとない天気だけど、気分はちょっとアップビート。きのう1日脚本の読み直しと手入れに夢中になって、最後には全体的なまとまりがほんの少しだけど見えて来たからかな。ワタシってけっこう調子が出る性質のようで、むらっ気なわけじゃないんだけど、調子に乗ったらしばらくの間はエネルギーを集中して疾走するところがあるから、今がその「イケイケ」フェーズということかな。

だったら今のうちということで、脚本の最後の最後の見直し。まずはプロローグを第1幕に変更。公園のベンチでの老人と若者の会話を拡充して、若者のスマホが突然アクセス不能になったところで、慌てる若者に老人が「自分のデバイスを使え」。若者がスマホを振りかざして「これがオレのデバイスだ」と言い返せば「じゃあキミの耳と耳の間にあるのは何なんだ」。カタカナ語のデバイスと違って、英語のdeviceにはいくつも意味があるので、それを使って場面を第2幕の想像の世界につなげてみた。第2幕は、劇作講座で書き始めたときのテーマにつながるものを削って、整理。想像の世界から現実に戻るエピローグは短いのでそのままにして、老人が読んでいた本(フランス革命の話)を「キミの未来を形作るのに役立つかも」と若者にあげて退場して、その本が最後の最後で「未来」を示唆する小道具になり、新たに入れた若者のせりふで「希望を持たせる」幕引き。

時代の変化と社会の要求の変化、過去と現在の断絶、世代間の断絶、デジタルとアナログ、リアルと想像といった対比をフーコーの振り子のイメージに託して・・・と言うとちょっとかっこ良く聞こえるけど、舞台をイメージできるようになって、我ながらかなり向上したとは思う。同じカレッジの映画脚本の講座で、一般に通用しているフォーマットでは「1ページ=1分」が目安と教わったけど、できあがった脚本原稿は全部で60ページだから、だいたい1時間ちょっとで、休憩なしの1幕ものの芝居という感覚で行けそうな長さ。第2幕の想像の世界にすぅ~っと入って、ひとつの「事件」でまたすぅ~っと現実の世界に戻って来るようになっているから、実質的には1幕3場に近い感じかな。結局2日がかりになって、ちょっとばかり頭がくたびれてしまったけど、やる気が戻って来たのは大収穫。

トランプ大統領はしあさってで政治の舞台から退場するけど、第1幕での会話で、モーツァルトのオペラ『魔笛』のパパゲーノが嘘の罰として口に錠をかけられる場面にSNSのアカウントを止められたトランプのイメージを重ねたような若者のせりふがある。読み返しながら、前後にこの「民主党派の怒れる若者」と「謎めいたアナログ老人」を配したのはトランプが大統領に就任した頃だったのを思い出して、ちょっとひとり笑い。何となくフーコーの振り子がひと周りしたような感じで、時の流れというものはほんとに絶妙におもしろい。