lainのなりゆき雑記帳

映画を楽しむための映画の感想。アニメの感想。日々雑感。愚痴も有り。小説も有り。

SAW

2007年08月31日 00時44分59秒 | 映画
最後のシーン、一瞬何が起こっているのか不覚にも思考がついて行きませんでした。やられました。久々にこの手の映画では気持ちよくカウンターパンチを食らっちゃいました。最後まで本当に目が離せない。そしてこのオチ、絶対想像がつかない。鮮やかです。

廃屋の密室、部屋の対角線上の隅に鎖でつながれた男二人。そして二人のちょうど真ん中、部屋の中央には自殺したらしい男の死体。二人の男にはそれぞれカセットテープが残してあり、そこには命を賭けた「ゲームの開始」を告げるメッセージが…。

二本のノコギリ、二本のカセットテープ、拳銃と一発の弾丸、たばこ、家族の写真、鍵…。部屋中にちりばめられたヒントと罠。二人は果たして仕掛けれた罠を解き、脱出することが出来るのか?

姿無き犯人に監禁された二人。どうやら犯人はカメラで監視しているらしい。片方の男は家族を人質に取られ、もう一人の男を時間までに殺さなければ娘と妻を殺すと脅される。二人は罵り合いながらも初めは協力して脱出を試みる訳ですが、次第にお互いの素性や過去を知るにつれ、「疑い」と「良心」と「憔悴」の中で崩壊していきます。犯人の目的は、漫然と生き、生きる意味を見失った人々に死に至るゲームを強要し、死の体験をもって生きる意味を再確認させようというもの。なんともイッちゃってる奴です。さらに犯人自らも病に冒されて余命幾ばくもないらしいですが…。大迷惑もいいところ。

しかしこの犯人、一筋縄ではいきません。頭がイイです。それもかなりイイ。必死で彼を追う警察をあざ笑うかのように裏をかき、警察も観客も翻弄し決してしっぽを掴ませません。

それにしても驚きなのは、この映画が自主制作映画だと言うこと。低予算、撮影日数18日!! それでこれだけの映画を作ってしまうって、驚異的です。その為密室劇の脚本を思いついたとの事ですが、そのハンデを見事に逆転したこの監督と脚本家には舌を巻くばかり。脚本家自身も、鎖につながれて監禁される男の一人として映画に出演しています。

2、3と続編が作られていますが、果たしてこれだけの内容を超えるものが出来るのか? ちょっとその辺も期待しつつ後日鑑賞予定です。

かなり? 痛いシーン多いですが、絶対おすすめの一本。

氷の微笑

2007年08月30日 00時25分29秒 | 映画
はいはいはい、大好き大好き、ポール・バーホーベン監督の映画です(^^
気になってたんだけど、そのうちTVでやるだろう、とタカをくくっていて見逃していましたよ(笑)未放送?の訳ないか…。

なのでやっと見たわけですが、さすがにヒットしただけあって良くできてます。犯人はどっちなんだ~!?と言うこの演出も痺れます。この手の映画の中でもうピカイチの出来。

マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン、他の脇を固める役者も個性的で一癖も二癖もある役者さんぞろぞろ! あっそうだ! なんで公開当時、シャロン・ストーンが足を組み替えるシーンがあんなに騒がれたか、やっと理由が分かりましたよw(わかんない人は是非DVDを見よう!)それにしてもシャロン・ストーン…、エロい! エロ過ぎる!

…とか、脳みそ沸騰状態な訳ですが、ん?ちと待てよ。少し冷静になってみると、なんかDNA鑑定とか最新の科学捜査ができる現代なら犯人一発で分かっちゃうなぁ、とか思ったり。でもこの映画、時代設定がちょっと古いらしい。携帯電話とかもってないしね。車の型も古いような気がする。

まあ細かいこと言い出せばキリがないですが、つっこみどころはやっぱり少なくて、話しの構成も凄く良くできていると思います。とにかく観客を翻弄してさんざん振り回すようなこの演出、心憎いです^^;

あと、何故か日本語のメニューがあるのに切り替えられなかったです。あ、しまった。パソコンで見てるから、マウスでセレクトできないのかも。リモコン使えばよかったのかな…(汗)もう手遅れじゃ~~! そんな訳で久しぶりに字幕で見ましたが取り立てて違和感もなく、最近の映画のようにめまぐるしいカット割りもないので不都合はなかったですが…。(負け惜しみじゃないもん…)

普通に見ておいて損のない映画だと思います。

ミッション・トゥ・マーズ

2007年08月26日 01時15分01秒 | 映画
人類の火星への第一歩を記すことになったマーズ1号。しかし、火星の探査を進めるうち、彼らは山の山頂から露出した奇妙な構造物を発見する。乗組員達がその調査に向かった直後、マーズ1号からの信号は途絶えてしまうのだった。マーズ1号の異常を知った地球からは、すぐさまバックアッププランであるマーズ2号が火星に調査に向かうことになる。しかし火星を目前にしてマーズ2号にもトラブルが発生…。彼らは無事に火星にたどり付き、マーズ1号の救助に向かう事ができるのか?

わりと好きな映画です。でも、何て言うか長回しのシーンがやたら多くてこれはデパルマ的?なのか、カット割りとかものんびりしててちょっと展開がもっさりしてる感じも。最初の人物紹介を兼ねたパーティのシーンも長すぎでちょっと間延びしてるし。ただ前半の火星上での謎の竜巻シーンは圧巻です。これをTVで予告編で見て、凄く見てみたいとずっと思っていたんです。

そんな訳でそこそこ見れる映画ではあるんですが、なにしろこの映画で一番残念だったのが役者さん。別に有名な役者使えば良いってもんじゃないんですが、役者陣はあまりに凡庸で無難。おしなべてどの人にも演技のキレがないです。と言うより、個性的な俳優さんが一人もいなくて、ちょっと物足りなさを感じてしまいます。

ただし撮影はものすごくて、宇宙船内の無重力状態の表現はなかなかの見所です。中盤トラブルに見舞われて、生身の人間の弱さと強さがうまく描かれている部分も手に汗握ってしまいます。特撮もCG頼みではなくて、模型作って撮影したりこだわりもあり、それがちゃっんと画面に出ているのでその辺の見応えもあります。ただしオチがね…、それなりに物語としてはまとまってるけど、それ以上の驚きはないっす。でも嫌いじゃないけどね。でももう一工夫ほしかったかなぁ…。この辺は見る人によって好き嫌いの分かれる所かと思います。スピルバーグとかルーカスとか好きな人なら、このオチはきっと気に入るんじゃないかな。

「ミッション・インポッシブル2」を蹴ってこれ撮ったとか。そんな話しも聞きましたが、その点ではデパルマ正解です。でも内容(ビジュアル)的には「2001宇宙の旅」の焼き直しで新味に欠ける印象です。本当にいろいろな意味で2001年と符合する部分が多く、正直オマージュでなければただの自己満足映画と言われてもしかたないような…。途中クルーがストローで宇宙食を食べるシーンがありますが、あれは2001年(あまりにも有名なあのシーンです)のオマージュ?なのかしら。美術や映像も2001年を彷彿させます。

デパルマだから…、と期待持ちすぎると裏切られますが、SF映画としてはそこそこ楽しめます。レンタルなら元とれる感じ?w う~ん嫌いではないですよこの映画w

エスケープ FROM L.A.

2007年08月24日 22時46分28秒 | 映画
大好きなジョン・カーペンター監督の作品です。
なんというかホントにこの人は愛すべき映画バカとでも申しましょうか。私のホラー好き、SF好きは、この人に火を付けられたような物なので、その点でもいろいろ思い入れのある監督さんです。

で、本作ですが、名作の誉れ高い(?)「ニューヨーク1997」のモロ続編。ひねりも何も在りません。王道を猪突猛進。「オレが歩いた所に道ができるのさ」(っていうか一回あんたあるいとるやん)的ノリで、相変わらず飛ばしておいでです。もう、主人公のスネーク・プリスケンからして前進あるのみなキャラで、格好イイんだか悪いんだか正直分かりません(汗) とにかくニヒルな男の見本のようなカート・ラッセル演じるプリスケンですが、ハイテクスーツを身にまとった姿はスゲーかっこ悪いっす(て言うかスゲー似合ってない…)。いえいえ、一般的な「カッコ悪い」ではなくて、絶妙のミスマッチ感と申しましょうか(笑)う~ん、いかしてます。男はこうでないとw

ストーリー的には完全に前作の焼き直しですが、もうそんな事はこの際気にしな~~い(笑) 地震で島になったロスの街丸ごと刑務所だろうが、キューバがアメリカにせめて来ようが、赤身の肉を食べるだけで市民権剥奪されようが、さらには全世界の電子機器を破壊できる中性子なんたらを搭載した人工衛星やら…、それが何だって感じです。というかこれこそこの監督の真骨頂。この大風呂敷を見よ!…でございます。もちろん中身もてんこ盛りな訳で、テンポもヘッタクレもありません。前進在るのみの映画です。(それでいいんです)

ちょっと今回は毒の効き加減が弱いような気もしたんですが、よくよく考えてみると、なんか凄い皮肉(猛毒)も込められていたり。大統領の娘の名前が「ユートピア」であり、最終的には大統領が娘であるそのユートピアを電気椅子で殺そうとするって、かなりヤバイです。まあでもそんな社会批判的な部分は置いておいて、随所にニヤリとさせる(苦笑いを誘う)演出ありで、ポップコーンぼりぼり食べながらコーラを飲んで、ガハハハと見る映画かなぁと。そう言ったブラックな部分も笑い飛ばして楽しめばいいんですよ。たぶん…^^;

イベント・ホライゾン

2007年08月19日 01時21分17秒 | 映画
7年前の事故で消息を絶ったイベント・ホライゾン号が海王星付近で発見され、生みの親である博士と調査船のクルーが海王星に向かいます。そこで彼らが体験した事とは…。

宇宙版ヘルレイザー? ああそんな感じ(笑) アマゾンのレビューでは酷評している人もいましたが、オタク、マニア系の人には概ね好意的に受け取られているようです。もちろん私もそっち側ですが^^;

いろんな映画を彷彿とさせるシーンが随所にあったり、この手の映画好きなら思わずニヤリとしてしまうシーン満載です。宇宙空間を舞台にしていますが、完全なオカルトホラー映画。結構スプラッター的要素もあるのでその手の映画が苦手な人にはちょっと勧められませんが…。

しかし、イベント・ホライゾン号の内装はまさに中世のお城のよう。円錐形の柱(宇宙船の内部に柱がある!)や、教会を思わせる通路の装飾。正面の窓は十字架の形だし、宇宙船本体も上部から見ると十字型です。通路の断面が棺桶の6角形だったり。で、宇宙船でありながら妙に煉瓦っぽい壁といい、さりげなく古い感じが取り入れられている所が面白いです。あと、海王星の軌道上と言う設定なのですが、海王星の嵐と渦巻く雲が窓の外を流れていく様はまさに地球上の風景を彷彿とさせます。

いやぁ、ホントにピンヘッドの魔導師が出てきてもおかしくないビジュアルで、実際最後の方はヘルレイザーをもろに連想させる風貌に変容した登場人物が出てきたりで、もうSFもへったくれも在ったもんじゃありません(笑)でも調査に来た宇宙船の乗組員達が真相を知るにつれ、次第に精神的にも肉体的にも追い詰められていく様はなかなか見応えありで、この手の映画としては非常に良く出来ています。正直、最後まで一気に見せるあたり良くできてますよ。

下手な大作映画より絶対おすすめです。役者も実に渋い人選で、良い演技してます。内容は理屈より何より、お化け屋敷でいいじゃん、…みたいな。とにかく見てて力入っちゃうシーンてんこ盛りです。そう言う意味では凄く楽しめました。B級映画はこうでないとね(^^)なので、オチがショボイとか、そう言うのはまあ、あまり言わないようにねw

一つだけ残念だったのは日本語版の吹き替えで、救助に来た船の船長(ローレンス・フィッシュバーン)の声優さんがちょっと棒読みだったこと。う~ん、主役級なんだから、もうちょっといい人使おうよ…。

参考までに↓
事象の地平面(Wikipedia)

イノセンス

2007年08月18日 02時08分23秒 | 映画
言わずとしれた押井守の「攻殻機動隊2」でやんすね。う~ん、これについてはなんか難しいなぁ。たぶん見る人と見方によって全然感想というか、評価の変わる映画の見本みたいな感じなんですよね。

じゃあ私は? う~ん、割と好きかな。映像は凄い。圧巻。もう、他のアニメ映画が全部ちゃっちく見えちゃうもん。でもちょっとCG臭い。アニメとCGの境界線が曖昧で、かなり微妙だ。CG映画に倒れる一歩手前の処で、つま先立ちでかろうじてアニメにとどまっている、とでも言うんでしょうか?(笑) そう言う意味ではかなり混沌としいる印象を受けます。でもそれが逆に内容に良い形で作用していたり。

とにかく台詞が引用の嵐で、まるで言葉の迷宮です。正直見終わってから出典や意味を確かめてやっとそれぞれのシーンの意味がわかる有様なので、その辺はちょっと見る側には辛いですね。でもそれが少なくとも私には押井守の狙い通りに作用していたように思います。好き嫌いはあるでしょうが。

声優陣も最高の演技してます。とくにハラウエイ訳の榊原良子さんはもう息遣いまでが絶品。すべてに神経が行き届いていて圧巻以外の何物でもありません。バトー役の大塚明夫、トグサ役の山寺宏一、もちろん少佐(?)には田中敦子、とおなじみの面々も言うには及びません。あと、バトーの飼ってる犬が超かわいい。

ただしそうした映像面の表現に比べてストーリーはメチャクチャ単純で、しかも原作の一話をほぼそのままアレンジしただけなので、ひねり無しなのがちょっとね…。滅茶苦茶乱暴な言い方をすると、ほら、ちっちゃ~~~~いエビに、ものすごくデカイ衣の付いたエビ天を想像してください。そう、イノセンスはそんな映画ですw

それから…、押井の人形感は良く分からないな。
人形=死、と言う構図が、あまりにも在り来たりと言うか。他でさんざん使い古された感覚の「引用」のようでなんかなじめない。人形見て畏いと思ったこともないしね。っていうか人形大好きです。さすがにビスクとかは高くて手が出せないけど、いくつか人形は家にもいるしw 人形は自分を映す鏡だよなぁと、家の人形達をながめていて思います。その瞳の中に居るのは紛れもない自分自身です。で、そこに自分の知らない自分を見て、人は人形に畏怖の念を抱くのかも…。と思ったり。あと、本当の自分を見透かされている怖さもあるかな、人形には嘘はつけませんw もし人形を畏いと思う瞬間があるとすれば、それは人の形なのに表情が無い事からくる違和感が大きいかもですね。脳が混乱すると言うか。こういうの知ってますか?「凹んでいるデスマスクを見た時の人の脳の反応」(つまり顔から剥がした石膏の型ですね)。本来、人間の脳には凹んでいる人の顔、と言う情報がないので、凸面のように錯覚して見えるんだそうです。だから表情の無い顔って、同じ意味で混乱するのかも…、と思ったり。人って殆どの場合何かしらの感情をいつでも持ってると思うから…。そう考えると「能面」て良く無表情の代名詞みたいに言われるけど、確かにありゃ怖いな。知り合いがよくイタズラするんですが、小さい子供って無表情でじっと見つめてると泣き出すんですよ(笑) やっぱり感情って人間のコミュニケーションの中で気づかないけど大きなウエイトを占めているのかもですね。

人形って、人間とはまた別の魂を宿している気がする。

とね…、私の中のゴーストが囁くんですよ(笑)

復活?

2007年08月13日 02時09分52秒 | 日々雑感
ご無沙汰しております。
ようやく精神的に余裕が持てるようになったのでブログなんとか再開したいと思っています。といってももう以前の方はだれも見てないと思いますが。

仕事が変わったことを以前に書きましたが、仕事忙しいです。仕事自体は楽しいのですが、やっぱりフリーとは違って毎日決まった時間働くことに慣れていない私にはちょっと慣れるのに時間がいりました。

ゲームは最近全然やってません。と言うかむしろ会社でやってます。そうです、ゲーム好きが高じて、なんていうかミイラとりがミイラになってしまった…、と言ったら分かっていただけるでしょうか。何処かは内緒ですが。

いろいろその後も体調崩したりで大変で、それでもなんとか仕事は続いています。

今は夏休み。最近近所にTSUTAYAが出来たので、DVDの映画借りて見まくってます。
で、たくさん映画を見ているうちに、ブログでまた感想を書き散らしたくなってきてしまいました。

そんなわけで細々とですが、ブログ復活しようかと思ってます。あとPSUは完全引退(時間的にも気力てきにも)なので、PSO関連のサイトは近々閉鎖予定です。
私にはいろいろ思い入れもある拙いサイトではありましたが、BBSに書き込みに来ていただいたり訪問していただいたこと、ありがたく思います。本当にありがとうございました。

このブログはこれから映画の感想中心に書いていこうと思っています。もしお暇がありましたらたまに覗きにきていただけれると嬉しいです。なんて、誰もみてないだろうなぁ…(笑)