やっとレントンくんが自分の意思を出すようになって、主人公らしくなってきました。以前よりも各キャラの心情とかも理屈じゃなくて感情として伝わってくるしで、ようやくまともに見れるレベルになってきた気がします。
以前レントンがKLFの残骸にバラバラになった死骸を見て、人殺しを実感するシーンがここに来て活きてるって事なんですね。まあそのレントンの経験があって、今回エウレカに「自分たちがやらないと何も変わらない」と説得するシーンが意味を持ってくると言うか…。ただしもう少しスマートに出来なかったもんかと引っかかる部分は多々ありますが。レントンに限らず、エウレカにしてもホランドにしても然りで、成長の過程の描き方が理屈っぽくて、書き手の許容量いっぱいっぱいな感じがしてしまうのが苦しいところ…。
それと時々難しい思わせぶりな用語とか出てきますが、これもなんだかチグハグな感じです。と言うかそう言うマニア向けなはなしなの?と思ってしまいます。全編にちりばめるって訳でもなく唐突だし。もし話に深みを出したいならやっぱり人物をまずキチンと描いてくれないと。描ききれてないその空っぽのキャラに思わせぶりな台詞を吐かれても、正直見ててちょっと辛いです…。大体この時間帯の視聴者層に配慮した内容とは言い難いところがなんとも中途半端で、この「吹っ切れて無さ加減」にはちょっとイライラさせられます。
そう言えば最初の頃は必ず番組のラストの方で「ねえさん~」というレントンのモノローグがお約束だったのに、最近はなくなっちゃいました。あれ、結構笑えて好きだったんですが。最近は話が殺伐として深刻になってきちゃったのでやりにくいっていうのもあるんでしょうか? あとレントン自体が自分でいろいろ考えて行動するようになった、と言う事あるのかも知れませんね。でもああ言う演出は結構好きでした。
前回あたりから登場してる謎の高僧のおっさん、このキャラ良いですね^^; 一応偉い人なんでしょうが、何とも俗っぽくて砕けた感じがミスマッチで良い味出してます。いままで「を?」と思うキャラがいなかったですがようやく個性的なキャラが出てきてちょっと嬉しい。
更に今のエンディングも割と好き。曲が好みっていうのもありますが、物語の中では散々な描き方されてるアネモネが、このエンディングでは可愛く描かれているのが良いです。メーテルがウサギ?のリュック背負って、シャボン玉飛ばしてる絵とかもなんか好きなんですよ。
それからエウレカの中で以前から良いなと思っているのは、最近流行の3DCGを使ってない事でしょうか。ロボットや飛行機をちゃんとセルで描いてる所に、なんかこだわりを感じてしまいます。特に一番初期のエンディングのアニメーションがその最たるものではないかと思うのですが、カメラが人物の間をぐりぐり移動して行く様子をCG使わないで手書き(おそらく)で描いてるヤツは凄いなと思ったり。最近こういうアニメーション本来の「味」にこだわった画面て、ほんとに見なくなってしまったので、この辺はBONSE買ってますヨ。
…と書いていて今気が付きましたが、私がエウレカにこだわる理由はまさにこんな所にあるのかもですね。お手軽なアニメ作り飛ばしてる会社ならいざ知らず、こういった何かしらのこだわりを感じさせる作品を作っている会社だからこそ、やっぱり期待してしまう部分もあるわけで…。なので、もう少しストーリーの方も「独りよがりでないこだわり」をもって、良い作品をなんとか作ってもらいと、願わずにはいられません。