「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「山際の木瓜」

2014-03-20 00:24:19 | 和歌

 谷戸道の奥まった山際に、木瓜の花が満開で虚庵夫妻を迎えて呉れた。

 木瓜の咲振りも見事だったが、谷戸道の脇の斜面の雑草を丁寧に刈り込んであって、近くにお住いの方の人柄が偲ばれた。 自宅の庭の手入れだけでなく、人通りも殆ど無い谷戸道の雑草を、見苦しくない程度に刈り込んだ住み人の感性に痺れた。

 世の中には、ほんの些細なことであっても手を抜かず、誰に訴えるでもなく、自分自身が納得できる次元まで意を尽くすご仁が居るが、その様な方には敬服だ。

 ともすれば世人の評判を気にしたり、ポピュリズム的な反応には違和感を覚え、
時には嫌悪感すら感じられることもある。 それに引き替え、他人の目を気にせずに精一杯尽くす姿には、その成果がたとえ些細であっても感激させられる。




           人気なき谷戸道辿れば山際に

           木瓜咲き誇り 彼岸を知るかも


           山際の木瓜の下草丁寧に

           刈り込んであり観る人も無きに


           常ならば野草のしげる山際を

           木瓜咲くゆえに草刈る君はも


           谷戸の木瓜を愛しむ人の心なれ

           花を邪魔する野草を刈るとは