近くの丘の上から、東京湾に浮かぶ唯一の自然の島、「猿島」を写した。
島の向こうには、横浜が遠く見える。手前には横浜・横須賀高速道が、近くの終点に向けて走り、その向うに住宅街のごく一部分が迫っている。海沿いには椰子並木がごく小さく写っているが、この辺りから左方向へ約2キロほど、防潮堤を兼ねたプロムナードが続き、椰子並木は総延長5キロ程にもなろうか。
防潮堤は、上下二段の構成だ。 下段は海水の干満に余裕を持たせて、海面上
約3メートル、幅は狭い部分で10メートル、広い部分では30メートル程もあろうか。上段は更に3メートルほど上に構築され、幅は10メートル程度。 上下の防潮堤は、それぞれ半分ほどの幅に巨石を並べ、隙間から越波を海へ戻す設計で、極めて大がかりな構築物だ。
市民の散歩用のプロムナードは、上段の巨石帯を挟んで両側に2メートル幅の歩道を2本、下段に1本の歩道が設えられているので、人気のスポットになっている。
その様な散歩用のプロムナードは、自転車の乗り入れや海釣などが禁じられているのだが、広くのびのびした空間なので、禁を破る輩をしばしば見かけるのだ実情だ。
上段のプロムナードは、4車線の道路沿に椰子の巨木が植えられ、その足元には磯菊やシャリンバイ、アイスプランツなどが植えられ、眼を愉しませて呉れている。
11月の初旬に磯菊の綻びを写して、 「小菊の季節 - その1」でご紹介したが、あれから2ヶ月を経て満開になった。寒い季節では、開花から満開になるまでに、これ程の日数が経つのかと驚きつつ、その間たっぷり愉しませて貰ったことに感謝だ。
丘の上から観た猿島はかなり大きく見えたが、防潮堤からの猿島が小さく見えるのは不思議だ。カメラのピントを近くの磯菊に合わせたので、猿島が小さくなったのであろうか。思いもかけぬレンズのイタズラを、再発見させて貰った。
息切らせ 坂道登り 振り返れば
手が届くかと猿島眺めぬ
住み慣れた街並み遠く探せども
吾が住む辺りは霞む彼方ぞ
ゆとりある街に暮らすと思へども
斯くも狭きか 視点を替えれば
丘を降り海辺に至れば椰子の根を
磯菊埋めてじじ・ばば迎えぬ
猿島を幾たび眺めきつらむか
椰子の根方に磯菊めでつつ
霜月のこえ聞き咲き初む磯菊を
歳の初めに満開寿ぐ