「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「八重咲き柘榴」

2013-06-25 00:23:15 | 和歌

 珍しい「八重咲き柘榴・ザクロ」が、しかも斑入りの花びらで咲いていた。

 実のなる「柘榴・ザクロ」の花は、子房の部分が小壺の形をしていて、縁が花びら風に切り込んでいる。 小壺はやがて成長して、ザクロの果実の厚い皮になるのだ。ザクロの果実のお尻には、花びら風の小壺の縁が其のまま残っていて、秋になれば厚い皮がぱっくりと口を開け、「食べてたべて」とせがむ風情が何とも言えない。 

 八重咲きの柘榴も果実が生るのだろうか? 或いは観賞用の園芸種で、果実は生らない品種なのであろうか?
人間は、草花や樹木にまでも品種改良の細工を凝らすので、天然種か否かの判断が難しい。

 柘榴の実に纏わる鬼子母神の昔話を、虚庵居士は子供の頃に聞いたことがある。 奇怪なお話だった。それだけに鮮烈に記憶にとどまったのだろう。 
かなり以前に「柘榴とお婆ちゃま」とのタイトルで掲載した。併せてご覧頂きたい。
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           八重に咲く柘榴の花を見上げれば

           初めて食べた果実を思ほゆ


           華やかな斑入りの花の結ぶ実を

           思いも描けず柘榴の姿を


           枝垂れ咲く八重の柘榴の二輪かな

           花の重みに堪えかねるらし


           皮割れて中よりのぞく紅の

           艶やかな実を瞼に描きぬ