恥ずかしい話で、
20歳の私が聞いたら驚くと思うけれど、
毎日一緒にいて、
仕事と子育てのつまった生活をしていると
時折視界が曇ってしまい、
大切なものを見失う。
そうして一番大切なひとと、
どうしようもなく
傷つけあってしまう日があるのだ。
傷つけあってしまった次の日に、
ただそばに座っただけで、
私たちは思い知る。
ここに、ずっといたい。
本当は、そう、
一番大切なきもちがいつもあって
それがあるからこそ
2人でこうして歩いてきて
家庭を築いている。
時折こんなことがあって
思い出すのだ。
彼が帰ってきて気づく。
理屈や、現実とはなんら関係なく
私はただこの人の隣にいたい
近くにいたい、ただそれだけなんだと。
18歳だったあの時、あの喫茶店で伝えた、離れたくない、という言葉。
それがすべて。
今でも、なんにも変わらない。
どうして帰ってきたの?と聞く私に
君が泣いている気がしたから、
と答えた彼。
それだけで、
自分のすべてが、
許されて満たされた気がした、
そんな秋の夜。
いい大人がそんなことでどうするの、と
20歳の私に笑われそうな
出来事でした。