沖縄の街角(旧名:北京の街角)

沖縄と天津でIT関係の会社を経営しながら、仕事を通して考えたことを発信する。

日本のユーザーと中国のユーザーの考え方の違い

2015-11-14 10:38:22 | 事業
日本でi.Bou-GHS_MLの本格的販売を開始して感じた、日本のユーザーと中国のユーザーのソフトウェア使用に関する考え方の違いについて、記録の意味も含めて書いておこう。

一言で言い表すと、日本は形式的、中国は現実的とでも言えるかな。

最近ある日本のユーザーから、GHS分類の根拠を表示してほしいとの要求が出た。
どういう事かと言うと、例えばソフトウェアが急性毒性経口区分2と分類したとすると、なぜそのように分類したのかの根拠を表示しろというもの。
この種のソフトウェアでは、分類の正確さが命であり、リリース前にはこの点の検証は十分に行っている。従い、成分のGHS分類データと、製品の配合比に基づき、製品の正しいGHS分類結果を出すことは、基本中の基本で当然のこと。従い、最初にこの要求を受けた時は、「何をいまさら、そんなことしたら無駄なコストが上がるだけじゃないか」と思った。しかし、よくよく考えてみると、このような表示があれば、ユーザーは安心感を持てるし、ひょっとすると危険性を下げるための配合比の改善を思いつくかもしれない。開発者側は、判定根拠を示すことにより、その分類結果に対する免罪符とすることができる。だから、経産省の無料分類ソフトにも、こんな機能を忍び込ませていたのかと、さすがお役所仕事だと妙に納得した。

一方中国のユーザーはというと、何しろこのソフトを使うことで、自分の今の仕事を楽ちんにしたい。操作方法も、複雑なのはだめで、とにかく簡単にしてほしい。例え、結果が間違っていてもそれはソフトのせいであって、自分ではない。極端に言うとこんな感じで、操作性と自動計算機能に要求が集中する傾向がある。

冷静に比較すると、やはり日本のユーザーのほうがレベルが高い。レベルが高い分、複雑な操作性や高い価格にも許容性が高いとも考えられる。さらに付け加えると、どうも「寄らば大樹の陰」的な考えが強く、特に大手のユーザーは、価格が高くても名の通った大手企業が開発したソフトを選びがち。

i.Bou-GHS_MLは、日本での販売を成功させる事が大前提なので、GHS分類の根拠表示機能も、日英中の三カ国後表示で付けることにし、さっそく改造に取り組み始めた。

また、日本の某企業のSDS担当がどうも大手の塗料会社の出身のようで、やたらSDS関係に詳しい。前回、日本でi.Bou-GHS_MLのプレゼンをやった時、表示される法律に「特化則」が入ってないとのことでダメ出しされた。その人曰く、特化則が入ってないと百年たっても塗料会社には売れないぞと脅された。そこで、それ以外に追加せねばならない法律はあるかと聞くと、別にないなという事なので、「よし、じゃあ特化則を追加するから、絶対買ってくださいよ」と返事した。ということで、この「特化則」も日本のSDSの第15条に付け加えることにした。

稲が穂をたれるように、身を低くして要求を分析し、必要と思われる機能を付け加えて、価格は変えることなく日本で販売実績を上げて名が通るようにしなければ! そして日本市場を制覇して、世界に飛び出すぞ!! 
ビジネス戦略としては、サイボーズ社をお手本にしよう。青野さんのやり方を目指すからよろしくね(ただし育夫いがいだけど)!

日本の財界人よ、喜ぶな!

2015-11-05 13:24:42 | 事業
http://www.sankei.com/economy/news/151104/ecn1511040079-n1.html

李克強が、財界人一行に会ってくれたと喜んでるようだが、何度過ちを繰り返せば、学習するのかね、財界の重鎮のじいちゃん達は。

中国は、状況が自分たちに不利になったら、突破口に日本を利用してるのは、過去の歴史を見ればわかるだろ!

中国の経済はボロボロ、社会矛盾は爆発寸前、政治的には習近平の新型大国関係が大失敗だったことが国内に知られてしまった、にっちもさっちも行かない状況が、日本に対してスマイルを投げかかける戦略に出てる事は、子供でもわかるだろ。

又々ここで日本の財界人が企業に中国投資を加速させたら、中国経済が持ち直し、またぞろ日本企業を締め上げるのは、自明の理。

石平が書いた「日本は中国から離れると上手く行く」でも買って勉強したらどうだ、サラリーマン社長さん達よ。

中国は日本からの投資を、喉から手が出るほど欲しがってると、わかっていて投資するなら、そのあとどのように中国政府の逆手を取って国益を確保するのか、ちゃんと戦略を練ってから行動してくれよ。何せ中国政府はあなた達より何倍もしたたかで、上手なんだからね。だから、石平みたいに相手の事をよくわかってても、外にいて本書いて共産党の消滅をひたすら祈ることしか出来ないんだから。

宜しく頼むよ、じいちゃん達。