沖縄の街角(旧名:北京の街角)

沖縄と天津でIT関係の会社を経営しながら、仕事を通して考えたことを発信する。

50倍の給料

2010-05-30 18:27:55 | 事業
ホンダのストライキ、焦点は日中従業員の50倍の給与格差

日本人駐在員の給与が、中国人労働者の50倍であることを知った中国人従業員が、賃金アップを要求して労働争議を起こした。これは、日本人駐在員と現地労働者の間の賃金格差として昔からあったリスクだ。中国人労働者の立場からすると、こんなに賃金差があれば、当然頭にくる。ましてや、中国はほかのアジア諸国とは違って、反日感情のとても強い国だ。

日本の企業は、今回の問題を他人事と考えずに、中国ビジネスに対して、再度根本から考え直すべきだ。
今回の問題の原因は、中国が特殊国家であることを、忘れてしまった企業経営者と日本人社員にある。

日本の生産拠点を閉鎖して、日本人従業員を解雇してまで、中国の生産拠点を拡大する必要があるのだろうか。あまりにも短絡的発想ではないだろうか。
中国が西側諸国並みにすべての市場を開放する事は、今後も共産党が政権を握っている限り実現しないであろう。従い、いくら中国で利益を出しても、その利益を日本に持ち帰ることは難しい。莫大な投資をして中国に工場を作り、最先端の技術を持ち込んで生産して
も、苦労の末の実りはすべて中国に残すしかない。
これだけ、日本企業が日本国の国益を考えずに、中国に技術とお金をつぎ込み、労働の機会を提供し、GDPを押し上げてやっても、全く中国人に感謝されない。それどころか今回のようにストを打たれて、いたずらに反日感情を悪化させている。

その責任は日本人の駐在員にもある。中国人は本当に能力ある人間が高給をとっても、それを羨ましくは思っても、文句を言って仕事をサボタージュする事はしない。
じゃあ、なぜ広州本田でストが発生したのか。それは多分、中国人従業員が、日本人駐在員が自分より50倍も多い高給を取る能力があると認めていないからだろう。
確かに日本人駐在員は車作りの技術はあるのかもしれないが、「あいつはすごい」と中国人が一目を置くような人間的魅力を感じられなかったのだろう。中国語もまともにしゃべれずに、いつも通訳経由で意思の疎通をはかっていては、だれも尊敬しない。
ましてや、昼間の態度は大柄で、夜はカラオケ、週末はゴルフでは、彼に人間的魅力(金の魅力?)を感じてくれるのは、カラオケのネーチャンだけだろう。

自分のことを棚にあげて言うのもなんだが、何の目的で中国に進出してきたかわからない日本企業や、目に余る日本人駐在員が多すぎる。
中国に進出してくる日本企業の社長さん、本当に進出する事が正しいのか、正しい場合は日本人社員を派遣する目的は何か、もう一度本質の部分を考え直したらどうだ。

草食系男子

2010-05-05 22:09:57 | 事業
最近わが社の天津のエンジニアが一人退職した。
彼は礼儀正しく、まじめで責任感が強い性格なので、客の評判は悪くない。
退職されるとわが社の損失と考え、色々な引き留め交渉をした。賃金アップ、労働条件の変更などなど。
でも、結局辞めていった。彼は25歳。

辞職の理由が最近の若者の問題点を良くあらわしている。
彼曰く、毎日出くわす厳しい環境、お客さんの厳しい意見や取り扱いに耐えられない。
新しい出会いがある環境に耐えられない。
いつも同じメンバーの優しい環境、同じ仕事内容という、安定した状態にいたい。

それなら、わが社の北京でも人材募集しており、北京ならオフィスに座って、いつも同じメンバーで仕事できるので、北京で働かないかと誘ってみた。
でも、天津の実家から遠いところで、働くのはいやだといって断られた。

一人っ子で親からいつも甘やかされて育ったんだろうな。
両親からは、すでに結婚したら住むマンションまで買い与えられている。それは、当然実家の近くで、親の目が届くところ。

私自身の経験では、25歳は立派な大人であり、男ならなんとか親から離れて自立したいと思うはず。でも最近は違うようだ。日本でも草食系男子というけど、中国でもそんな若者が増えているようだ。