玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

総理の資質(麻生スピーチと鳩山の嘘)

2010年05月23日 | 政治・外交
思えば去年の今ごろはマスコミも国民も寄ってたかって麻生総理を馬鹿にしていたものだ。
いわくバー通い、いわく漢字が読めない、あるいはホッケの煮付けだの、総理自身が定額給付金を受け取るかどうかはっきりしろだの。
支持率は20%を割り込むほど下がり、総選挙で「歴史的な政権交代」を成し遂げたのまではけっこうだが、日本の明日を託した鳩山総理(民主党政権)はびっくりするほどルーピーさん。それが国民の選択だから受け入れるしかないけれど、どうにも理不尽に思えて仕方がない。

麻生太郎オフィシャルサイト きょうたろう 2010年5月20日
「例会挨拶10・05・20」
【要旨】
● きょうの新聞に「ハトる」という言葉が書いてあったのが目にとまったが、早い話が「できないことを約束をすること」、こういうことになるんだと思いながら見た

● たとえば普天間基地移設の話。月内に共同声明を出すとか、日本とアメリカの間で最終調整するとか、いろいろなことが言われているが、その中に辺野古への移設を明記すると書いてあるものもある。それは、過去約13年にわたって自由民主党が、地元や米軍との間で作り上げた話に戻るということだ

● 民主党はその13年間の話を、去年の9月突如「NO」と言った。なぜ「NO」なのかという説明は一切ない。とにかく「県外移設、できれば国外移設」と言っていたものが元に戻るわけだが、それならこの1年間はなんだったのか

● この1年間、沖縄や移設に関係するの人たちの気持ちはもてあそばれた。これは全くふざけた話で、そう感じている人は多いと思う。この1年間、混迷を極め、首相本人が抑止力の意味が理解できていなかったとか、そんな話で日本の対外的な信用を落とし、日米関係がぎくしゃくし始め、数え上げれば切りがないほどの問題が生じ、大変国益を損なった

● そういった意味では「ハトった」結果、このようなことになったんだろうが、こういった点は追及されてしかるべきだ。一切責任取らないのも「ハトる」ことなのかもしれないが、私はそういった点が一番問題だと思う

● また、口蹄疫の話だが、10年前に発生した時は、江藤隆美先生や山中貞則先生のご指導もあり、我が党の担当者が遅滞なく対処した。お二人の先生方は亡くなられているが、ご記憶の方も多いと思う。この時と比べてみたら、初動が遅かったことは明白ではないか

● 農相が海外に行っていたとか、いろんな話があるが、ことの重要性を「役人から聞いていなかったから」と言うのは、それは役人を信用していないからそうなるのだ。政治主導と言うが、こういう対応ができない政治主導は問題だ。農相の発言を聞いていると、何か勘違いしておられるのかなという感じがする

● 我が党としては議員立法の提出も検討している。感染していない牛や豚を殺処分することは、私有財産を侵すことことにもなるので補償も必要だろうし、また処分した家畜を埋設する場所の問題もある。いずれにしても、我々としては、政府に対応を急がせなければならないのはもちろんだが、責任についてもきっちり追求していくべきだと思う

● 通常国会の会期があと1カ月ということで、与党は強行強行で話を進めているが、明らかに異常な状態が続いてることは確かだ。我々は、この異常な事態になっていることをはっきり主張し、どこが問題なのかという点をさらに詰めていく必要もある

為公会例会でのあいさつを書き起こしたもの。
公の演説ではなく身内向けのスピーチなのに、論旨が明快でよくまとまっている。まるで何度も推敲したコラムのようだ。
「原稿を読んでいるんじゃないか」と思う人がいるかもしれないが、youtubeに動画が上がっている。




原稿もプロンプターも見ていない。私ごときが言うのもなんだが、さすがに立派なものである。



一方の鳩山総理。

普天間移設は「最低でも県外へ」/鳩山代表訴え | 全国ニュース | 四国新聞社
 民主党の鳩山由紀夫代表は19日、沖縄県沖縄市の集会で、衆院選で政権を獲得した場合の米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設に関し「『最低でも県外』の方向で積極的に行動したい」と述べた。移設候補地であるキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)の新基地建設については「沖縄の過剰な基地負担をこのまま維持するのは、納得がいかない」と指摘した。

asahi.com(朝日新聞社):「最低でも県外、自分の発言」 鳩山首相、党公約を否定 - 政治
 鳩山由紀夫首相は6日午前、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を県外とする方針の転換を沖縄県側に説明したことについて、「『最低でも県外』と言ったのは自分自身の発言。自分の言葉を実現したいと思い、政権の中で努力してきた」と釈明した。その上で、県外移設は民主党の昨年の衆院選マニフェストに盛り込んでいないことを挙げ、党の正式な公約ではないとの認識を示した。首相公邸前で記者団の質問に答えた。

「辺野古は断固反対」名護市長、首相と会談 : 基地移設 : 特集 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 鳩山首相は23日昼、名護市内で稲嶺進・同市長ら沖縄北部市町村長と会談した。

 稲嶺市長は、首相が米軍普天間飛行場を名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブに移設する方針を正式表明したことについて、「『ようこそ』という気持ちにはとてもなれない。これまでの思いを裏切ることで怒りを覚える。断固反対する」と述べ、受け入れを拒否する考えを表明した。

 これに対し、首相は「私もかつては『辺野古の海を汚してはいけない』という思いで頑張ってきた。『できれば最低でも県外』といったのは事実だ。みなさんの気持ちにそえない結果になっていることをお詫びしたい」と陳謝した。


嘘に嘘を重ねる「ルーピー」鳩山総理。浮ついた言葉が無残とも情けないとも言いようがない。
去年の七月に沖縄の集会で「最低でも県外」と安請け合いしておきながら、迷走したあげく都合が悪くなると「できれば」の話にすりかえる。これがスタンフォードで学んだオペレーションズ・リサーチの成果なんでしょうか。ここまで不実だと沖縄県民が怒るのも当然だ。

沖縄タイムス | 県内反発 不信も増幅 鳩山首相きょう再来県知事、「困難視」変えず
首相、県民歓迎と認識か

 鳩山由紀夫首相は4日の初来県後、周囲に「自分はそんなに反対されたとは思わない」との感触を漏らしている。周辺によると「首相はむしろ歓迎されたと思っている」という。

 4日は県庁前広場をはじめ、首相が立ち寄る各地で抗議行動が起きていた。しかし首相は「どこでも、同じ人が集まっている印象がある」と感じ、「車で走っているときは(沿道で)みんな手を振ってくれている。ほかの県を訪ねたときと比べてそれほど嫌われているとは思えない」と話しているという。

 このエピソードを聞いた与党議員は「宇宙人にもほどがある。本当に石を投げないと分からないのか」と吐き捨てるように話した。
いくらなんでも、いやまさかそんな。
とても信じられないような話だけれど、鳩山総理のこれまでのルーピーぶりを思い出すと、「ありそうなことだ」と思ってしまうのが情けない。

参考
 鳩山由紀夫首相の嘘: 極東ブログ


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1 コメント

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Unknown (ameame)
2010-05-24 02:39:44
たぶん、多くの人たちは鳩山を馬鹿にしつつも、無意識のレベルでは自身の頭の悪さにもがっくりときているような気がします(支持率が微妙にあるのもそのせいかもしれない)。今回のことで、私自身は人を見る目というのをこれからは鍛えていかないといけないのかなと感じました。世論の空気ばかり読むのには長けていても、他者の本質を見抜く力が無ければただ食い物にされてしまうみたいです。
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