玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

アクセルを踏むと走り出す。一度やってみなよ。

2008年03月17日 | 日々思うことなど
皮肉でもなんでもなく、ポジティブ思考で積極的に生きることは素晴らしい。
それなのに、「みんなもっと勇気を出そう」と呼びかける文章を読んで生暖かい気持ちになってしまうのはなぜだろう。

要は、勇気がないんでしょ? - Attribute=51
友達はオレの顔をじっと見つめながら、一言、

「だせぇ」

と言いました。

ごちゃごちゃ言ってるけど、勇気がないだけじゃん
彼は言います。

言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、

勇気がない自分を必死になって正当化してるだけじゃん、と。

ナンパする勇気もないやつが、出会いがないとか言うんじゃない。


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私はなぜか「2ちゃんねる」でしばらく前に流行った「神のGTO」コピペを思い出した。

頭文字ネ申

53 名前: 名無しさん@そうだドライブへ行こう 投稿日: 01/11/25 12:13 ID:CG0qFzoc

GTOのATのNA乗ってる。先月免許取得して中古探しに行ったら見た瞬間に即決した。
カッコイイ、マジで。そして速い。アクセルを踏むと走り出す、マジで。ちょっと
感動。しかもスポーツカーなのにATだから操作も簡単で良い。NAは力が無いと言わ
れてるけど個人的には速いと思う。ターボと比べればそりゃちょっとは違うかもし
れないけど、そんなに大差はないって店員も言ってたし、それは間違いないと思う。
ただ坂道とかで止まるとちょっと怖いね。ATなのに前に進まないし。
速度にかんしては多分ターボもNAも変わらないでしょ。ターボ乗ったことないから
知らないけどタービンがあるかないかでそんなに変わったらアホ臭くてだれもNAな
んて買わないでしょ。個人的にはNAでも十分に速い。
嘘かと思われるかも知れないけど東関東自動車道で140キロ位でマジで34GTRを
抜いた。つまりはGTRですらGTOのNAには勝てないと言うわけで、それだけでも個
人的には大満足です。

カーマニア以外の人に説明すると、GTOとは三菱GTOというスポーツタイプの車のこと。



ATは自動変速機(オートマチックトランスミッション)、NAは自然吸気エンジン(ナチュラルアスピレーション)を意味する。ATは運転が楽でNAは燃費が良いけれど、カーマニアにはマニュアルやターボエンジンと比べて鈍重だ、パワーが無いと見下されることがある。
「神のGTO」の面白さは、そんな車に乗りつつ「速度にかんしては多分ターボもNAも変わらない」と言い切り「(世界最速の量販車と呼ばれる)GTRですらGTOのNAには勝てない」と豪語する無邪気さにある。
「GTO神」の文章は2ちゃんねるで大受けし、たくさんの改造コピペが作られて一世を風靡した。私も大好きでいくつか作ったことがある。どれくらい受けたか知らないが個人的には大満足です。

GTO・AT・NAのガイドライン 5

GTO神はポジティブ思考だ。人生が楽しそうである。正直言ってうらやましい。
免許を取ってすぐ自分が惚れ込める車を見つけて即決し、スタイルと速さに大満足し、ついにはGTRより速いと言い切ってしまう。夜郎自大とか井の中の蛙とか貶すことは誰にでもできるが、これほどまでにカーライフを楽しんでいる人はそんなにいない。

GTO教の末端信者として信仰告白すれば、人生も車も自らの意思で「アクセルを踏」まないと走り出さないのである。逆に言えば、よほど調子が悪くないかぎりアクセルを踏みさえすれば力強く前に向かって走る。ちょっと感動。
アクセルを踏みもしないで前に進まないと嘆いてみても始まらない、感動できない、という教えは完全に正しい。宇宙の真理である。

だが、残念ながらGTO教はネガティブ思考の日本人を変えることはできなかった。それはなぜか。
日本社会は、いや日本の道路はやたらとあちこちで渋滞しているからだ。
自由にアクセルを踏んで走り出し感動を味わいたくても、車間距離10メートルでは不可能だ。流れに乗ってダラダラ走るほかない。自分の意思で前に進んでいるのかそれとも後ろから押されてるだけなのかわからない。やっとのことで渋滞を抜けても広い道にはスピード取締りが待ち構えている。狭い道は曲がりくねって危険だ。とかくに人の世は住みにくい。
日本人はへんに頭がよくて見栄っ張りだから「GTRですらGTOのNAには勝てない」と思い込むのは難しい。どうしても走る前から自分の実力を見極めてあきらめてしまう。うかつにGTR(断固害とも呼ばれる)と張り合って恥をかきたくない。つい右足から力が抜ける。
最近は特にガソリンが高い。アクセルを踏めば踏んだだけガソリンを消費する。車を走らせるには保険に入る必要があり、税金も払わなければならず、都会では駐車場代は家賃並みで、何かと物入りだ。それなら「無理して買う必要はない」「車なんかいらない」「アクセル踏んで走り出し『ちょっと感動』しなくてもいい」と思うのは自然なことだ。
GTO神のように無邪気に人生とカーライフを楽しめる人は幸福である。


GTO神の仲間のポジティブ神に「25歳金無し君」がいる。
有体にいえばオンラインカジノの広告なのだが、こちらのお告げもたいへん味わい深い。

■一度やってみなよ■ コピペ・AA元ネタ集 【Shining Award】
25歳。
去年まで金無し君だったけど、オンラインカジノとパチンコで
二年で350万貯めた。一度やってみなよ。
初回のみだけど、1ドル以上のチップを買えば30ドル(4000円くらい)貰える。
もらうだけもらってプレイせずに換金することもできるし、ルーレットで赤か黒に
思い切って賭けてしまえば50パーセントで二倍になる。
金なきゃオフラインでゲームすればいいだけ。暇つぶしになる。
ビデオポーカーとかスロとか色々あるのでマジでお勧め。

「去年まで金無し君」だったのに「二年で350万貯めた」というのは矛盾じゃないかとつい思ってしまうが、そんなことを気にしているとポジティブに生きられない。断然無視するのが男らしい。
「一度やってみなよ。」という金無し君の教えは「アクセルを踏めば走り出す。ちょっと感動。」と同じくらい素晴らしい(しょーもない、とも言える)。人生もオンラインカジノも「金なきゃオフラインでゲームすればいいだけ。暇つぶしになる。」のだ。未来にすばらしい楽しみが待っているのになぜあなたは(私は)ためらうのか?(「要は、勇気がない」からだ!)
ポジティブな生き方の妙諦とは
 「アクセルを踏めば走り出す。ちょっと感動。」
 「一度やってみなよ」「マジでお勧め」
である。

最後に日本を代表するいい男、阿部高和の名言を記す。



「男は度胸!なんでもためしてみるのさ」


ご清聴ありがとうございました。

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