ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

替り目

2020年12月17日 11時47分18秒 | owarai

落語家のなりそこないの私は 
今でも落語があきらめきれず、 
夢で高座に上がっている。 

亡き、志ん生さんは無類の納 
豆好き。昔、納豆売りに失敗 
したとき、やんなるほど 
食べただろうに。 

志ん生さんが演る『替り目』 
の噺ん中にも、出てくるんで 
す、納豆が。 

『替り目』というのは、――― 
飲んだくれた亭主がいつもの 
ように酔っ払って帰ってきて、 
まだお酒を飲むと駄々をこね 
る。 

だけど、肴がないってんで、おか 
みさんにおでんを買いにいかせる 
です。その後、今までさんざん威 
張ってた亭主が、独り言で 

「ウチの女房ほどいい女はいな 
い。苦労させてすまねぇと思って 
るんだ」って、日頃言えない本音 
を吐くんです。 

ところが、おかみさんはまだ出掛け 
てなくて、後に立っていた――― 
って、いうような人情噺で、志ん生 
さんの十八番(おはこ)の一つ。 

倒れた後に初めて上がった高座でも 
演った。 

この『替り目』ん中に、夫婦の 
こんなやりとりがあるんです。 

「今朝、食べた納豆の残りが十三 
ばかりあったろう、あれ、出して 
くれ」 

「ああ、それ食べちゃった」 
「おなえは何でも食べちゃうな」 
これなんかも、志ん生師匠が納豆 
好きから出てきた台詞だと思うん 
です。 

ここのお嬢さんがエライ、弟が生 
まれて忙しくなったからと麻布の 
貯金局を辞めてしまった。 

弟の志ん朝さんを、このお姉さんの 
美津子さんが面倒を見た。 

だが、志ん朝師匠に、大人になって 
からも感謝されたことはなかったと 
いう。 

志ん生師匠とお母さまのりんさんが 
亡くなった後、お姉さんの美津子さ 
んが一人っきりになったときから、 

志ん朝師匠は、黙って仕送りを美津子 
さんにしていた。お正月にはお年玉 
をあげたり。 

志ん朝師匠が家を建て替えたとき、 
わざわざ美津子さんの部屋を造って 
いた。それが志ん朝さんの 
「姉ちゃん、ありがとね」って、 
言葉の代わりだったんですね。 

お後がよろしいようで・・・。 

※五代目、三遊亭圓楽が 
倒れて後、復帰演目は「芝浜」。 
近代落語の傑作。

 

YouTube

長谷川きよし - 「別れのサンバ」2012

https://www.youtube.com/watch?v=2qMzBDe66s8

 

 


♀と♂のほうそく

2020年12月17日 08時43分01秒 | owarai

「いい男と 
いい恋愛は、おんなを綺麗に 
する」 

「わるい男と腐れ縁は、 
おんなを死ぬほど ブスにする」 


「遠くの王子様より 
 近くの あのヒト」 

「バストはツカミで 
 香水とヒップ(ランンジェリ)で  
おとす」 

「古い下着に、恋は遠のく」 


「ときめくと、胸はふくらみ 
(=ブラに気をつかう) 

 愛すると、見えないトコにも 
気をつかう」

 

YouTube

Tony Bennett, Lady Gaga - The Lady is a Tramp (from Duets II: The Great Performances)

https://www.youtube.com/watch?v=ZPAmDULCVrU

 


熱い想いを冷ますのを 通り Ⅱ

2020年12月17日 06時16分32秒 | owarai

雪というのは、外からながめ
ているぶんには、きれいだと
思う。でも、ひとりで立ち
向かうのはつらい。

白さもつらい。

寒かった。手がかじかんで、
自転車のハンドルにそのま
ま凍りつきそうだった。

耳が切れるように痛い、冬
の寒さも考えず、手袋もせず、
毛糸の帽子もかぶらず、飛び
出した自分があさはかに思え
た。

夜中の電話が迷惑なのは承知
だが、それ以上に熱く突き
上げる思いで、いっぱいだっ
た。

断られるのも、わかっていた。

夜中の訪問をOKするとは思え
なかった。それでも、話の途中
で電話を切られるとは思っても
みなかった。

・・・それだけの私だったの
     だろうか・・・・

さまざまな想いが交錯する。雪
に変った空模様に、しばらくは
酔っていた自分がいたけれど、

ずっと立ち向かっているのは悲しく
つらい。自転車がどこを走っている
のかさえ、わからなくなった。

私には、うちひしがれたクリスマス
になった。

しかし、今夜、おさえ切れぬ想いで
彼のそばまで行き、電話をしたのだ
った。

雪は時として、残酷だ。白くすべて
を覆って、今までの経過や、自分の
想いまで、閉じこめてしまうようで
・・・・。

白い雪が、顔にたたきつけるように
降る。自宅がやっと近くに見えて、
自転車を降りた。街灯に照らされ
て、舞う雪はきれいだった。

寒さを忘れてしばらくながめてい
ると、涙がこみ上げそうになった。

・・もう、会えない。だぶん・・・

彼は、白い雪のベールにはばまれ
て、遠くへ行ってしまった。

ほんの小さな記憶だけれど、かけ
がえのない思い出が、粉々になっ
て舞っていくようだった。

そして、白く、白く、包みこんで
しまう。 

 

YouTube

estate chet baker

https://www.youtube.com/watch?v=cnqvHZdNlFk

 

 

 


『うつむけば 答えのように出る涙 泣いて流れる何もないのに』

2020年12月17日 06時09分47秒 | owarai

熱い想いを冷ますのを 通り 
越し そのまま 

フリージングしてしまうような 
雪もあるのだ 

白さは 闇の夜を 浮き立たせ 
赤裸々に 

悲しみまで 暴いて 時として 
残酷だ 

幼い日 あどけなく 白く 無垢 
だった 雪の世界は 

大人になって さまざまな想いで 
見上げ 眺め 

ただことでない 白い吐く息も  
つかせる 

ただ あらがいようのない 白い世 
界は 

すべてものを 均一にする 威力を 
持っている 

都会の雑多な色合いも 人々の 喧騒 
も 営みも 

白いという まっさらな 色なき色と 
音なき音で 

時に残酷に 時にあたたかく 均一 
平等に戻す 

 

YouTube

Just the Two of Us

https://www.youtube.com/watch?v=gelwwYuYGn0

 

 

 


「砂の家」

2020年12月17日 06時01分56秒 | owarai

一度女と寝たということで、 
まるで 
自分の女みたいに振る舞う 
男もいる。 

それは女のほうにもいえることで、 
一気につんのめっていくタイプも 
いる。 

けれども時に、その性愛が二人を 
結びつけず、男と女を遠ざける方 
向に作用することもある。 

たった一度のそのことが、関係の 
始まりではなく、終わりの儀式に 
なることもあるということである。 

 

YouTube

Dave Grusin - Mountain Dance

https://www.youtube.com/watch?v=nE6j8jxKufo

 


「丸くなるな、仏になるな」

2020年12月17日 05時40分57秒 | owarai

名城大学の芳村思風さんは、
「長所だけを見つめ、それを
限りなく伸ばしていって、

決して人後に落ちない優れた
能力を獲得することができた
ら、

短所はその人の面白みに変
わる。人間には皆欠点があり
ます。不完全だからこそ人間
なのです。

欠点がなくなって丸くなるの
は、円熟といって神仏の境涯
です」と語っている。

では、長所を見つめて自分を
伸ばしていくには、どうした
らよいのでしょうか?

①現在の自分をしっかり見据え
て欠点や長所を洗い出し、本当
の自分を見つけ出す。

②「どういう人間になりたいのか」
「どういう仕事をしたいのか」
「どいう生活をしたいのか」の
三点を自分に問いかけて、

これから創っていく自分の姿を
明確にし、それに向って自分
自身で歩き続ける。

この「歩き続ける」ということ
が重要です。

③人間の才能とか、長所、
短所として何が引っ張り
出されるかは、人との出会い
によって創られえていきます。

人生や物事に対して絶えず
「問い」を持ち続けていれば、
必ず良い出会いがあるはずです。


真夜中の雨音 ―完―

2020年12月17日 05時38分17秒 | owarai

ああ、でも、彼からの連絡は今、 
途絶えているんです。ずっと 
電話を待っているんだけど、 
かかってこないんです。 
そう言いそうになるのを、懸命 
に堪えた。 

言ってはならない。この人には 
絶対に。なぜだか、そう思った。 

いったん口に出してしまうと、 
現実が牙をむいて、わたしに 
迫ってくるような気がする。 

いいえ、そうではない。牙を 
むいてわたしに襲いかかって 
くるのは、わたしの邪心。 
あのひとを信じたいのに、信 
じられない弱い心。 

それから短い時間、わたした 
ちは他愛ない世間話をした。 
テーブルの上の小皿はすべて 
空になり、代わりに、和やか 
な空気だけがふんわりと残っ 
ていた。 

テーブルの陰で腕時計に目を 
落とすと、すでに十ニ時近く 
になっていた。 
「じゃあ、そろそろ」 
芦川さんが先に腰を浮かせた。 

「わたしはここから歩いて帰り 
ます。十五分ほどの距離ですか 
ら」 
と、わたしは言った。 
「そうですか。それならせめて、 
アパートまで送らせて下さい」 

ふたつの傘で、歩いた。切り通 
しのゆるやかな坂道。闇は深く、 
向かい風は冷たく、わたしたち 
の躰は傘ふたつ分離れていたし、 
激しい雨の中、言葉を交わすこ 
ともなかった・ 

なのに、わたしは芦川さんと 
「一緒にあるいている」と 
思うだけで、身のうちに、途方 
もなく暖かく、包みこまれてい 
るような居心地のよさを感じて 
いた。 

あとにも先にも、その時ほど 
強く「わたしとあのひとの距離」 
を感じたことはない。それは、 
絶望にも似た距離感だった。 
まるで、あのひとの存在その 
ものが、距離なのだと突きつけ 
られているような。 

「部屋はこの上です。今日は 
ありがとうございました」 
「俺の方こそ、桜木さんと飲め 
て、よかった。俺でよければまた 
いつでも・・・」 

そのあとを、芦川さんは言い淀 
んだ。言い淀んだまま、わたし 
に背を向け、今来た道を引き返し 
始めた。傘が右に、左に、揺れて 
いた。彼の躰はほどんど、ずぶ 
濡れだった。 

追いかけていって、背中から、 
声をかけてしまいそうになっ 
た。よかったらわたしの部屋 
で、温かいお茶でも飲んでい 
きませんかと。 

今夜、ひとりぼっちでいたく 
ないと、思っていた。ひとり 
ぼっちで、かかってこない 
電話を持っているのがいや 
だった。 

だから今夜だけ、芦川さんで 
なくても、かまわない。 

優しい誰か、穏やかな誰かに、 
そばにいて欲しい。 
そんな、ずるい、 
自分勝手で、どうしようもない 
女が、わたしの中で蠢(うごめ) 
いていた。 

雨は降り続いていた。 
あの日、佳代子は言った。愛 
は、帰る場所が同じ、ふたり 
のあいだにあると。朝まで隣 
に寄り添って眠る、ふたりの 
あいだにあると。 

「愛は他愛ない会話と、つない 
だ手のぬくもりの中にあるの。 
愛は一緒に歩いていくこと。 

愛は一緒に坂道を登っていく 
こと。だから愛は、狂お 
しくはないの。だから愛は、せ 
つなくないの」 
愛は、そばにいてと、願ったり 
しないの。 

願わなくとも、いつもそばに 
あるもの。 

「愛は、愛は、愛は」と、繰り返し 
ながら、降りしきる雨の中、わたし 
は芦川さんの姿がすっかり見えなく 
なってしまうまで、路上に立ち尽く 
していた。