歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

越中の小京都 城端

2009-12-07 23:30:45 | Weblog
 高岡からJR城端線に乗って城端を訪問しました。城端についてはかつてこのブログで、富山県城端町は「感性価値」の町?(前編)富山県城端町は「感性価値」の町?(後編)というエントリを1年半以上前に書かせていただきましたが、ようやく今回念願かなって訪問することができました。

 ディーゼルカーに乗ったのは久しぶりです。


 城端は小さな田舎町ですが、実に風格があり「越中の小京都」の名に恥じないところです。


 城端は浄土真宗大谷派善徳寺の門前町として開けた町ですが、この善徳寺の山門に施された彫刻は見ごたえがあり、木彫り職人たちが高度な技を競ったことがうかがえます。


 善徳寺から池川にかかる廓龍橋まで歩いてみました。欄干にある龍のブロンズ像も鋳物職人たちの優れた技を感じさせます。


 ところで今回城端を訪れた目的は、上述したエントリで取り上げた、この町でアニメ制作を行っている株式会社ピーエーワークス訪問です。同社が入居するビルがこちら。


 現在私は経済産業省からの委託で、北陸地域の経済活性化策について検討するという仕事のお手伝いもしています(こちら)。産業政策と文化政策の融合が議論のテーマの1つであるため、アニメ制作会社としては北陸で唯一というより地方都市で唯一といってもよい存在で、富山を舞台にした人気作品も制作した同社のお話を伺いたく、タイ出張前に取材を申し込んだのです。

 このたび同社には快く取材を受け入れていただき、時に脱線してアニメ談義で盛り上がりながら、城端でアニメ制作を行うことのメリットや地域との関わりなどについて1時間半近くも興味深いお話を聞かせていただきました。お話の内容についてはここでは詳しく述べることはできませんが、デジタル技術の発達によって地方でのコンテンツ制作は全く不利ではなくなっており、むしろ地方のメリットが多いということ、同社がコンテンツを通じた地域貢献を真剣に考えていることを理解することができました。また、城端を訪れるアニメファンたちの「聖地巡礼」を、かつてややシニカルな目線で見ていた自分は反省すべきところが多いと思いました。

 日本のアニメや漫画は海外から「クールジャパン」として受け入れられており、経済産業省や外務省はこれを日本の「ソフトパワー」として貿易や外交に積極的に活用しようという政策を打ち出しています。しかし、日本国内の地域経済活性化を図る上でもコンテンツは重要な役割を果たしていることを官庁は理解を深めるべきだと同社を訪問して感じました。

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