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富山県城端町は「感性価値」の町?(前編)

2008-04-14 00:06:51 | ニュース・雑感
 富山県西部に城端という町があります。もともとは城端町という自治体が存在したのですが、今は南砺市の一部になっています。「越中の小京都」とも呼ばれ、古い街並みが残され散策するには良いところのようです。ただし交通の便は良いとは言えず、鉄道でのアクセスは高岡から城端線というローカル線がありますが、列車は一時間に一本程度しかありません。
 そんな小さな地方都市が現在盛り上がっています。きっかけは今春に主に大都市圏のUHF局で放映されたTrue Tearsという深夜アニメです。

 このアニメは「涙」をテーマとした高校生の恋愛ものなのですが、主な舞台となっているのが城端なのです。随所に城端の風景が登場するほか、地元の祭りが終盤の見せ場になっていますし、北陸らしく冬の積雪のシーンも多く描かれます。このほか、バックに白く輝く立山連峰が映し出されたり、海岸のシーンは氷見でロケされたものだったり、富山市のショッピングセンターが出てきたりと、まさに富山県のご当地アニメといった観があります。私は某動画サイト(放映直後に中国語の字幕付の動画がアップロードされている。。。)でほんの一部を見ただけなのですが、ハイビジョン撮影なので風景の描写はなかなか美しいと思いました。

 このアニメが人気を集めるにつれ、いつしか城端はファンが「巡礼」に訪れる「聖地」となります。JR城端駅にはファンの寄せ書きコーナーが置かれ(北日本新聞)、市役所は城端が「聖地」となったことを広報し(南砺市役所))、「地元の富山でなぜ放映しないのか」と県議も動いたことで地元テレビ局での放映が決まり(Gigazine)、地元の印刷会社はキャラクター入りの観光宣伝ポスターを作って「城端しだれ桜まつり」で販売する(中日新聞)、とまあ大変な盛り上がりぶりです。
 同様にアニメファンの巡礼地となり話題となった先例としては、昨年放映された深夜アニメの「らき☆すた」があります。「らき☆すた」のファンの「聖地」となった埼玉県鷲宮町の鷲宮神社では、例年の初詣の参拝客は約9万人であったのが、2008年の正月においては埼玉県内第3位となる約30万人に達するという大変な経済効果をもたらしました。城端町としても同様な経済効果を期待しているのかもしれません。映画や大河ドラマのロケ地として売り込むよりも、アニメの舞台として取り上げてもらう方が地域振興策としては安上がりでしょう。今後はアニメーション会社に「是非とも我が町を舞台に」という売り込みが増えるかもしれないですね。アニヲタが押し寄せることによって、地元の方や一般の来訪者が困惑してしまうというリスクが伴いますが。。。

(後編に続く)

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