歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

TRIZ-ロシア発の発想法

2008-11-30 23:46:44 | Weblog
 技術者のための発想法に「トゥリーズ」というものがあります。「トゥリーズ」って"TREES"?樹形図にしてアイデアを整理するの?と思いきや、スペルは"TRIZ"。1946年に旧ソ連で生まれた発明的問題解決理論とのことで(その後研究が進められ、1990年初頭以降は西側諸国で発展)、ロシア語の Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch(英語では Theory of solving inventive problems または Theory of inventive problems solving)の略語です。

(以下引用)
 TRIZ(トゥリーズ)は「発明的問題解決の理論」と訳される。ロシアで作られ、欧米に広まり、近年はアジアで認知度が上がってきた。TRIZを作った人物たちは膨大な特許を分析し、特許の中に繰り返し現れる問題解決の構造を「技術的ブレークスルーの40パターン」にまとめた(筆者注:そのほかにも複数のコンテンツがある)。その40パターンは「発明原理」と名付けられている。
(引用終わり)

出所:IT Media「TRIZ――10分以内に「それ、どうやって実現するか」を思いつく方法」(http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0804/22/news064.html)

 日本でもこのTRIZは技術者の方々の間でかなり浸透しているようで、日本TRIZ協会という団体も設立されていますし、「日経ものづくり」でも紹介されていたように記憶しています。果たしてどの程度、我が国のものづくりやソフトウェア開発にこのTRIZが貢献しているのかはわかりませんが、基礎研究はともかく民生部門の技術開発はダメだった(軍需も実は西側に比べてお粗末だった)ロシアで生まれた発想法が現代の技術者に注目され続けていることが興味深いと思います。

不思議な国 タイ

2008-11-29 18:08:05 | Weblog
 タイでは反政府勢力がいまだにバンコクの国際空港を占拠しています。今回の事件が観光産業をはじめとするタイ経済に与える打撃は甚大であることは間違いありません。

 さて外務省の安全情報を読むと、空港周辺は大変な緊迫感が漂っているかのような印象を受けます。

タイ:スワンナプーム国際空港及びドンムアン空港並びに同空港周辺地域における「非常事態宣言」発令に伴う注意喚起 (2008/11/28)(外務省 海外安全ホームページ)
(以下引用)
1.バンコクのスワンナプーム国際空港では、11月25日以降、市民民主化同盟(PAD)等反政府グループによる大規模集会が行われており、同26日から同空港は航空機の離発着を停止、閉鎖されている状況です。また、ドンムアン空港もPADによる包囲により空港が閉鎖されている状況です。
(中略)
3.つきましては、タイに渡航・滞在予定の方は、最新の関連情報の入手に努め、十分な安全対策を講じてください。また、滞在中の方は非常事態宣言の内容に留意しつつ、スワンナプーム国際空港及びドンムアン空港並びに同空港周辺地域には近づかず、また、親政府グループの反独裁民主化同盟(UDD)とPADとの衝突の可能性も排除されないことから、首相府等の政府機関や集会、デモ等にも近づかず、不測の事態に巻き込まれないよう引き続き十分注意してください。
(引用終わり)


 これは恐ろしい。。。と思いきや、タイの日本語メディアによる現地のレポートによると、現地には一種のお祭り気分が漂っているそうです。

非常事態宣言どこ吹く風、お祭り気分のタイ空港占拠(日本語総合情報サイト@タイランド)
(以下引用)
警官隊の突入が予想されたスワンナプーム空港。行ってみれば参加者が続々と集まり、過去3日で最高のお祭り騒ぎだ。両親に連れられてやってきた幼児が遊び回り、犬が飼い主から逃げてターミナルを疾走、眠くなった参加者がチェックインカウンターの前で雑魚寝の場所取りをしていた。
 鶏の唐揚げ、豚肉のくし刺し、もち米、パン、水、ジュース、コーヒーに紅茶と、食事はもちろんタダ。気温が下がってきたので長袖のシャツもタダ。ブラジャーやパンツといった女性肌着もやはりタダと、至れり尽くせり。
 衝突に備えているのはヘルメットを持ち歩くのは報道陣のみ。気合いを入れて乗り込んできたが、空港のあまりの気楽さに肩透かしを食らった。やはりここはタイ。
(引用終わり)


 反政府勢力もお気楽ですが、政府側もお気楽のようです。

 先日タイ工業省主催による機械工業の日泰交流のパーティーが東京で開かれました。招待されていたにもかかわらず私は仕事の都合がつかずに欠席したのですが、出席された方にその模様をうかがうと、タイ工業省の高官やタイのローカル企業の経営者たちは閉鎖直前の空港からかろうじて飛び立ったにもかかわらず、別段変わった様子を見せるわけでもなく、大田区の工業地帯などを視察して週末は富士山見物など観光のスケジュールをこなして帰国するとのことでした。
 仮に成田空港が反政府勢力によって占拠され、飛行機の離着陸がストップしようとしている状況になったとして、果たしてわが国の政府の役人や財界人が海外視察に出かけるかというと、まずそれはありえないことでしょう。

 タイ人の楽天的な国民性は私は好きですし、それがタイという国の魅力でもあるのですが、さすがに今回のお気楽ぶりは度が過ぎているように思います。本当に不思議な国ですね。

タイとインドの出張が。。。

2008-11-28 23:27:02 | Weblog
 あまりに忙しく更新できない日が続きます。そうなると書くネタは自然とカップめんに偏ってしまうのですが、ブログの趣旨が大きくズレてしまいかねないので最近は自粛しています。

 さて、来年の年明けにインドとタイに出張することを予定していて、その準備を進めていたのですが、雲行きがかなり怪しくなってきました。インドではムンバイで反政府組織によるテロがあり、タイでは国際空港が占拠されて飛行機が飛ばなくなる、といった事態となってしまったため、今後の情勢次第によっては出張そのものがなくなってしまいそうです。
 インド出張の訪問先はムンバイから遠く離れたデリーですし(現地に問い合わせるとデリーやバンガロールは全く影響なしとのこと)、タイも大騒ぎになっているかのように見えても実は市民生活や経済活動は至って平穏であることが多いので、たぶん大丈夫だろうとは思うのですが、会社は敏感に反応して「お前まさか本当に行くんじゃないだろうな」という雰囲気になってしまっています。
 やはり海外出張は何かとリスクが伴いますね。

ちょっと違った視点から見るJIMTOF

2008-11-24 22:02:36 | Weblog
 先月末から今月頭にかけて東京ビッグサイトで開催されていたJIMTOF2008(第24回日本国際工作機械見本市)。大変残念ながら私は公私共に都合がつかず見に行くことができませんでした。そこで、様々なものづくり関係者の方々が展示会の模様について報告してくださっているブログを読み、いろいろと情報収集させていただきました。
 JIMTOFに参加されるような方は大体がプロの方々ですから、皆さんご自身のお仕事に関係するブースについては細かく報告されています。しかし、それではどうも会場全体の雰囲気というものが捉えられないなあ、と思っていたら、Daily Portal Zの記者がこんな素晴らしい報告をしてくれていました。

メカを味わう~工作機械の展示会
(以下引用)
 機械を見るのは楽しいけれども、平凡な人間である僕は、どうしても雑念が湧いてしまう。いわゆる「僕たちの生活は、こんな機械に支えられているんだね」という、社会見学的な感想でる。そんな深読みした見方をしないで、もっと料理を味わうように、絵を鑑賞するようにメカを味わえないだろうか。メカをメカとして、向き合いたいのだ。  そこで考えた。自分の生活に全然かすらない機械を見ればいいのだ。自分との接点を見いだせない機械を。そのチャンスをうかがっていたところ、工作機械の展示会というイベントを発見。これはわけがわからなさそうだ。そもそも工作機械って何なのかもよくわからない。メカを楽しむチャンスだ!
(引用終わり)


 面白半分の素人の視点なんだけれどもレポートの内容は結構本質を突いているところもあるので、工作機械についてまったく予備知識のない人でもものづくりに興味を持つことができる、なかなか良い企画であると思いました。それに写真は豊富なので(きっと取材ということで撮影許可を得たのでしょう)、見ているだけでも楽しめます。

 さて、では来場者や出展企業以外の視点から見たJIMTOF2008のレポートはないものか、と思って探してみたのが、会場で笑顔を振りまいていたイベントコンパニオンの女性たちのブログです。JIMTOF2008で働いている模様をブログに書いているイベントコンパニオンはかなりおり、私が見つけただけでも以下の方がいらっしゃいました。

和泉杏奈さんhttp://ameblo.jp/yuko18k/entry-10158123516.html
橘由起枝さんhttp://yucky-blog.269g.net/article/13590974.html
佳原ななかさんhttp://blog.livedoor.jp/nanaka_yoshihara/archives/51278692.html
manaloveberryさんhttp://yaplog.jp/manaloveberry/archive/420
大松りなさんhttp://rina.laff.jp/blog/2008/10/post-25f9.html
柳沼陽菜さんhttp://ameblo.jp/yokopooh/entry-10158264657.html
長谷川杏里さんhttp://blog.livedoor.jp/anri_hasegawa/archives/51210716.html

 さて彼女たちの視点から見たJIMTOFの特徴としては。。。

(1)出展者が優しく、紳士である
 クライアントさんもとっても優しくて、仕事やりやすいです (和泉杏奈さん)
 社員の皆さま、 本当に紳士で優しいのです。この気持ちに応えられるよう、後半戦も頑張ります。 (長谷川杏里さん)

 まじめな製造業ですからね。

(2)混雑する時間帯が他のイベントよりも早い
 10時半過ぎから既に人が増えはじめ、3時過ぎ位からはもう空いてきます。 この業界の方々は普段から朝早いのでしょうか・・・? (佳原ななかさん)
 これも製造業ならではかも。

(3)彼女たちの休憩スペースはたったの3畳
 やたらコンパニオン同士がコスチューム姿で携帯電話で撮影してますね。これはJIMTOFだけのことではないようです。

(4)JIMTOFはイベントコンパニオンにとって楽しいイベントである
 こんばんわーー 今日でJIMTOFがおわってしまいました・・・ なんだかすごい楽しかったので寂しいよー (柳沼陽菜さん)
 優しいクライアント、楽しい仲間と一緒に長いイベントをやり遂げた満足感が大きいようです。

 来場者や出展企業とは違った視点から見るJIMTOF2008もなかなか興味深いと思いました。彼女たちの多くは携帯電話で休憩時間中にリアルタイムでブログを更新しているようなので、次回のJIMTOFはそんな彼女たちのブログもチェックしてから訪れてみると、いつもとは違った視点でJIMTOFを楽しむことができるかもしれません。

ロシア製の鍛造プレス機械

2008-11-23 23:54:26 | Weblog
 日本の工場の特徴の1つとして、工場にある設備の大半が自国製、ということが挙げられます。これはおそらく現代ではドイツを除くと世界ではかなり珍しい例であると思います。
 私がこれまで見てきた日本の工場の中では鋳造工場が例外的存在で、造型機など鋳造関係の機械はデンマークのDISA社のものがかなりのシェアを占めています。このような例外を除くと、総じて日本の機械工業系の工場の設備といえば日本製であり、外国製の設備はたまにドイツ製やスイス製のマシニングセンタや測定機械があるといった程度ではないでしょうか。

 しかし、日本製でもなく、欧米製でもない機械が意外に日本でも健闘しているのが鍛造業界です。この業界ではたまにロシアのTMP社製の鍛造プレス機械を見ることができます。TMPとはロシア語のVolonezhsky Zavod Tjazhelych Mechaniczeskich Pressov(英語だとVolonezh Plant of Heavy Mechanical Presses)の略なのですが、日本を含めて外国ではTMPではなくこの会社の所在地であるVolonezh(ヴォロネジ)がそのまま会社名、ブランド名として使われているようです。かつてのソ連の名門企業であったTMP社は社会主義体制の崩壊後もしぶとく生き残っており、同社ホームページの顧客リストを見ると、日米欧にも販売されており、世界一となった日本の有名自動車メーカーの名前もリストの中に見ることができます。
 ロシア工業といえば、世界最先端と思われていた宇宙も軍事も実情はお粗末なものであった、ということは森本忠夫、江南和幸、杉森康二による「MADE IN RUSSIA―ロシアは何をつくったか」(草思社)で細かく分析されています(ちょっと古い本ですが大変面白い内容です)。そんなロシア製品の中には、今でも世界で高く評価されているものもあるんですね(※)。しかも、市内にコミンテルン区、ソビエト区、レーニン区、という行政区がある(Wikipediaより)ことからもわかるように、いまだにソ連の雰囲気を濃厚に残すヴォロネジという町で作られているところが面白いと思います。
 

(※)ただし、ある鍛造メーカーによると、鋳物をふんだんに使っているところは素晴らしいけれども、電気系統はとてもそのままでは使えない、とのことでした。

日清食品「スープの達人 焦がし香油豚骨」

2008-11-21 22:44:27 | Weblog
 今夜も(以下略)
 年末にベトナム出張、年始にインドとタイ出張を控えているのですが、企業へのアポがなかなか入らず焦り始めています。特にインドはメールを送っても全くなしのつぶてといった感じです。インドビジネスは焦らず慌てずと言いますけど、ね。
 このカップめん、「スープの達人」ということですが、個人的にはそれほど美味だとは思いませんでした。

重工業

2008-11-21 00:39:48 | Weblog
 ”重工業”といえば、三菱重工業、富士重工業、川崎重工業、石川島播磨重工業、など、ものづくり国家日本を背負ってきた、いかにも重厚長大な企業が思い浮かびます。
 そんな”重工業”を名前に冠した企業の中に、五十嵐重工業という会社があることを知りました。普通イメージされる”重工業”を思い浮かべたままこの会社のホームページを見ると、誰もが「ん?」と感じてしまうと思います。

五十嵐重工業は、人が行わなくても良いものを機械化していく環境の設備と、これまでに培ったノウハウや多彩な技術を生かし、高品質で利便性に富んだソリューションを提供する「ヒューマン・ソリューション・カンパニー」を目指します。

 で、同社が最近開発したものがこちら

無機質な音声の代わりにツンデレや委員長、妹の声でおしらせしてくれるネットワーク対応仕事管理ソフトウェア「NetworkTODO」に新たに「兄」「執事」「鬼畜紳士」が追加されたそうなので、「これでようやく実用的になった」と勝手に判断し、導入できるかどうか実際に試してみました。それぞれの代表的な特徴を表したセリフはこんな感じ。
鬼畜紳士:「少し前のことも忘れてしまうほど貴様はバカではあるまいな?」「この程度の仕事にまだ時間がかかるのか?使えんなぁー」「まだ終わらんのか?このクズ!」
執事:「お嬢様、この前お願いいたしました件、いかがでしょうか?」「あと1時間でお約束のお時間でございます、お嬢様」「こちら、お願いしてもよろしいでしょうか、お嬢様」
兄:「おいおい、はやくしないと、間に合わなくなるぞ?」「いい加減、はやくねろ!明日も遅刻するぞ!」「おお、サンキューな、さすが我が妹だ!」


 これはなかなか面白そうな仕事管理ソフトですね。。。というか”重工業”という言葉から連想されるイメージと、同社のソフトのこの機能とを隔てる距離があまりにも遠すぎます。。。

神谷秀樹「強欲資本主義ウォール街の自爆」(文春新書)

2008-11-19 01:20:04 | 読書
 神谷秀樹「強欲資本主義ウォール街の自爆」(文春新書)を読みました。
 アメリカ経済の病巣とも言うべき「強欲資本主義」がこれほどひどいものとは。
 著者は、世界を舞台に知恵と人脈を駆使してM&Aの仲介や投資顧問業務を行う投資銀行に憧れ、住友銀行からアメリカを代表する投資銀行のゴールドマン・サックスに転職、ウォール街で長年働きます。しかし、「合法であれば何をやってもよい」、「今日の儲けは僕のもの、明日の損は君のもの」、「友情も信用もお金にはならない」といった流儀が、次第にウォール街のビジネスのあり方の主流となっていき、名門投資銀行のゴールドマン・サックスまでもがそんな「強欲資本主義」のお先棒を担ぐようなビジネスを中心に行うようになってしまいます。
 「金融マンは実業を営む方たちの脇役に徹するべきだ」という信条を持つ著者は、これにすっかり嫌気が差してしまい、小さいけれども「本来あるべき姿の投資銀行」をウォール街に設立します。そんな経歴を持つ著者だけに、「強欲資本主義」の事例の描写は実にリアルで説得力があります。

(以下引用)
 ある大手投資銀行でサマー・インターンをしたMBA取得中の学生が、私の会社を訪ねてきた。M&A部門で研修し、部門ヘッドと質疑する機会があったと言って、彼はその時の話をしてくれた。彼は「買収想定価格が高すぎたり、問題企業を買収した後に、経営面に不安が生じると想定された時など、どのようにアドバイスしたらいいか」と質問したそうだ。
 これに対して、部門ヘッドは「顧客が高い金額を出すことになったり、問題企業を買うことは、我々にとってはいいことだ。手数料収入が増えるからだ。買った企業が問題を起こせば、やがて売らなければならなくなる。我々にとっては二度儲かることになる。会社の売り買いを何度もさせるのが当社にとっては一番望ましい」と言ったという。
 通常、企業買収の手数料は価格の数%程度である。買収価格は高ければ、それだけ手数料も増える。だから高値で買わせるのが望ましいやり方だというのだ。研修をしただけだったことが幸いした。学生は健全な心を失わなかった。「こんな阿漕なビジネスはできない」とうんざりしていた。
(引用終わり)


 アメリカは2007年の企業収益の約4割を金融業界が占める「金融立国」ですが、著者は製造業がだめになったのでアメリカは「金融立国」を目指したに過ぎないと断じます。そして、ウォール街の「強欲資本主義」はすでに日本にも入り込み「勤労を重んじ、信用を旨とする」日本人の伝統的な価値観を侵食しつつあると著者は警告し(本書では実際に最近の日本であった投資銀行の阿漕な手口が紹介されています)、日本はアメリカのような「金融立国」など目指さずに今後もものづくりに励むべき、と主張します。全く同感です。
 そもそも、早期のリターンを求める金融業界に振り回されたことがアメリカの製造業が凋落した一因であるふしがあります。例えば、かつてアメリカには世界最強の工作機械メーカーが多数存在していましたが、80年代にKKRなどの投資ファンドが中心となったM&A合戦に巻き込まれ過度な合理化を迫られた結果、日本に大きく引き離され今や往事の面影はない、と、ものづくりに造詣の深い政策科学大学院大学教授の橋本久義氏は述べています(こちら)。著者も述べているように、バブル景気の頃におかしくなってしまいましたが、戦後の日本のものづくりの発展に貢献してきた邦銀の方がよっぽど金融屋として立派な仕事をしたと思います。

 ウォール街の「強欲資本主義」は貧富の格差の拡大をもたらし、それが生み出したサブプライム住宅ローンという貧者からさらに金を巻き上げるシステムは破綻し、ドルへの信用を大きく損なわれ、アメリカのみならず世界の経済に大きな打撃を与えました。しかし、著者は大多数のアメリカ人に残る敬虔なキリスト教の信仰心と強い民主主義の精神に、アメリカの経済社会の再生と復活の可能性を見出しています。特に著者が注目しているのは、「ウォール街に耳を傾けるのではなく、メイン・ストリートに耳を傾ける」と演説する黒人の民主党大統領候補(注:本書出版当時)バラク・オバマ氏の台頭です。
 ただし、著者も述べていますが、ズタズタに傷ついたアメリカ経済が真の復活を遂げるには厳しい道が待っていることでしょう。そして、これまでのアメリカの借金に基づいた浪費に大きく依存してきた日本経済も、前途は厳しいと言わざるを得ません。

 本書はアメリカの社会と経済について理解を深める上でお勧めの良書だと思います。

「人生という名の列車」馬場俊英

2008-11-16 23:44:46 | Weblog
 先日、誕生日を迎えました。昭和42年生まれの私はこれで・・・ちょっと考えたくない年になってしまいました。


 たまたま見つけたこの曲。9分40秒という長い曲ですが、じっくり何度も聴いてしまいました。人生を列車の旅に例えながら、昭和42年生まれの男性がこれまでの人生を振り返り、これからの人生について寄せる決意を歌にしているのですが、昭和42年前後に生まれた男性にとってはかなり心に響く曲だと思います。曲は「どんなときも向かい風に立ち向かう、勇敢な冒険者でありたい」という歌詞で締めくくられます。できれば自分もそうありたいと思います。

日清食品「マンハッタン クラムチャウダー」

2008-11-14 22:48:28 | Weblog
 今夜も(以下略)
 異様に忙しい1週間でした。それでもやり残した仕事がたっぷりあります。休日出勤したいところですが、事情によりそれができないため結局来週に忙しさが持ち越されます。暇を持て余していた夏が懐かしい。。。
 ところでこのカップめん、なぜ「マンハッタン」なのかよくわかりませんが、とりあえず美味でした。