楽天イーグルス 旋風の予感 ～各誌打順予想～

プロ野球50年ぶりの新球団、東北楽天ゴールデンイーグルスが参入１年目の今季、果たして何敗するのか、巷間、格好の酒の肴になっている。現有戦力で25勝分（先発投手昨季成績）の投手しかおらず100敗はするのではないか、という好奇の目である。岩隈久志投手の入団が決まり、100敗の声は影を潜めたが、果たして楽天イーグルスはパ・リーグに旋風を巻き起こすことができるのだろうか。
　スポーツグラフィックＮumber１月27日号「楽天はプレーオフに進出する」で筆者の小川勝氏はプレーオフに出場できる３位確保の可能性を「チャンスは十分あると思う」と記している。「現在の楽天とちょうど同じ程度の戦力で勝率５割に近い成績を挙げたチームは過去にもあったからだ」というのがその理由だ。そのうえで、小川氏は96年のペナントレースで４位となった近鉄バファローズと比較して「先発は楽天が上。抑えは近鉄。打線は同等。総合的に見て同じくらいの戦力だろう」と結論付け、「当時３位と1.5ゲーム差だった４位近鉄と同じ程度の成績を残しても不思議ではない」としている。
　Ｎumber　予想打順
　1 (中) 森谷
　2 (二) 大島
　3 (右) 礒部
　4 (三) ロペス
　5 (一) デイモン
　6 (指) 吉岡
　7 (左) 川口
　8 (捕) 中村
　9 (遊) 斉藤
　
　一方、週間ベースボール１月10日/17日号「どこよりも早いプロ野球戦力分析」では投手力65点、打撃力60点、守備力60点、機動力55点、選手層40点、総合力はＤの280点をつけ、12球団中最低の予測としている。
　週間ベースボール　予想打順
　対左投手用　　　　　　　　対右投手
　1 (中) 飯田　　　　　　　 1 (左) 関川
　2 (二) 高須　　　　　　　 2 (二) 大島
　3 (三) ロペス　　　　　　 3 (右) 礒部
　4 (一) デイモン 　　　　　4 (一) デイモン
　5 (右) 礒部　　　　　　　 5 (三) ロペス
　6 (左) 鷹野 　　　　　　　6 (指) 川口
　7 (指) 山崎　　　　　　　 7 (中) 飯田　　　　　　　
　8 (捕) 中村 　　　　　　　8 (捕) 中村
　9 (遊) 斉藤 　　　　　　　9 (遊) 斉藤

他方、野球小僧２月号「楽天イーグルス勝手にコンサルティング」は「100敗もやむなし・・・、と思えますが、データを細かく探っていくと、打率は低いけど得点圏には強かったり、接戦では好投する投手がいたり、『楽天でも戦える』という明るい兆しが見えてくるかもしれません」と曖昧に結論付けた。
　野球小僧　予想打順
1 (遊) 斉藤
2 (二) 大島(酒井）
3 (三) ロペス
4 (一) デイモン
5 (右) 礒部
6 (指) 吉岡
7 (左) 竜太郎
8 (捕) 中村(藤井)
9 (中) 森谷

　さて、故障明けとなる吉岡を4番に据える予想をしたのが1月10日報道ステーションに出演した野球解説者、栗山英樹氏だ。100敗する可能性を否定し、３位のプレーオフ出場も可能だ、と力説ししている。
　栗山氏　予想打順
1 (中) 飯田　
2 (二) 大島
3 (右) 礒部
4 (一) 吉岡
5 (指) 外人選手
6 (三) 星野
7 (遊) 斉藤
8 (捕) 中村
9 (左) ?(書き損ねました）

　解説者で独特の持論を展開しているのが元讀賣の角盈男氏の捕手起用だ。彼はレギュラーキャッチャーを「カツノリ」の名を挙げた。

　最後に個人的な見解を述べておきたい。
　今年元日ＮＨＫ衛星第二放送で放映された「新春 スポーツ夢を語る」に出演した田尾安志監督は約１時間にわたって新チームと監督について語っている。「優勝を目指す」という力強い言葉と30年間培ってきた野球論。家族で入った牛タン屋で食事が終わり店を出る際に店内中の満員のお客さんから拍手で送りだされたエピソードに目頭を熱くさせていたその人柄、少数精鋭で自ら吟味したコーチ配置、などを考慮すれば、例え監督経験がなくとも選手一丸となるいいチームになるのではないか。選手たちも煩わしいしがらみから解放され、ベテラン選手も多大な貢献をする可能性もある。個人的な見解だが、楽天イーグルスは開幕から初夏にかけて旋風を巻き起こす、と予測する。