さてさて、飲み直し。東十条で2軒目といったら、あそこしかない。
「土鍋・大餃子」。
この月3度目の訪問。そしてT根は初訪問。
店の右奥角にポジションさせてもらった。さて、「ホッピー」でも飲み直すかね。さっきのピリピリムードから一変、リラックスモードに入る。
まずは「冷製きゅうり」から。
T根をまじまじと見る。彼も頭髪に白いのが目立ち始めた。初めて会った時、T根はまだ20代半ばだったのに。そして彼は最近、血圧が高めなのだという。飲みの話題が健康になったら、もうじじぃだな。
めがねっ娘の後釜に入った娘は働きものだ。その接客はかなり慣れているところを見ると、どこかで働いていたのだろう。我々が同時に、「ナカ」をおかわりした時、ジョッキの区別をつけるため、T根のジョッキにだけマドラーをさした。なるほどね。
大食漢のT根は次に、「棒棒鶏」を追加し、その5分後に「餃子」を頼んだ。さすがに、「えいちや」でお預けを喰らっていたから、ガンガンオーダーするのも無理はない。
しかも、「ここうまいね」と言いながら、もりもりと食べた。そう思ってもらえたなら、連れてきた甲斐があるというもの。
とにかく、T根にはたくさん食べて、飲んでもらって、気持ちよくなってもらわないと。だって彼は貴重な情報源なのだ。古巣の動きを、何の疑いもなく教えてくれる情報屋さんなのだ。しかも、彼は古巣の反体制派だから、経営陣の動きに詳しい。かなりのシークレット要素まで教えてくれるのだ。
そして我々は「ナカ」をしっかり2杯飲んでお開きにした。
お会計で、リーダー小姐の機嫌は良かった。この2週間で3回訪問し、しかも2回続けて友人を連れてきたからなのか。お金を支払って、帰り際、リーダー小姐は、「謝謝」を2回言った。今まで日本語でお礼を言っていたと思うが。以前、「结账」て言ってから、少しずつリーダー小姐が優しくなったのは。
リーダー小姐の感謝に対し、自分は「多謝」と返して、店を去った。