―ほしいものはにんげんのし―

2014-07-24 | うた

私はどんなプロにもなれなかった。

だからこんなに惨めである。

どんなプロでもいい。

どんな方向でもよかった。

私は今なお、何者にもなれずに

ゼリーよりも豆腐よりもぐずぐずな情けないやわな存在。

 

どんなプロでもいい。

文章書きのプロ、絵画のプロ、

メカニック、エンジニア、育児、金勘定、

殺しのプロ、ウソつきのプロ、

生産と破壊のプロ、筋骨たくましいプロ、

畜生のプロ、なんでもいい。

かろうじて並程度までいって、しかしそれ以上は卓越できなかった。

おそらくこれからもそうだろう。

だから何も誇れず、他人の存在の消滅ばかり祈って

毎日あらゆるものがすり減る。

今日は心が崩れた。

豆腐の心は崩れた。

血は吹き出し、あいさつもせずに他人を蹴飛ばす。

自分を守る為に血を流し、心は崩れて二度と再建しない。

 

どんなプロでもよかった。

プロフェッショナルとはなんと素晴らしい。

幾多の心と物を踏みつけて得たプロという称号。人間の種類。

私は他人を踏みつける勇気も度胸も力もないから

いまだに何者にもなれずに他者を呪っている。

 


愛の詩

2014-07-23 | うた

私は合理な性格なので

汚いゴミとか山積みになった内容不明の物やら、

隅っこの薄暗い闇だとか、遠くまで見渡せない風景とか

全て薙いでしまって更地にしてしまいたくなります。

もちろんその中には人間も含まれます。

一人残らず叩き潰して

汚いから遠く、遠くへ捨ててやります。

まともな人間などいません。

異常性が多様化していったに過ぎません。

己を守る為に己を世界の中心に置いて

左に傾いたら隣人を殺し、

右に傾いたら隣人の物を奪い、

前に道が見えたら只逃げるだけです。

仲間ができたら仲間を失う恐れを知ります。

人間が複数存在する限り、

どんなにいがみ合っても憎んで殺したくても

独りでいるよりはいいからと言って群れます。

仲間という群れは非常にもろいです。

目に見えない絆と一緒です。

もろい存在なので、もろい関係しか作れません。

しかし強固な繋がりになると

手を繋いで一緒に死ななければなりません。

一緒に死ぬか、死よりも恐ろしい孤独に耐えるか、

どちらかしかありません。

誰にも憎まれずに生きることはできません。

神すらも憎まれているのです。だから神を恐れることはありません。

しかし私は神以上の力が欲しいのです。

人間を拳で叩き殺すには、あまりに人間が増え過ぎました。

人間を全て薙ぎ払って、風景を全て壊して、綺麗な世界を見たいのです。

あまりに美しくて、目が潰れるでしょう。