詩
私はどんなプロにもなれなかった。
だからこんなに惨めである。
どんなプロでもいい。
どんな方向でもよかった。
私は今なお、何者にもなれずに
ゼリーよりも豆腐よりもぐずぐずな情けないやわな存在。
どんなプロでもいい。
文章書きのプロ、絵画のプロ、
メカニック、エンジニア、育児、金勘定、
殺しのプロ、ウソつきのプロ、
生産と破壊のプロ、筋骨たくましいプロ、
畜生のプロ、なんでもいい。
かろうじて並程度までいって、しかしそれ以上は卓越できなかった。
おそらくこれからもそうだろう。
だから何も誇れず、他人の存在の消滅ばかり祈って
毎日あらゆるものがすり減る。
今日は心が崩れた。
豆腐の心は崩れた。
血は吹き出し、あいさつもせずに他人を蹴飛ばす。
自分を守る為に血を流し、心は崩れて二度と再建しない。
どんなプロでもよかった。
プロフェッショナルとはなんと素晴らしい。
幾多の心と物を踏みつけて得たプロという称号。人間の種類。
私は他人を踏みつける勇気も度胸も力もないから
いまだに何者にもなれずに他者を呪っている。