ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

秘湯を守る会3連荘の温泉三昧旅行 2007.4.16 その1

2010-07-02 12:34:45 | 旅日記
 温泉宿では朝早くからの風呂に必ず入るのが我々の流儀、特に露天風呂などは朝の光の中がいいからね。部屋でゆっくりして昨夜と同じ食事処にいけば、朝食も同様に素朴な感じで、本当の湯治にはこういう食事で酒などは控えめにして数日を過して、身体を清め甦らせるのが本道というものではあるなと。品数が少なくても日本の宿の朝食はどこでも美味しいから、いつもの如くバッチリとご飯大盛2膳を食べちゃった。
 今回の旅行ははここを最北端としたから、曇り空のもと二日目はまた仙台方面に同じ道を逆戻りすることに。道順の最初は以前に入らなかった日本こけし館(冒頭写真)でろくろや絵付けの実演と、鳴子だけじゃない各地のこけしの収集展示を見て回る。昨日の収集家のお爺さんなら見ただけで何処のこけしか、また出来映えはどうかと分かるのでしょうが、我々には産地地名系列3つの大きな違いぐらいしか分かりませんし、その違いもすぐ忘れてしまうでしょうね。ただ生地師が仕事の合間に子供達のために男子には独楽、女子にはこけしを作ってやるようになったのは200年前ほどからだと説明書があり、古くからのイメージがあったのですがそんなに昔からは無かったのだと初めて知りました。
 次は鳴子温泉近くの中澤太鼓店、実は今年1月の世田谷ボロ市で臼を販売している傍ら竈神面も数個あるのを見つけ、古民家再生で建てた軽井沢に飾ろうと考えていたのでもう少し小さめの面はないかと問えば、鳴子の店にはあると聞いてちょうど4月にはこの旅行の予約をしてあったのでその際に立寄ろうと名詞をもらい、事前にEメールで在宅を確認しておいたのです。店はこれも70歳ぐらいの老夫婦がやっていて、世田谷の時のお爺さんとは違うので訊けばあれは農家兼店手伝の人だったそうだ。店の中には太鼓がもちろん多く展示してあるものの、竈神はかなり大きいものから世田谷で見たものよりやや小振りのものまで相当数が店の奥に架けたり積んだりしてある。どれも今作りを古く見せているのだが、小振りなものだけを並べて見れば同じ竈神といっても形作りが違い、見比べて一番彫りが見事な面が店主と一致してそれに決める。
                 
    これは軽井沢のキッチンの柱に、その後にまた骨董市で面を見つけてそちらは
    横浜に、それらの一連の記事はコチラからいくつか読めます

 どこに泊まったのかと聞くので三之丞にと答えたら、お婆さんがあそこの湯もいいわねぇだと。それじゃぁこちらも地元ならではの情報を仕入れようと、鳴子温泉でお薦めの宿はとか、この辺りで一番いい温泉は何処など問えば、二人して足が悪いから温泉には良く入っていて鳴子なら湯治宿だけどいさぜん旅館がいいよ、また硫黄泉の鳴子に住んでいるからか自分達が一番好きなのは峠越え40分の秋の宮温泉にある奇麗な湯の鷹の湯だという返事。鷹の湯も秘湯を守る会の宿だから次は是非行ってみようと店をあとにする。
 せっかく鳴子温泉に来たのだからと町の無料観光駐車場に車を停め、以前にも入ったことがある共同浴場の滝の湯に入る。小さい浴場ながら丸太の樋から流れ落ちる浴槽は二つあり、それぞれ湯温が違い、さらに湯の乳白色の濃さや浮遊物が微妙に違う。
              滝の湯は小さな共同湯(ネットから転写)
 ここは温泉旅館のリストが乗ったパンフレットで宿毎に表示泉質が異なるなど種類が違う源泉がいくつかあり、各所に大小の噴気湯気が立ち上って硫黄臭が漂っているのがなんとも温泉地の雰囲気を高めてくれる。滝の湯近くにあったゆさや旅館は文化財の宿と看板にあったがいい雰囲気でしたねぇ。
 日帰温泉にまで入ってしまい、もうそろそろ昼時と岩出町にあるあ・ら・伊達な道の駅という施設に入り、レストランで旬のプレートランチ750円也を食べれば和洋折衷で多くの野菜を取り入れた食事は結構美味しく、宿の朝食喰い過ぎにはこの程度が頃合でしょう。
              このランチが健康的でいい
 この岩出町には古民家を活用した農家レストラン凛菜・上の家もあるから、時間がはっきりしていたら予約しておく手もありますね。
 ここからは本日の宿まではそんなに距離はないので、一般道を走ることにしてもう一度仙台に向う。昨日定休だった門馬箪笥店にナビで直行、店は道路側前面は展示スペースを新築、昔からの文化財に登録された重厚和風店舗兼住宅は伝承館と名付けられてその奥に連なり有料公開されている。さすがにここの箪笥は岩谷堂よりランクが上、欅を使い塗りと金具とそれぞれの職人を抱えているというが、その工場はさらに奥の別棟となっている。昔は珍しかったという2階建の店舗兼住宅は、今では展示スペースにしていてグルリと一周できるようになっている。中でも1階に組込まれている見事な箪笥は、マッカーサー夫人が来店し欲しがったのを断って、別に作ったものを収めたといういわくつき物とか。なんでも店舗増築時に旧家に一回アルミサッシを入れて、検査合格後にまた昔の木製建具に入れ替えたという話を聞いて、役所は文化財指定しながらバカなことをやらせるものですねぇと。ここで店番の女将さんに今我家にある庄内箪笥の金具や塗りの修理が出来るか訊いてみたら、これまでに修理した箪笥の新旧の写真を見せてくれて、本当に新品同様になるのにビックリで、店に展示してあるひとつは約100年前のものを修理したとか。でも全てやり直すのでお値段は50~60万円という話に、古めかしさを残しながら旨く部分補修できないかと言えば、その方がもっと難しいとのこと、こうなると骨董屋で新たに仕入れた方がよさそうですな。

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