読書とかいろいろ日記

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『動物が幸せを感じるとき』 テンプル・グランディン

2012年03月20日 | 読書日記
動物が幸せを感じるとき―新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド
テンプル・グランディン,キャサリン・ジョンソン(中尾ゆかり・訳)
NHK出版

¥2,200+税 NHK出版 2011/12/25発行
ISBN978-4-14-081515-1

テンプル・グランディンの、これが最新の著作。
こちらの書評を読んで、おもしろそうだと思って、さかのぼって『動物感覚』も読んだんだよね。

表紙の犬がたいへん美人です。
これはなんて犬種なんだろう?
ワタシは犬も猫にも疎くって、種類がわかりません。
裏表紙の猫もかわいーです。

 

ラブラドールには二種類あるそうです。
骨格ががっしりして体格のいい大型のラブラドールは素晴らしい介助犬になる。
もう一種類のラブラドールは興奮して舞い上がりやすいハイパーなタイプ。感情のコントロールや衝動の抑制があまりうまくできない。「モリーには表情が三つしかないんだ。うれしい、ちょっぴりうれしい、そして、うんとうれしい」。
モリーはなでられるとうれしくて駆け回ってしまうので、五歳になるまで、まともになでてやることができなかった。すげーな、その犬。

犬と人間は互いに影響を受けあいながら進化してきた。
犬は人間に順応し、人間は犬に順応した。

でも人間による不自然な交配で、不自然な犬が生まれている。
犬だけでなく、馬や牛、豚、鶏も。
……こわい。

 

そんなに動物を愛しているのに、なぜ食肉業界で働けるのか。
業界に反対する活動家になってもおかしくないのに?

動物を愛する人がみんな反対論者になっちゃったら、動物はけっきょく身近に味方がいないことになっちゃうよね。テンプルのような人が業界にいてくれるおかげで、改善が進むのです。

それにしても、日本の牧畜業界ってどうなのかな…。
ちゃんと動物愛護の精神に則ってるのかな…。

 

犬の(犬に限らないかもしれないけれど)臆病な性格というのは優勢形質として遺伝するようです。
臆病なくらいでないと、生存競争に生き延びられなかったってことでしょうね。
そりゃそうです。
同様に、「恐怖」システムも、遺伝的に組み込まれている。
恐怖を知らない動物、特に被食動物は、捕食動物に襲われて初めて学習するのでは、学習する前に死んでしまう。襲われる前に、正しく恐怖して逃げ出す必要がある。
だから小動物がびくびくしてるのは当たり前なのね。

 

家畜について、牛や豚は、改善されつつあるみたい。
問題は、どうもニワトリだね。
養鶏といえば、ブロイラーが悪の代名詞みたいに思ってたけど、産卵鶏の方がひどい目にあってるみたい。人間は哺乳類よりも鳥類を軽んずるってことなのか、牛や豚より小さい分、扱いが雑になるってことなのか。
うう、ニワトリには生まれ変わりたくないなー。

 

 


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