読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『ダブル・ジョーカー』 柳広司

2010年09月16日 | 読書日記
ダブル・ジョーカー
柳広司
角川書店(角川グループパブリッシング)

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¥1,500+税 角川書店 2009/8/31発行
ISBN978-4-04-873960-3

あら、もう去年の本だったのね。時が過ぎるのは早いなあ…。←遠い目。
『ジョーカー・ゲーム』の続編、五編収録の連作短篇集。
「ダブル・ジョーカー」
「蠅の王」
「仏印作戦」
「柩」
「ブラックバード」

やっぱりうまいわねえ、柳広司。
けど、ジョーカーシリーズよりも、私は『漱石先生の事件簿』や『虎と月』の方が好きだなあ~。

「ダブル・ジョーカー」ぜんぜんダブルじゃないじゃん。足元にも及ばないではないの。そもそも自分の名前をつけるところでその姿勢が美しくない。
「蠅の王」理想を語る者はたいてい、理想に足を掬われる。手段と目的がすりかわる。そのことに気づかない。
「仏印作戦」フツイン、と聞いて、咄嗟にフランス領インドシナと連想できる日本人って、今、どれくらいいるのかしら…。このころ、こうやって、多くの日本人が「現地妻」を持っていたのだろうな。そういう時代だった、といってしまえばそれまでだけど…。
「柩」いちばんD機関らしさが出ている気がする。結城が出るからというだけじゃなく。
「ブラックバード」どれほど優秀なスパイであろうと、国全体の情勢のなかでは手も足も出ない。人ひとりというのは、けっきょくは小さい存在でしかない。


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