読書とかいろいろ日記

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『動物感覚』 テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン

2012年03月11日 | 読書日記
動物感覚―アニマル・マインドを読み解く
テンプル グランディン,キャサリン ジョンソン
日本放送出版協会

¥3,200+税 NHK出版 2006/5/25発行
ISBN978-4-14-081115-3

も~~~~~のすごく、おもしろい~!

テンプル・グランディンの名は、オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』で知った。
彼女の発明した「締め付け機(抱っこ機)」が欲しいと思ったのを覚えている。

テンプル・グランディンは自閉症である。
普通の人と、考え方、感じ方が違う。
違うことがわかっていて、その違いを生かしている。

> 動物はサヴァン症候群の人に似ている。それどころか、動物は、実はサヴァン症候群だとさえいえるのではないだろうか。自閉症の人がふつうの人にはない特殊な才能をもっているのと同じように、動物もふつうの人にはない特殊な才能をもっている。[…]
> 私は自分がもっている自閉症の才能にもとづいて、だれの目にも見えない動物の才能を正確に予測できるようになってきたのだ。(18~19頁)

 

> イルカが、私たちの目に映るようなやさしくて、いつもにこにこしている海の生き物などではないことに、人間は、何年もかかって、ようやく気づいた。それどころか、イルカは大きな脳を持つ動物で、集団レイプやイルカの子の虐殺、ネズミイルカの大量殺戮をやってのける。レイチェル・スモーカーは著書『野生のイルカに触れる』で、オスのイルカは集団で一頭のメスを追い詰め、力ずくで交尾すると書いている。メスのイルカはオスのような集団をつくらない。(202頁)

> 豚が噛みついたら、ほうっておいてはいけない。幸い、、グループの中で支配的な成熟したオスが目の前にいると、攻撃は抑制される。(207頁)

これを「豚のおまわりさん」と呼んでいるそうです。あら、なんかかわいー(笑)。

> オーストラリアの考古学者のチームはあらゆる証拠を調べて、原始人はオオカミと仲間だった時代に、オオカミのように行動して考えることを学んだと確信している。オオカミは集団で狩りをし、人間はしていなかった。オオカミには複雑な社会構造があり、人間にはなかった。オオカミには同性の非血縁者のあいだで誠実な友情があり、人間にはなかった。[…]ほかの霊長類といかに違うかを考えると、私たちがいかに犬と似ているかがわかる。(399頁)

これはたいへん興味深い。
人間と犬は、互いに影響を与え合い、互いを補完するように進化してきた。
犬と共に暮らさない人間の生活は不完全だってことなのね。歪んでるなあ、現代社会。


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