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『巨人たちの落日 (下)』 ケン・フォレット

2011年09月26日 | 読書日記
巨人たちの落日(下) (ソフトバンク文庫)
ケン・フォレット(戸田裕之・訳)
ソフトバンククリエイティブ

¥880+税 ソフトバンククリエイティブ(ソフトバンク文庫) 2011/3/25発行
ISBN978-4-7973-6275-6

完結。
第一次世界大戦とロシア革命。激動のヨーロッパ。
うう、歴史を知っているとこの先の彼らの運命が想像つくだけに、めでたしめでたしとは素直に思えない。

なによりグリゴーリイ。
この先ロシア革命がどうなるか、ソヴィエト連邦がどんなに弾圧的な国になるかを考えると、彼の未来を思って暗澹とした気分になる。

ワルターとモード。
ドイツにはこれからヒトラーが出てくる…。

ビリー、エセルはせめて存分に力を発揮して欲しい。
ガスとローズは幸せを育んで欲しい。

彼らをこれから待ち受けているのは茨の道だ。
それでも彼らは戦って、自らの運命を切り開いていくだろう。
これまでそうしてきたように。


ケン・フォレット曰く、本書は二十世紀を舞台にした〈百年三部作〉の第一作なのだそうだ。
続きを読みたいような、読むのが怖いような。
第二次大戦は怖いよぉ。



それにしても。
戦争は人を変える。
あの温厚な平和主義者のガスが、「地獄を見せてやれ」(256頁)なんて部下に命じるなんて!
ああ怖い。


どの国も、自国民には都合のいい面しか見せない。
太平洋戦争時の日本の軍部が国民を欺いていたとはよく言われるが、どこの国でもやってることは同じだ。

> イギリス軍の勝利を一つ残らず学び、敗北は一つも教えられていない。ロンドンの民主政治については学ぶが、エジプトでの暴政については教えられない。イギリスの正義について学ぶとき、オーストラリアの鞭打ちやアイルランドの飢饉、インドの大量虐殺については一言も触れられない。(209頁)


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