録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

新規BS右旋4K放送事業者、決まる!が・・・

2023-11-16 21:29:26 | 次世代ビデオへの懸念
先日スカパー!が事実上の4K撤退を決めたばかりで暗雲が経ちこみ始めた衛星4K放送業界。それとは特に関係なく、総務省から4K放送に新しいチャンネルを開局できる新業者の選定が終わり、発表されました。


同時に日本放送協会が放送しているBSプレミアム放送の業務廃止~終了~も認可されました。まぁこれは予定通りでしたけどね。
さて、もともと申請があったのは5社。残ったのは3社、ということですが。

申請した5社
・SCサテライト放送株式会社 /ショップチャンネル4K /ショッピング番組
・OCO株式会社(設立中) /OCO TV/アジア映画・ドラマ・音楽・ 日本の地域紹介番組 
・株式会社QVCサテライト /4K QVC /通信販売番組 
・株式会社東京通信グループ /AMIZAチャンネル /ニュース解説、文化教養 番組、情報バラエティ 
・株式会社WOWOW /WOWOW 4K /総合エンターテイメント (映画、ドラマ、音楽、スポ ーツ) 

でした。結果残ったのは上の3社であり、下の2社が事前に申請を下げたためにほとんど自動的に決まるという不可解な結果に。今回は今までのように左旋ではなく視聴にハードルの低い右旋での放送です。申請しておきながら直前での却下、という事態に談合を感じずにはいられません。
まずOCOは新設の会社ということで事実上審査前に認可は決まっていたと思われます。問題は残りの4社で2つのチャンネルをどう割り振るか、だったわけですが・・・。4チャンネルのうち3チャンネルがBS左旋放送からの移行をもくろんでいました。でも、それらは総務省としては申請理由として表に出したくないものでした。3社の思惑を資料として残したくなかった総務省は、2社にあらかじめ辞退することを要求し、無審査で認可が下りた、という形にしたかったのだと思います。そして残ったのが通販チャンネルの2社であり、下ろされたのが情報を扱うAMIZAとエンタメのWOWOWだったわけです。総務省はBS放送が通販ばかりになるのは好ましく思っていなかったでしょうし、せいぜいどちらかしか残らないのがバランスの取れた考えというところです。だからこそどちらかを残してどちらかは却下、という理由が見つからなかった。ましてWOWOWが移ってしまったら左旋は事実上とどめを刺され、全く利用されない放送になってしまいます。そういう理由で通販だけが残り、WOWOWは左旋に取り残され、AMIZAは却下されたのではないでしょうか。

せっかく右旋を空けての募集だったのに増えたのは魅力の薄いチャンネルばかりのBS4K放送。CS4Kを含む左旋放送をどうするかも踏まえて先行きはまだまだ不安なようです。当面CATVへの供給元になるための放送でいいじゃん?とかわたしは思うのですが。
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総務省、「高度地上デジタルテレビジョン放送方式」の概要発表

2023-07-20 12:28:34 | 次世代ビデオへの懸念
日本の地上波のテレビ放送は早いところでは2004年から始まっているので現在で19年、ボチボチ20年になります。技術的にはもう古いということで新しい方式を作ろうとだいぶ前から放送業界と総務省は画策していました。とはいえ、前の地上波は50年以上も使われましたし、しかも総天然色やステレオ放送といった新技術が導入されてもなお、旧型の受信機でも視聴可能だったというおそるべき互換性維持を続けた技術だった、のと比べるとずいぶん浅い歴史しかたっていないわけなのに、とも思いますね。しかもデジタルですから次の放送と前の放送の互換性がないのは確実なのでどうなるかと思いますが、とにもかくにも新地上波テレビ放送のプロジェクトは大きく動いているのです。


こうした記事では「4K地デジ」などと書いていますが、総務省ではこうした解像度を放送に冠することはしていません。


リンク先の資料では新地上波のことを「高度地上デジタルテレビジョン放送方式 」と呼んでいます。4Kの解像度だけがウリではない、としたいのでしょうね。もっとも地上デジタル放送でも似たようなことを言って結局ほとんど全部絵に描いた餅、ただのHD放送が行われただけだったので今回も同じでしょう。それでもあえてわたしは「高度地上デジタル放送」ないし「高度地デジ」と呼ぶことにします。
フォーマットはH.266として認定されたVVCが採用されることとなりました。現行のBSの4K放送はH.265/Hevcであるため、それより新しいフォーマットが使われることとなります。おそらくこの制定を待っていた、というのもあるでしょう。これによって現行の4K/8Kテレビでは直接高度地上デジタル放送を直接受信・視聴することは不可能にすることが確実になりました。デジタルの波を受信するわけですから理論的には現在の地上デジタル放送向けのチューナーで受信することは不可能ではないはずですが、VVCのデコーダーが内蔵されていないので受信は出来ても復号はできないので混乱を避けるためにもチューナーは別のものを採用することになるはずです。また、総務省の資料には「限定受信」とあるため、またしてもヘンテコリンなCASが入るのは確実でしょうからそれを使わせるためにチューナーの互換性は持たせないでしょう。最悪の場合BS放送もVVCに変更、なども考えられますので後のことを考えたら今4K対応機器は買わない方がいいかも知れません。
他の変更点として4K解像度の採用の他にインターレースが不可となってプログレッシブのみとなったこと、HDRも選べるようになったことがあります。インターレースは高度地デジでは明確に不可とありますが、HDRは利用可なだけでSDRも使えるとなっていますので、ひょっとしたら高度地デジはビットレートを抑えるためにSDRばかり使われるかも知れません。4Kは無理やりでも入れてくるでしょうがHDRはあくまで「技術的要件」項目にあるだけなので、蓋を開けてみなければわからない、というところです。4KよりHDRの方が高画質化の効果は高い、と言われていますが。

一応主な要求として「既存のシステムに妨害を与えないこと」が定められているうえ、今までの地デジから「移行」のようなことは書いていませんので、高度地デジ導入と同時に今の2K放送が廃止に向かう、ということはないかと思います。が、「テレビ局の負担減」を理由に早めに地デジを終了させ、夢再びと買い替えを促す、は考えられます。前の時はエコポイントをばらまきましたが、今度は・・・。今話題のマイナンバーカードとの銀行口座紐づけを条件にマイナポイントのばらまきとかになるんでしょうか。こういう施策だけは揶揄しやすいので楽しみなんですが。
なにも書いてないことではありますが、「限定受信」の一言がある以上、まともな録画は絶望的でしょう。地デジの録画規制はある程度しのいだこの業界ですが、高度地デジの暁には・・・多分多くのこっち趣味人がこの世界からいなくなり、誰も見ない技術だけの世界がそこらへんで渦巻いてるんでしょうね。今は放送のキャッシュ録画どころか放送も見なくなり、コンテンツもスマホの小さな画面で見るだけ、になりつつある日本、楽しみを奪ったんだから当然そうなります。そんな日本での"悪い"高度化はビギニングオブジエンドへの道となるでしょう。
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いまさら「電波オークション」の実施の話が出てきたことに対する素人の勝手考察

2023-03-02 20:48:50 | 次世代ビデオへの懸念
先日povo2.0に入りましたが、「auかんたん決済」が使えるというので、ついでにそちらも入ったんです。主な目的は現在GooglePlayで支払っている「ジャンプ+」の定期購読費の支払い。どっちで払おうと大して変わらないんですが、au通したほうが両方のポイント付いてお得かな? と思いまして。で、実際先月末支払い分はそちらで支払われたんです。ところが、今朝になってpovoからメールが届きまして、
「4月1日からpovo加入から7か月目までの方はauかんたん決済が使えなくなり、それ以降も上限は2000円になります」
とかなり一方的な通知が。おいおい、なんなんだよそりゃ。そういえばpovo2.0がauかんたん決済に対応したのってかなり最近でしたっけ。やっと対応したと思ったら即改悪、ってあまりにドタバタ。ようするにauってpovo2.0のユーザーを信用していないってことなんでしょうけど、せっかくわたしの中で身近に感じるようになってきたauとpovoの印象悪くなってきたなぁ。これをキッカケにどんどんサービス悪くなっていく、なんてこともない話じゃないですし、どうなるんだろ。トッピングの値上げや要基本料金とかにはならないで欲しいものです。その時は他のMVNOにau回線でMNPするか。なんか今後MNPは移行先との手続きだけでできるようになる、って話ですし。MNOが先でしょうがMVNOも当然やりたいでしょうから、mineoなんかも対応する可能性は高そう。

さて、MNPもそうですが電波の話がいろいろ動いています。ちょっと驚いたことに、「電波オークション」の実現に向けて動きがある、というじゃありませんか。


諸外国では当たり前の電波オークションですが、日本では長らく総務省による審査制がとられていて、オープンとは言えない場所で利用者が決定されていました。これはぶっちゃけ電波が利権になるからです。かつて地上波のテレビ放送、とりわけ地方ではその地域の政治家(当然自民党)が有力者になると放送局が増える、と噂されていました。雇用の確保や視聴可能な番組が増えると人気が取れるし、放送番組を使って~露骨ではない方法で~自分の宣伝にも使え、新たな立候補者や地方議員をその有力者の傘下に収めるのも容易だったからです。その影響はいまだに残っているのか、比較的遅く開局した地元放送局は、選挙が近づくと政治とは関係ない地域密着報道番組の中での道中での取材を立候補予定者の演説会告知ポスター(日付が一年くらい先でまず開催されないやつ)の前でやる、なんてことをちょっと前にやってて苦笑いした覚えがあります。そういう便利に使える電波を取引にかける、なんてのは日本ではありえない話だったのです。ですから、わたしは何度も各政党の公約を見ているのですが、電波オークションないし周波数オークションの実施を謡っているのは野党か諸派だけで自民党が載せていた覚えはありません。
自民党だけでなく総務省も同様に電波の自由化には反対だったでしょう。この手の話が出てくるたびに思い出されるのがあの「NOTTV」問題です。かつてアナログだった時のテレビ地上波放送は主にVHF波で流されていましたが、デジタル放送への移行の際に一時的に両放送の併用が必要だったため、デジタル放送はUHF波で行われることになりました。そして移行完了後にさぁ空いたVHF波をどうするか、といろいろ話し合われたのですが昔でいうところの1~3chのV-Low波はまだしもV-Highに関しては全然まとまらず、使う企業はないかと募集をかけたら名乗りを上げたのが外資系。かなりノリノリだったのですがふたを開けると締め切り間際になってドコモが名乗りを上げ、総務省の審査でドコモが使うことに決まりました。それで立ち上げたのが「NOTTV」というモバイル向け放送サービス・・・だったのですが数年とやらないうちに撤退し、ドコモはVHF波も手放してしまいました。これから見るに明らかにドコモはやる気なし。そもそもVHF波は遠くまで届く代わりに干渉しやすいため、テレビ放送には向くが他に使い道がない、と言われています。ドコモは通信事業者であって放送事業者じゃないですからね。わたしはあの件はどうしても外資系に放送用電波の使用権を渡したくなかった総務省がドコモに押し付けたんじゃないかと思ってます。もしドコモが名乗りを上げなかったら放送法を拡大解釈して外資を押しのけたかもしれません。

そうまでして電波の権利をブラックボックス化しておきたかった行政がなんでオークション?と思ったのですが、考えてみたら外資だろうとなんだろうと今更日本に地上波放送で参入してくる企業などないでしょうね。だったらオークションにしてお金を少しでも確保しちゃえ、の方が合理的っちゃ合理的です。今回は5G向けの電波ということで、先日もめた楽天モバイルへのプラチナバンドの割り当て話も当然影響しているのでしょうが、将来的にはVHF波もどうにかしよう、ってことになるのかも。
そういえば、5Gではアメリカと中国に歯が立たず、開発できなかった日本が6Gでは今度こそ、とNTTとKDDI共同で開発をしている、って報道がありましたが、総務省はこの件に「VHF波使えるようにしろ」とか無茶言ってないでしょうね。そういう足かせ噛ますとまた負けますぜ。
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一つの時代の終わり パナソニックが録画用BDを生産終了に

2023-01-24 22:22:58 | 次世代ビデオへの懸念
いよいよ来る時が来た、という気がします。


同社は理由を「市場規模の縮小に伴い、継続生産が困難であるため」としています。確かに市場規模の縮小は間違いないですが、地上波はともかく衛星放送、特に有料放送の保存など一定の需要はまだまだ存在しますので、生産規模の縮小ならまだしも撤退、それも来月にというあまりに唐突な宣言に、裏に感じるしかありません。
コメント欄で913dさんもおっしゃっていましたが、全部ではないにせよその一つが先日閣議決定によって最高裁判断があっさりと覆された録画補償金問題でしょう。そんな理不尽に付き合うくらいなら撤退してしまえということなんでしょうね。2月のうちに撤退すれば強引に実行を迫るだろう補償金を払う必要もなくなるわけですから。当然BDレコーダーも4K対応を含め撤退の道を歩むのは近いと思われます。
パナソニックと言えば、他の日本メーカーがことごとく撤退してしまったテレビ事業を支え続けている貴重なメーカーです。そのパナソニックがついにテレビ事業撤退を匂わせ始めた・・・。パナソニックが全面撤退してしまえば、もうB-CAS関税のおかげで海外メーカーの参入も少ない日本でテレビそのものが存続できなくなっていくでしょう。補償金ごり押しがどれだけ罪深いものだったか、そろそろ後戻りできないところまで来たのかも知れません。
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4K8K受信環境の総出荷台数出てる

2019-09-25 14:23:26 | 次世代ビデオへの懸念
最近情報を仕入れるのがすっかり遅くなっています。以前は毎日ネットを巡回していろいろ調べていたんですが、最近は仕事関係はともかく趣味は数日に一度くらい。なので話が遅くなるのは勘弁してください。なので少しまとめて書きます。この間チラッと書いたRyzen9 3850xの出荷が11月に遅れることになったのもやっと知りました。

AMD、Ryzen 9 3950Xの発売を11月に延期


12コアの3900xですら品薄なので16コアは安定供給できる見通しがたたない、とのことです。12コアの3900xも売れているのは確かでしょうが、確か3900xは内部的には16コア持っていたはず。全コアが3950xの規定を満たす完成度に達していないものを12コアのみ有効にして出荷しているのが3900xじゃなかったでしたっけ。まだ7nmmの製造プロセスが熟してなくて、16コア完全動作の完成度のダイがなかなか切り出せないのかなぁ。当分歩留まり悪そう。そのうち16コアベースでそのうち8コアしか有効になってない方のRyzen7とかも出るかも。


話二つ目。
最近になって興味が若干復活したのが4K8K放送関係。もちろんその環境をウチに入れる気は全くないのですが、以前「2020年夏までに4K8K放送の普及率50%にする」と総務省の会議で息巻いていた発言を思い出し、それは絶対無理にしても今普及率何%くらいなんだろ? には興味がわいてきわけなんです。なにせあと1年なのに普及率の発表が全然ないし、それに向けた努力の跡もない、だから「もうあきらめたんだな」と書いたわけなんですが。努力の跡が見られないのは「2020年夏までに普及率50%にする」とわたしが読んだのは間違いで「2020年夏までに普及率50%になる」と総務省の会議では予想していただけだった、が真相のようです。買い替えが進んでみんな新しいテレビを買うだろうし、その時はほとんどが4K8K放送対応になるだろうと踏んでいたらしいんですね。実際にはその予想からは程遠い状況ですし、なにより多くのメーカーが撤退して、すっかり体力のなくなった国内メーカー残党と日本向けにはあまりやる気のない海外メーカーのごく一部だけが残る日本のテレビ市場でこの2年ほどの間に普及率50%分も製品を出荷できる製造能力があるわけないんですけどね。
とはいえ何も公表しないわけにもいかないと思ったのか、普及率ではなく出荷台数がA-PABから発表されたようです。

4K/8K機器の8月出荷数は過去最大。“増税直前まで累計200万台超える勢い”


テレビ・単体チューナー・STB合計による8月末までの4K8K放送受信可能機器の出荷台数は174万3千台だそうです。あくまで出荷台数であり、販売台数ではありません。とはいってもこれしか数字出てませんし、余裕をもって大量に先行出荷することはないでしょうから、一応出荷台数≒普及台数としておきます。それにしても、この「千台」単位で書くの、紛らわしいんでやめて欲しいものです。3桁上がりの欧米基準で千台単位にしてるんでしょうが、日本は漢字圏で4桁上がりなんだから「1743(千台)」じゃなくて万台単位で「174.3(万台)」にしてほしい。どうしても欧米基準で数字を出したいなら「1743(千台)}じゃなくて「1,743(千台)」と書くべきだろうし。まぁそれはおいておいて。
この数字、放送を受信できるもう一種類の機器であるレコーダーが入っていません。それを含めればもう少し台数出そうです。なので計算でおおざっぱにレコーダーの出荷台数を推測してみましょう。まずは昨年一年間のレコーダーとテレビの出荷台数を調べます。最近は「レコーダー」で検索してもドライブレコーダーのことしか記事が出てこなくて不便なんですが、さすがにJEITAのサイトには数が書いてあります。もちろん販売台数ではなく出荷台数ですが。
それによると、レコーダーはDVD系が405千台、BD系が2,051千台です。やっぱり千台単位ですが、さすがに”,”が入ってますね、少しだけわかりやすいです。合わせて245.6万台というところでしょうか。DVD系で4K対応はおそらく無いと思いますので分母を増やしちゃいますが、比較のテレビも4k対応がない29型以下を数値に加えるので合わせます。テレビは4,510千台、451万台になりますね。テレビ販売数の54.5%くらいになります。
それと4K放送が始まってからの売れ行きを比べ、レコーダーにおける4K対応の割合をテレビと同じとしましょう。すさまじく大雑把ですけどね。テレビが
89.2/451万台ですから19.7%、レコーダーがX/245.6万台で19.7%と仮定して計算すると48.4万台。先の174.3万代に足せば224.7万台になります。これらが全部別々の戸に使われているとさらに仮定した場合、計算上日本で最大限に多くみた普及数になります。ちなみに日本の戸数は5000万世帯くらいですから、最大限見積もって4.5%。放送が始まって約9か月でこれだけ売れた、とみればそれほど悪くないですが、あと1年で総計50%と見込んでいたところから見ると良いとは言えません。
追記:レコーダーの分母にDVDレコを含ませる、と書きながら入れるのを忘れていたので、計算しなおしました。前の数値より0.2%上がっています。

しかもテレビの出荷台数の割合も昨年は「4k対応テレビはテレビの出荷台数全体の44%で198万台」とか言っていたはず。去年12月に売れた分に目をつぶって(大した数ではないでしょうから)全部今年売れたと仮定し、残りの4か月同じペースで売れたとすると今年度一年間の出荷台数は133.8万台にとどまります。もちろん昨年の4Kテレビのほとんどはチューナーレスな"対応"テレビなのに対し今年のはチューナーレスを含んでいない純然たる4K放送受信テレビだけですが、今年発売の4Kテレビは大抵チューナーありでしょうからチューナーレスの"対応"テレビを上乗せしたとしても二倍になるとは思えません。せいぜい5割増し・・・と考えると約200万台。去年のチューナーレスオンリーの時とほとんど変わらないのではないでしょうか。しかも今年のこの時点は一応「消費増税前の駆け込み需要」ありです。わが街ではわたしが見た限りその様子がなく、地元の報道でもテレビの売れ行きは取り上げず、冷蔵庫に駆け込み需要が見られたのを大きく取り上げてましたからあまり無い気がしますが、地域差はあると思いますからテレビの駆け込み需要があってもおかしくないですし、むしろあってこの程度の数字しか出てこないようじゃ普及率50%に到達して地上波も4Kへのチェンジ、なんて夢のまた夢の先・・・というしか。
もちろん素人の推測の上に推測を重ねたいい加減なものですし、「お前が4K放送嫌いだから数字がよくならないように計算しているだけだろ」と言われれば返す言葉はないですが。むしろ掛けこみ需要がなくて増税に慣れて余裕が出てきたら売れ行きは伸びる、を期待したほうがいい気がします。来年には絶対間に合いませんが。


全く別の話。
ついつられてディアゴスティーニの「週刊ゴジラをつくる」を定期購読してしまいました。不器用なわたしではありますが、まぁなんとかなるだろ、と買ってみたのですが、予想外にハサミやカッター、接着剤を使う項目があってちょっと冷や汗。特にカッターを使う行為はわたし苦手でして、いつも指を傷だらけにしちゃうので組み立てたゴジラが血まみれになりかねないんですが。次の休日に今来ている分をまとめて組み立てる予定なのでまだ手を付けてないのですが、組み立てサービスを頼まなかったことを少し後悔してます・・・。もちろんそれじゃ面白みが半減しちゃいますけどね。
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4K8Kテレビの普及ってどうなったんでしょうか

2019-08-30 23:10:35 | 次世代ビデオへの懸念
わざわざ書くほどの話でもないですが、最近更新してないので書いておきます。ただの穴埋めです。

暑かった8月もようやく終わります。あまりの暑さのために都市圏からやってくる金の買取業が本来7月後半から8月前半に来る予定を見合わせ、8月月末になってやっと来店してくれたくらいです。最近現金が出ていく取引のケースが多く、ちょっと手持ちの現金が不足(銀行で下ろせばいいんですが、なかなか外出も難しく)していたのでホッと一安心。
8月と言えば来年は東京オリンピック・パラリンピックがあります。事前の問題としては、やはり開催時期には襲ってくるだろう猛暑対策ができそうもないことと、最近になって浮上した東京湾の水質がかなり悪くて競技に向かないのではないか問題、当たりがクローズアップされてます。他にも誘致に関する不正疑惑、なんてのもありましたが何故か有耶無耶になって話に上がらなくなってますが。
そんな中、わたしも一度は追っていながら完全に忘れていたのが「4K8K放送を2020年の五輪までに国内普及率50%に」話。期限まで一年切ってます。となればそろそろ普及率の大本営発表が行われてもいいころ、さて現在は・・・と軽く検索してみたのですが全然話がない。どうせ昔の地上デジタル放送の時みたいな胡散臭い普及率の数字が出ているだろうからそこに陰謀論でも唱えようか、と思っていたのにアテが外れました。総務省もネタを提供してくれないと困ります。

数年前に「2020年に普及率50%」という目標数字を見たときは「まぁ無理だろう、不可能だ」と思ったものです。その時点で出荷されていた4Kテレビは当時の将来である2018年12月に放送が開始される4K放送のチューナーが内蔵されておらず、外付けチューナーが別途必要になるものばかりでした。東京五輪までに普及率が50%になるには、最低でも2018年12月から1年半と少しの間に最低でも4K放送チューナーを内蔵したテレビ・レコーダーおよび単体チューナーを合計して2500万台日本国内だけで売らなければいけません。普通に大ヒットしても難しい数字なのに、、いかに上げるような環境でその数字が達成できるとは思えなかったのです。

1.4Kテレビがデカすぎる
新4K・8K放送、テレビ局もテレビメーカーも「やる気なし」のワケ

昨年、4K8K放送が始まる時点の記事なので参考にならないかも知れませんが、一番下に「もともと、家庭にあるすべてのテレビが「10年サイクルで買い換えられる」と楽観視していたのが間違い。というのも、多くの家庭が子供部屋や寝室にあった2台目以降のテレビを買い替えなくなった。スマホやタブレットで事足りてしまうようになり、もはやテレビはスマートデバイスに圧倒され始めているのである。」なんてありますが、もし現在の状況を普及させる放送局や総務省側まで売れない理由をスマホのせいと考えているようじゃ話になりません。それ以前の問題、寝室や子供部屋に放送開始時には4Kテレビの最低サイズだった55型のテレビを買い替えて置く人がいるわけないのです。何度もいいましたが、そうした部屋におけるのはせいぜい32型です。36型ならちょっと無理して置く人も少なからずいたかも知れませんが、現在のテレビのラインナップには36・37型は存在せず、32型を超える最小サイズが40型になってしまいます。気軽に置くサイズがないうえに、4Kテレビの最小サイズも40型、それも最近になってやっと出てきたのが実情です。これでは買われないのも仕方ないところ。ついでに言えば、たとえ4K放送を入れても視聴の主流は地上波であると思います。が、4Kを前提にした超巨大テレビで地上波を見ると汚くて見れたものではなくなります。超解像処理で誤魔化そうとするテレビもありますが、圧縮で失われた画面の細部を無理やりシャープを強くして解像感だけあげてもむしろ汚く見えるだけ、ってのも買い替え意欲を湧き立たせない理由かと思います。それならまともなサイズで見ていた方がマシですから。

2.金銭的問題
ひょっとしたら、4Kテレビが売れるだろう考えには「消費税アップの前に駆け込み需要が起こり、テレビを買い替えるだろう」があったかも知れません。が、そのアテは外れました。駆け込み需要が起こらなかったということは、統計や株価などの数字はともかく一般人のふとごろ具合はよくないということです。むしろこれから出費が嵩むことを心配し、なるべくお金を使わないようにしようと考えているのではないでしょうか。どうしても買っておきたいものはあるでしょうが、それらに該当するほどテレビの優先順位は高くないということです。なにせ買って10年たっていない人が多く、しかも古いテレビはリサイクル料という処分費用がかかりますので余計な出費はは抑えたいと思うのならテレビは現状維持、となって当たり前だと思うのです。

3.製品群がつまらない
地上波の放送をデジタル化する際にそれまでのアナログテレビ市場にいた海外や安売りのメーカーをことごとく追い出し、日本の大手メーカーの半独占市場にしてしまいました。買い替え重要に沸いた時はわが世の春を謳歌しただろう日本メーカーですが、それは需要の前倒しをしたにすぎませんでした。そのあとは右肩下がりで売れなくなり、無理やり需要を起こそうとした3D押しは逆にテレビ離れを引き起こした感さえあります。かくして買い替え需要の時にはテレビを売っていたメーカーも次々と撤退、今はテレビを作っている日本メーカーはいくつも残っていません。海外メーカーも、以前から日本で踏ん張っているLGのほかは東芝を参加に収めることで参入できたハイセンスくらいなものです。売っているのも総務省の旗振りで規格化された筋にのった、脱線を許さないものばかりで選択肢がなく面白みが全くありません。もちろん従来のHD放送よりもさらに強化した録画規制のために録画好きのツボを押せる製品が出せないのも、テレビと同様あるいはそれ以上にレコーダー需要を冷えさせている大きな理由です。


これら売れない理由、がカッチリと強く存在する中でどうやってありえそうもない普及率を達成するのか、どんなミラクル策を用意するのかはちょっと楽しみではあったのですが、未だに何も見られず、数字の公表すらしないところを見ると、テコ入れよりそもそも短期間普及をあきらめる方を選んだようです。それでいいんならいいんですが、それなら大急ぎで削ったBS放送の帯域をもとの放送に返してやってほしいものです。
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また4K8K放送見てきた

2019-01-22 00:06:05 | 次世代ビデオへの懸念
この間の休日、またしても4K8K放送の見学に某量販店に行ってきました。その前に行ったのとは違う店です。前に行った店で見た4K8K放送の画質はひどいものでしたが、ひょっとして照明がHDR放送向けでなかったとか、そもそも調整がヘタクソな店員しかいないとか、放送とは違う理由で画質が悪かった可能性も否定できないな、とちょっと思いなおしましたので別の店に見に行くことにしたのです。大きく違うようなら今後下見は最初のA店ではなく今回のB店一択にしよう。

見に行きましたら、そも店Bにはちゃんとシャープの8Kテレビがデンと置いてありました。テレビ売り場の力の入れ方がA店とは全然違います。必ずしも店舗がA店より広いわけではありませんから、B店ではまだテレビは見捨てていない、ってことなんでしょうね。超巨大な8Kテレビに映っていた放送はやっぱりフィギュアスケート。とりあえずこれ放送しとけ、ってことなんでしょうか。前見た放送は背景が黒いせいもあってかなり残像がひどく目立つものでしたが、今回は大勢の観客がいるリンクで滑っているシーンなせいか、選手には目立った残像がなく、割と安心して見られました。やはりA店では照明か調整のミスでもあったのでしょう。ただし、それは選手だけに注目した場合であり、背景の、大勢のお客さんの方に視線を向けるとほぼ常時ブレブレ、まるで解除してないインターレース映像です。解像度は高いのにほとんど表情も読み取れません。もちろんフィギュアの選手はリンクを大きく使って高速で滑っているので所謂"テレビ"の映像なら描画が追い付かず、こうなるのも当たり前ですが、8K放送は従来の放送と違ってプログレッシブ、最初からインターレースを使ってないうえ、フレームレートは最大120とされています。選手の動きを見せることを優先したため、お客さん部分は二の次ということなんでしょう。HDR放送の理想で言えば、高い解像度と色再現によって、今までのテレビ映像とは違う、あたかもその場にいるような臨場感が楽しめる、になるはずでしたが、機材の能力かエンコーダーがまだ未成熟なのかはたまた理想が高すぎなのか、所謂テレビの映像からまだ抜け出ていないというのが素直な感想です。思ったより色も薄めでやや作った感もあり、超巨大で解像度は高いものの液晶特融の立体感のない平たい映像でしかありませんでした。
同じく液晶の4Kテレビに映っていた日本放送協会系4K放送を見たのですが、やはり印象は変わりません。こっちはほとんど動いていない映像だったので崩れてはいませんでしたがなんとなく背景がうまくボケず、色も薄くて映像が平たく感じます。ひょっとしたら有機ELテレビで見ればだいぶ違ったのかも知れませんが、あいにくと有機ELの4Kテレビは専用のデモ映像か、なぜか地上波の放送しか映っていません。そして例によって有機EL4Kテレビで、量販店の照明で見る地上波の放送は本当に汚く見えます。有機EL映像のキレイさはプラズマやブラウン管のように汚い部分を適度にごまかしてくれるキレイさではなく、悪い部分もハッキリと映し出すキレイさなので、地上波や最近のBS放送の悪い点が見事に浮き彫りになってしまうのです。補正もかなりクド目に入っているうえにタイムラグがある製品も少なくなく、悪い意味でテレビやメーカーごとの画質補正の方針も浮き彫りになります。個人的に有機ELテレビには期待していたのですが、現状の映像処理では放送も映像ソフトも全部4Kに移行してしまうのでない限り、有機ELテレビは勧められないですね。

そしてこの間やっと気が付いたのですが、テレビのラインナップって完全に「40型以上」と「32型以下」に分けられてるんですね。昔ならその中間のブラウン管なら36型(「29、ワイドにするなら36」ってCMが懐かしい)液晶なら37型があったわけなんですが、もうとっくに、Amazonとかの在庫で見ると2011年を最後に用意されなくなっているみたいです。いやー、今まで気が付かなかったというのは、それだけわたしテレビという映像機に無関心でいたのか、と反省しかりです。
以前から何度も「日本でテレビがもっとも売れるサイズは32型」と主張してきました。そして32型で受信できない限り、HDR放送が短期間で普及率50%というのはあり得ないと確信しています。ただ、メーカーはどうしても4K8という解像度をHDR放送においては最優先、前面に押し出したいと考えているようです。そのため、少しでも大きなテレビを売りたい。そのせいか60型70型という非常識なサイズのテレビばかり売りたがっていますが、メーカーの作るテレビがどんなに巨大化しようと消費者の住む家が巨大化するわけではありませんし、いまやリビングで家族そろってテレビを見る時代でもなし、テレビは個室で自分一人で所有して使うものですし、部屋に置く家電の中で最優先されるものでもなくなりました。だからやっぱりボリュームゾーンは32型なんです。ただし、だからと言って32型を主力としてテレビを売ると、テレビが個室においても二度と家電の主力に返り咲けない、かつてのラジカセの道を歩むのは目に見えています。それを受け入れず、リビングはもちろん個室においても優先度の高い存在としてテレビがこれからもあり続けたいのなら、どうしても32型を卒業するに最適なサイズ、昔の32型程度の設置面積で置けるだろう36~37型を用意しないとどうしようもないんです。でも4Kどころか2Kの37型すらメーカーのラインナップから姿を消しています。なんでなくなったのかはわかりませんが、わたしが一番消費者が求めるテレビというのがわかっているメーカーと考えているオリオン電機ですら37型を用意していないところを見ると、おそらくパネルが入手できないんでしょうね。パネルメーカーが作ってないんでしょう。多分ポスト32型としての37型の必要を全く考えてないわけではないでしょうが、作れないのだから仕方ないというところでしょうか。
日本メーカーは4K8Kを武器に世界において次世代テレビ規格の主導権を握るのが目的なのでしょう。ただ、テレビがデジタルになってからの所謂コモディティ化、部品を買ってきて組み立てればテレビになる、というメーカーに必要なのは技術ではなく生産能力になる方式に乗っかってしまって今までの方式が通用しなくなりました。それに加えて国内から大半の海外メーカーを追い出してぬるま湯につかった独占市場で一儲けできたために開発能力が落ち、弱体化しています。その結果、わたしの想像のようなパーツメーカーの都合に合わせた製品しか作れなくなっているとしたら、もう新規格を作る資格すら持ち合わせていないんではないでしょうか。言い過ぎかも知れませんが、まぁ録画を規制したり禁止放送にできる状態をキープし続ける限りわたしが4K8K放送に対してよいことを書くことはないので、むしろ今回は甘いなぁ。B店の画質がA店よりかなりマシだったせいかも。


寒波のせいでついに地元に雪が降りました。ああ、衛星放送の映りが悪い・・・。アンテナの雪落としたい。ケーブルがCSも再送信してくれればなぁ。
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4K8k放送みてきた

2018-12-18 09:40:34 | 次世代ビデオへの懸念
今年も残すところ、あと二週間となりました。年末年始になると昔は海外旅行も当たり前、芸能人となればハワイに行くのとこっそり離婚を発表するのが恒例行事、なんて時期がありましたが今はどうなんでしょうね。戦後二番目に長い景気拡大が続いていてそれを超えるのも確実視されておりますが、世間の景気はどのくらい回復してるんでしょうね。少なくとも景気拡大という言葉は必ずしも好景気を示す言葉ではなさそうですが、どんなもんなんでしょ。

昨日、店の休日を利用して久々に量販店のテレビ売り場を見学してきました。残念ながら世間的な休日である日曜日ではなかったのでテレビ売り場には全く人がなく、流れが見えなかったのですが、代わりにじっくりとテレビそのものを見ることが出きます。当然のようにテレビ売り場は超大型の4K押し、70型も当たり前、60型を切ったらテレビにあらず、そんな展示の仕方です。その一部のテレビで先日から始まった4Kと8Kの放送が映っています。聞いた話では「民放系は4Kと言ってもほとんどがアップコンバートで4Kの映像は一部だけなのに対し、NHKBSは基本4Kでは4K、8Kでは8Kの映像を使う」とのこと。それに合わせてか、ちょうどNHKBSの4Kと8K放送で、空手とフィギュアの再放送をやっています。スポーツ系は現状の放送の実力を見るのにちょうどいいですね、ちょっと見てみましょう・・・。うーん、噂とはかなり遠い画質、としかいいようがありません。4Kの空手道はなぜか人物のあちこちに紫色が浮いていて、まるで全身青タンだらけです。細部もにじんで潰れています。もちろんその潰れ方は地上波より解像度が高い分弱めではありますが、思ったほど美しくありません。8Kに至っては液晶特融の残像がひどく、美しいどころかガッカリレベルでした。量販店の明るい照明の下でかなりの至近距離で見るのと、そこまで明るくない一般家庭の部屋である程度距離をとってみる映像ではもちろん違いはありますが、新次元の映像とはいいがたいものでした。実はどちらもネイティブな4K8K映像ではなかった、ことも考えられますが、わざわざスポーツ番組の再放送にアップコンバートを使うかな? とも思いますし。
こういう印象を感じるのは前から言ってますようにわたしが4K8K放送に対して悪印象を持っているからでしょうし、8K放送を映していたのが8Kテレビではなく4Kの液晶テレビであったこともあるでしょう。せめて有機ELテレビで見てみたかったところですが、有機ELは専用のデモ映像しか流してくれていませんでした。少なくとも、現状の4K8K放送はわたしが昔、秋葉原のバブリックビューイングと称したロンドンオリンピックの映像で感じた「不気味の谷の域に達した」には遠く及ばない状況です。まぁあの時は映像もじっくりと時間をかけてエンコードされたうえ、映像機器も最高のものを使っていたでしょうから、年月が経っているとはいえ、普及用の映像パネルと将来に向けたテストを兼ねたエンコードの映像じゃ比べ物にならないのも仕方ないかも知れません。まだ4K8K放送は限りなく試験放送に近い実験段階で、実用的じゃないってことです。初期段階から付き合って変化していく様を楽しみたいというのならともかく、新しい放送に期待して買うには早すぎると断言していいでしょうね。

話ちょっと変わって。
最近はそうした量販店にばかり客を取られてなるかと小規模店も最近は徒党を組んで疑似大規模店みたいな形をとって仕入れ値を下げたりしているようです。それでもポイント還元などでどうしてもかなわないところがあるため、そこは機械の販売だけにとどまらないサービスや営業と言ったものでカバーしているようです。いわば昔ながらの街の電気屋さんの良さを強化しながら価格を下げる、という矛盾に挑んでいるわけです。
そこの人とちょっと話をしたのですが、やはりメーカー側としては大型のテレビを売りたいらしく、どうしても仕入れがそっちに偏るため、チラシの作成の時もそちらを前面に押し出してのやり方になるよう。ちなみにテレビの在庫が常時あるのは一番小さいので32型、それ以下はほとんど扱うことができず、取り寄せで28型の旧型をなんとかそろえるのがせいぜいだとか。さすがに実際の売れ行きまでは聞き出せませんでしたが、やはりその常時取り扱える最少のサイズである32型が一番取扱量が多いのではないでしょうか。
地域によって違うかも知れませんが、我が街の場合テレビのサイズの主力はいまだ32型です。最近中古品を扱う我が店でもようやくテレビの扱いが増えてきました。一時テレビと言えば2010年ころの製造、つまりエコポイントばらまきの時にで買ったすでに古い24~32型くらいばかりで、基本断っていたのですが、今年に入ってからはこの1~2年買ったばかり、というテレビの持ち込みが増えてきました。多分ちょうど買い替えの時期なんでしょう。その8割が32型で、より小さいものはゼロになりました。先に書いたようなお店で32型未満の取り扱いがほとんどないことも影響しているのでしょうが、だからと言って数年前と比べて家が大きくなったわけでもなし、超大型の値段が下がろうと買うのは32型が部屋における限界、な家がまだまだ多いのでしょう。自動車を使わないと持ってこられるテレビのサイズは32型がせいぜい、というのもあるかも知れませんが、売れてない商品は基本複数の人から持ち込まれることはないので、やはり売れるとしたら32型が続いているんだと思います。取引先の人から「Kさん、テレビない?」って聞かれることがありますが、その人たちが欲しがるのも32型です。40型だと大きすぎていらないって言われます。
というわけで4K放送を普及させたいのなら32型の4Kテレビを作るのが不可欠だとわたしは思っていますが、今のところ42型までしか見かけません。PC用では42型を下回る4Kの液晶ディスプレイは存在しているのでやろうと思えば作れないことはないのでしょうが、付加価値の望める超大型を売りたいんでしょうね、やっぱり。超大型だと頑張ってもリビングのテレビになってしまい、自室でテレビに部屋を占拠されずない程度に映画みたりゲームやったりには不向きなので台数に限界があると思うんですけどねぇ。普及させたくないならそれでわたしは全く構わないのですが。
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HDR放送開始、録画に関しては・・・

2018-12-01 11:57:13 | 次世代ビデオへの懸念
※わたしはHDR放送に関して非常に悪いイメージしか持っていないため、基本悪口しか書きません。それを前提に読んでください。

先日、予定していたケーブルテレビの工事が我が家で行われました。メインはサービスを終了する従来型のインターネットから光ケーブルを使った新しい方式に交換すること。ちなみに工事は「2人で一時間ちょっとあれば終わる(あちらの営業談)」はずだったのですが、若干他の家より珍しい配線の引き方をやる必要があるせいか、新人研修を兼ねられてしまいまして(もちろん工事担当者からの断りはありました)、人数は多いし教えながらやるから時間も3時間近くかかるし、とちと不安の残るやり方をされてしまいました。あとで自分でやったネットの設定には少し手間取りました(なにせモデム→無線LANルーター→中継器を介して有線化→HUBにつなげてデスクトップPCをネット接続、とか面倒くさいことをやってますので)が、なんとか終わらせて使ってみたところ、うーん、さすがにファイルのダウンロードは速くなりましたし、Ryzenなど新しいCPU/APUを積んだデスクトップPCならブラウザもキビキビ動くのですが、仕事用のノートPCとかだと前の回線と体感的な差は感じません。所謂"一歩目"が速くなるにはある程度性能が必要なんですね。ただ、PCの大規模アップデートの最中に他のネット経由の作業が必要になった、などの悪条件ならだいぶ違うと思いますので、素直に喜んでおきましょう。
そのついでに、と称してケーブルテレビそのものの工事も行われました。BS/CS放送が直接ケーブルに乗るため、専用のSTBを介さなくても汎用のチューナーでBSやCSを受信できるようになったのです。もちろん前の時のようなSDのアナログに変換して低画質にしてから送信、なんてこともなくなっています。配線ごとに分波器は必要になりますが、むしろチューナーのギリギリまで今まで地上波・BSの2本必要だった配線が一本で済む分取り扱いしやすくなったと言えます。試したところ、一般的な無料のBS放送はもちろんWOWOWと一部のスカパー(試せたのはわたしが契約しているチャンネルのみなので)はちゃんと映りましたので、基本BSアンテナの代わりに問題なく使えそうです。

当日念のため、工事担当者に聞いてみた話があります。「この時期だし、チューナーさえそろえればBSの4K8K放送の受信もこのケーブルを通して可能なのか」と。答えは「全く聞いていないのでわからない」という無難なものでした。まぁ導入する予定はないし、あの4K8K放送に対してお金払って試す義理はないですけどね。
そうしたわたしの思惑とは全く関係なく、本日2018年12月1日よりHDR放送が開始されました。あくまでHDR放送なのですが、数字の方がわかりやすいという理由からか、もっぱら4K放送、4K8K放送と呼ばれています。と、言っても放送が4K8Kなだけで中身の大半は従来放送のアップコンバートにとどまるようですが、それでも日本映画専門チャンネルでは盛んに「八甲田山」の4Kリマスターの放送が宣伝されていますし、日本放送協会では「ウルトラQ」の4Kリマスター版をやる予定のようなどさすがに目玉は用意されています。ただ、「ウルトラQ」はおそらくBD版同様特撮の失敗部分をデジタル合成で後修正してしまったガッカリ版になると思われますので、興味半減なんですが。
将来的には「キングコング対ゴジラ」の4K版の放送も期待できますし、そうした意味では4kのHDR放送自体は決して悪いことではないのですが、それら魅力的なコンテンツも、少なくともわたしにとっては、録画保存できなければほとんど意味がありません。映画館へ映画を見に行くわけではなし、スポーツ中継以外の放送は録画できて初めて価値があるものだとわたしは断言します。で、実際どうなるかと言えば全く情報は出ていません。現在発売されている外付けチューナーの多くはUSBコネクタを備えており、とりあえず外部HDDへの一時保存くらいには対応しているようです。ですが、しょせん自己録自己再のみの、録画というより一時キャッシュみたいな保存させないタイムシフト視聴のためのもので、機械の状態次第では一発アウトの非常に不安定なものです。もちろん外部メディアへのバックアップなどは対応させてくれません。
なにより4K8K放送は、前に一度問題視された「録画禁止フラグが仕込まれていて、録画禁止放送になる」懸念があります。AV業界はBDが新規格でHDRの保存に対応したことで「そんなことがあるわけがない」と火消しにやっきでしたが、「出来ない」と「できる状態にあるがやるわけがない」は天と地ほどの違いがあります。なぜなら、デジタル放送の録画規制だって当初総務省は「ほとんどの番組では規制はしないだろう」との判断で許可したはずだったものが、現状ではもれなくすべての放送が録画規制の対象だからです。このことを決して忘れてはいけません。で、録画禁止フラグを導入可能にすることが許可されたか否か、ですが、あまりに批判が多かったためか、それ以降全く情報が出なくなってしまいました。このことは「批判が多かったからやめた」ではなく、「批判が多かったから、ほとぼりが冷めるまで黙っていて録画禁止にはしておこう」とした可能性が高いのではないかと思います。

実際どこも4K8K放送に関しては「受信・視聴」のことばかりで肝心の「録画」に関してはほとんど触れていません。一般社団法人放送サービス高度化推進協会・略称A-PABの4K8K放送のFAQには
"放送事業者が録画を許可する番組であれば、HDD等に録画できる機器もあります。(例:スカパー4K体験、スカパー4K総合)詳しくは、お使いの機器のメーカーにお問い合わせください。
とありますし、チューナーを販売するメーカーの一つ、アイオーデータは製品ページで"BS 4Kや110度CS 4Kの番組を録画できるレコーダーへと進化。新4K衛星放送の美しい映像を、そのままの画質で録画できます"と書いている一方で商品概要には"放送局側の指定による録画禁止番組の録画はできません。"とも書いています。これは間違いなく4K8K放送は録画禁止フラグを持った放送として許可されており、おそらく最初のうちは一時保存くらいは可能でしょうが、ある程度普及したある日突然全部の番組の録画ができなくなる放送になることができる、ということです。その口実は「現在は録画する人は少なくなり(その理由が規制にあることはもちろん口にせずに)、代わりに配信で映像サービスを楽しむのが主流になっている。だから録画は禁止しても代わりに配信を有料で行えば全く支障はない」ということになるのではないでしょうか。もちろん配信の受信には4K対応チューナーが必須になるでしょう。

過去の実績からしてこうした扱いになる可能性が大いにある4K8K放送の導入予定は、すでに書きましたがわたしにはもちろんありません。ちなみに4K8K放送はA-CASなる専用チップを必要とする暗号解除がないと映像や音声が取り出せない仕様になっており、デジタル放送の時のような革命がおこることはありません。技術的にできたとしてもB-CASの時と比べれば違法扱いはたやすくできるでしょうし。相変わらず2020年のオリンピックまでに普及率50%になる、と総務省もマスコミも口にして宣伝していますが、少なくともわたしは普及の敵に回ります。最近の携行から実態をとらえなくても平気で数字の水増しくらいはしてくるでしょうから発表だけならおそらく2020年に普及率50%とするのでしょう。もっとも、総務省の望む姿であるオリンピックを利用して日本の4K8K放送の方式を(録画禁止・規制の除いて)海外に売り込む力になるかは大いに疑問ではありますが。

追記:最初日本放送協会のことを少し書いたのですが、荒れる危険性を考慮して削除しました。ご了承ください
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8Kチューナー11月に登場、ただし汎用性なし

2018-09-12 22:52:39 | 次世代ビデオへの懸念
当ブログでは原則4K8K放送の件は最低限にしか扱わないことにしているのですが、これは取り上げてもいいでしょう。11月に始まるとされている8K放送を受信できるチューナーが、シャープから発売されることになりました。

世界初、新4K8K衛星放送対応『8Kチューナー』を開発(シャープ公式)


初の8Kチューナー、シャープが開発 HDMIケーブル4本で接続


シャープは数少なくなった日本でテレビを販売できるメーカーの中で一番8Kに関心を持っているように見えるメーカーです。昨年は70型と常識を超えたサイズながら8K解像度対応のテレビを発売していますので、それで8K放送が視聴できる手段がないのは困る、ということで発売に踏み切ったのでしょう。8K以外にBSや110度CSの4K放送も受信可能となっていますが、従来BS/110CS放送に関しては触れられていないため、おそらくはできないものと思われます。それにしても接続がすごい。なんとHDMIを4本です。一応8Kを想定したHDMI規格2.1は昨年作られましたのでそれを使えばいいのかも知れませんが、昨年発売した8Kテレビには間に合っておらずそれにつなげることが前提であるため、4Kまでしか対応していないHDMIを4本(縦横解像度とも二倍なので計四倍)使う必要があったのでしょう。これから発売されるだろう8KテレビはおそらくHDMI2.1対応になるでしょうから、本チューナーは事実上シャープの現役8Kテレビ専用の、汎用性の全くないものになるでしょう。ひょっとしたらダウンコンバートして4Kに落として他のテレビでの視聴も可、なのかも知れませんが、そんな機能があるのならおそらく発表しているでしょうから、出来ない可能性の方が高いと思われます。
さらに言えばitmediaの記事内において「外付けHDDへの録画は未定」となっています。これはおかしい。「未定」ということは機能的にはできるようにしてある、おそらくUSB端子はついているでしょうし、ダブルチューナーなのですから最低限裏番組の録画は想定して設計しているはずです。にも拘わらず、8K放送のみならず4K放送においてすら録画できることを明言しないということは、情報こそ全く出ていないもののやはり「録画禁止放送」になる可能性は十分ある、ということなのではないでしょうか。あるいは内蔵HDDへの一時キャッシュ以外の録画手段すべて禁止になるのかも知れません。デジタル放送によって録画規制が定着していると勘違いしている映像業界ならばそれくらいやってきても全く不思議ではありません。

とりあえずチューナーだけ買って適当なテレビで8Kの放送だけ視聴する、などには使えない汎用性のほとんどないチューナーになっている公算が高いこのチューナー、おそらく買う人はほとんどいないでしょう。テレビ売り場や8k放送のサンプルとして使用される業務用が主なターゲットではないでしょうか。これでも、オールジャパン体制で目指している「2020年までに4K8Kテレビの50%普及」への大きな一歩なのかも知れません。
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