あしたはきっといい日

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ウチナーへ

2008-12-08 20:48:02 | つれづれ
沖縄には憧れを持っているものの、まだ一度も訪れたことはない。1人で行くのも寂しいのか、1人でないとだめなのかと迷っていることを口実にしているが、要は決断力がないだけだ。

そんな、沖縄への関心を高めるきっかけとなったものの中で大きなものが、坂手洋二さん作、栗山民也さん演出の二つの演劇、『海の沸点』と『ピカドン・キジムナー』だ。
前者は読谷村に住む知花昌一さんをモデルにした作品だ。上演当時、沖縄では米兵による少女への暴行事件をきっかけに、反基地運動が盛んとなっていて、知花さんは反戦地主として、「象のオリ」と呼ばれた米軍の通信施設の敷地の返還要求に取り組んでいた。
遠く離れた地での出来事に憤りを感じていた僕は、この舞台のことを知り急いでチケットを買い求めた。
自分でチケットを買って行った初めての芝居だったが、今でも演劇に関心を持つ原点はここにある。

もう一つ、『ピカドン・キジムナー』を観に行ったのはは、そんな余韻が四年も残っていたからだ。坂手さんの視点と、栗山さんの表現に惹かれたのもある。

この2作と、『沖縄ミルクプラントの最后』の3本をのシナリオを収録した文庫本が出版されると知り、迷わず買い求めた。
特に、実際に劇場に足を運んだ2作を読んでいると、あのときに感じた思いが蘇ってきた。『海の沸点』では、岡本健一さん演じる青年がガジュマルの木に登り、そして消えていくシーンが、そして『ピカドン・キジムナー』では「」キジムナー屋敷と呼ばれる小屋の前の井戸の青い水や、寺島しのぶさんと益岡徹のやりとりが思い出された。

あとがきを読んで、「象のオリ」が壊されたのを初めて知った。あの頃より沖縄への関心は確実に下がっている。亡くなられた筑紫哲也さんのせいにはできないが、いつの間にかそんな視点や関心をを失ってしまったようだ。

だが、この本をきっかけにまた関心が蘇ってきた。海の青さだけでなく、沖縄の悲しみをも共感できる人と、是非訪れてみたいと、改めて思った。そう、一人ではなくね。だって、それはさみしーさー…

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