はじめから短い旅程とわかっていたが、ここに来て旅を楽しむうちに「短い」という気持ちは強まっていった。だが、今回は旅行に来ることが一番の目的だったので、その思いを次の旅行につなげられたらいい。
さて、この日は朝から自転車を借り天安門広場に向かった。日の出の時間にここで国旗が掲揚されるというのを、前日故宮を訪れた時に知った。せっかくだからそんなセレモニーを見てみたいと思ったが、それにしても寒い。まだ月が輝いている時間なので、日向に逃げ込むこともできない。自転車で風を切って走っていると余計に寒い。だが、知らない街を走っていると、それだけで楽しい。そして、それが日本でなく外国だということを実感すると、余計に楽しくなる。


天安門広場には既に大勢の人が集まっていた。少し遠いところに場所を取り、その時間を待っていた。だんだんと明るくなっていく空に、紅い旗がだんだんと上っていく。その光景を、旅人である僕は単に景色として眺めていたが、一緒に集まっていた中国の人たちはどんな気持ちでその旗を見上げていたのだろう。

その後、近くにある前門の前に広がる街並みに入ろうとしたが、警備員の人に止められた。自転車は進入禁止らしい。実は、自転車を走らせている間に鍵を無くしてしまったらしく、鍵を掛けずに止めて置くわけにもいかずに途方に暮れた。だが、良いか悪いかは別としてそれでは気が済まず、界隈の自転車店さんを探してみた。

そうやって街を走り回るのを楽しんでいたのかもしれないが、程なくしてお店を見つけた。言葉は通じなかったが、自転車の鍵を無くしたことやその鍵が欲しいといったことを身振り手振りで伝えようとしたら、何とか伝わったようで、おばさんはその鍵を出してきて、あれやこれやと説明してくれた。そう、鍵は2つ付いていて、離して持って行くよう注意をしてくれた。
ようやく自転車を止め前門前の街並みを歩いてみるが、やはり朝早かったからだろうか、開いている店はごくわずかだった。その後、あちこち自転車を走らせたものの、帰りの時間は迫っていたので、ほどほどのところで折り返した。

しばらくして、朝飯を食べていないことを思い出し、城壁の残る道路沿いに売店を見つけ、クレープのようなものをいただいた。これもおいしかったが、最後まで香菜に悩まされてしまった。おばさん、量をどうするか尋ねてくれたので「少し」と身振りをし、実際に少ししか入れてもらわなかったのに…

ホテルに戻り、身支度を整えてから部屋を出た。寂しいが、また来ればいいと思えばいいだろう。ちょうどフロントにマレーシアから来たというビジネスマンがいて、簡単な英語で会話した。僕のレベルに合わせてくれたのは間違いない。彼は中国国内をあちこち回っていて、この後にまた別の都市に向かうという。そんな人とのわずかな会話も旅の楽しみだ。
記念にフロントでスタッフの方の写真を撮らせてもらった。こじんまりしているが温かい宿だった。

ホテルを後にし、来る時と同じ道を逆に辿っていく。来る時はタイムマシンで過去に向かうように流れて行った景色は、逆の道のりでは時間を早回しにした感じと言ったらいいかな。



そんな気持ちを胸に地下鉄に乗り込んだ。次の駅でお母さんと一緒に乗り込んできた少年が僕に札束を突出してきた。何の意味だかわからないが、笑顔の少年に笑顔を返した。乗り換え駅では何組かの母子が床に座り込んでいた。カメラを持っていた僕に興味を持って声を掛けてくれたが、身振り手振りでごまかしてしまった。やっぱり話ができたら良かったな。彼女たちの生き生きとした笑顔を撮りたかったな…

チェックインを済ませ、職場へのお土産を買いお茶を飲んで出発を待った。日本を出るのが遅れたらしく、折り返しの出発時間も遅れていた。もう少し早く知っていたらゆっくりしたのにと思うが、いずれにしても永遠ではない。そうこうしているうちに飛行機が到着し、慌ただしく機内に乗り込んだ。

帰りは何の心配もせずに済むからか、食事の際にワインをいただいた。食事を終えると眠ってしまったらしく、着陸態勢に入るところで目が覚めた。


こうして、僕の初めての海外旅行は終わった。
偶然かもしれないが、事前に思っていたほど心配することはなかった。時には疑った方がいい場面もあったが、市井の人々は皆やさしい。
直後に国内旅行に行ったが、国内も国外も、その土地の人たちとの触れ合いが楽しい。それは、どこに行っても変わらない。
消化不良となった北京には、近いうちにまた訪れたいと思う。その時までに、片言でも中国語を話すことができるようにしよう。そして、その他の地域にも行ってみたい。もちろん、先立つものは必要だが、そのためにコツコツ貯めておこう。
改めて、中国で出会ったたくさんの人たちに、ありがとう!

さて、この日は朝から自転車を借り天安門広場に向かった。日の出の時間にここで国旗が掲揚されるというのを、前日故宮を訪れた時に知った。せっかくだからそんなセレモニーを見てみたいと思ったが、それにしても寒い。まだ月が輝いている時間なので、日向に逃げ込むこともできない。自転車で風を切って走っていると余計に寒い。だが、知らない街を走っていると、それだけで楽しい。そして、それが日本でなく外国だということを実感すると、余計に楽しくなる。
天安門広場には既に大勢の人が集まっていた。少し遠いところに場所を取り、その時間を待っていた。だんだんと明るくなっていく空に、紅い旗がだんだんと上っていく。その光景を、旅人である僕は単に景色として眺めていたが、一緒に集まっていた中国の人たちはどんな気持ちでその旗を見上げていたのだろう。
その後、近くにある前門の前に広がる街並みに入ろうとしたが、警備員の人に止められた。自転車は進入禁止らしい。実は、自転車を走らせている間に鍵を無くしてしまったらしく、鍵を掛けずに止めて置くわけにもいかずに途方に暮れた。だが、良いか悪いかは別としてそれでは気が済まず、界隈の自転車店さんを探してみた。
そうやって街を走り回るのを楽しんでいたのかもしれないが、程なくしてお店を見つけた。言葉は通じなかったが、自転車の鍵を無くしたことやその鍵が欲しいといったことを身振り手振りで伝えようとしたら、何とか伝わったようで、おばさんはその鍵を出してきて、あれやこれやと説明してくれた。そう、鍵は2つ付いていて、離して持って行くよう注意をしてくれた。
ようやく自転車を止め前門前の街並みを歩いてみるが、やはり朝早かったからだろうか、開いている店はごくわずかだった。その後、あちこち自転車を走らせたものの、帰りの時間は迫っていたので、ほどほどのところで折り返した。
しばらくして、朝飯を食べていないことを思い出し、城壁の残る道路沿いに売店を見つけ、クレープのようなものをいただいた。これもおいしかったが、最後まで香菜に悩まされてしまった。おばさん、量をどうするか尋ねてくれたので「少し」と身振りをし、実際に少ししか入れてもらわなかったのに…
ホテルに戻り、身支度を整えてから部屋を出た。寂しいが、また来ればいいと思えばいいだろう。ちょうどフロントにマレーシアから来たというビジネスマンがいて、簡単な英語で会話した。僕のレベルに合わせてくれたのは間違いない。彼は中国国内をあちこち回っていて、この後にまた別の都市に向かうという。そんな人とのわずかな会話も旅の楽しみだ。
記念にフロントでスタッフの方の写真を撮らせてもらった。こじんまりしているが温かい宿だった。
ホテルを後にし、来る時と同じ道を逆に辿っていく。来る時はタイムマシンで過去に向かうように流れて行った景色は、逆の道のりでは時間を早回しにした感じと言ったらいいかな。
そんな気持ちを胸に地下鉄に乗り込んだ。次の駅でお母さんと一緒に乗り込んできた少年が僕に札束を突出してきた。何の意味だかわからないが、笑顔の少年に笑顔を返した。乗り換え駅では何組かの母子が床に座り込んでいた。カメラを持っていた僕に興味を持って声を掛けてくれたが、身振り手振りでごまかしてしまった。やっぱり話ができたら良かったな。彼女たちの生き生きとした笑顔を撮りたかったな…
チェックインを済ませ、職場へのお土産を買いお茶を飲んで出発を待った。日本を出るのが遅れたらしく、折り返しの出発時間も遅れていた。もう少し早く知っていたらゆっくりしたのにと思うが、いずれにしても永遠ではない。そうこうしているうちに飛行機が到着し、慌ただしく機内に乗り込んだ。
帰りは何の心配もせずに済むからか、食事の際にワインをいただいた。食事を終えると眠ってしまったらしく、着陸態勢に入るところで目が覚めた。
こうして、僕の初めての海外旅行は終わった。
偶然かもしれないが、事前に思っていたほど心配することはなかった。時には疑った方がいい場面もあったが、市井の人々は皆やさしい。
直後に国内旅行に行ったが、国内も国外も、その土地の人たちとの触れ合いが楽しい。それは、どこに行っても変わらない。
消化不良となった北京には、近いうちにまた訪れたいと思う。その時までに、片言でも中国語を話すことができるようにしよう。そして、その他の地域にも行ってみたい。もちろん、先立つものは必要だが、そのためにコツコツ貯めておこう。
改めて、中国で出会ったたくさんの人たちに、ありがとう!
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