手話通訳者のブログ

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コーディネーターの苦悩

2016-02-21 06:13:28 | 手話
わけのわからん規則(運用ルール)に苦しめられている人は誰か。
実は、申請者や手話通訳者以上に、コーディネーターが苦しんでいる場合もある。
上司からは理解しがたい規則を押し付けられ、申請者や手話通訳者からは「そんなアホなルールに従えるかい!」と食いつかれる。


「たいしさん、急なことですみません。今夜、7時30分からなのですが、通訳お願いできませんか」
あのなあ、いつも、言ってるやろ? 今、仕事中なんやで。場所もわからんのに、答えようがないやんか。
「すみません、規則なので・・・お願い、できませんか?」
あのなあ・・・“市内”ということしかわからんのに、どうやって判断するんや。今、夕方の5時やで。1時間で仕事を切り上げたとして、移動に使える時間は最大1時間半。市内の一番不便なところだったら、ギリギリや。おまけに、今の状況で何時に仕事を切り上げることができるか、予想しにくい。
「うーん・・・じゃ、あの、内緒で、場所を言います・・・駅裏です」
なんだ、近いやんか。ほな行くわ。
「ありがとうございます!」

派遣者から突然電話がかかってきて、しかも、通訳実施は当日。こういう場合はほぼ100%、「わけあり通訳」である。
だから、電話を受ける通訳者もピンときて、なんとか都合がつく場合でも、
「いやあ、突然言われても都合がつきません」
とか何とか言って逃げてしまう。
こういう「わけあり案件」の手話通訳者を決めるのは大変だ。電話の声のトーンで、コーディネーターの必死さが伝わってくる。
嫌われ者の「たいし」も、こういう時だけは、感謝される。



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