台南・ダイアリー

台湾の台南市で3年、新竹市で2年駐在して、色々な所へ行ったり美味しいものを食べたりしました。

中華料理之食事作法其之弐

2005年03月03日 | 生活情報


さて今日は、前回の続きで
” 中華料理の食事作法 ” について書く。

今回の話題は、下の2項目だ。

(3)料理の取り方
(4)料理の食べ方

前にも書いたけど、
このダイアリーを読んでいるような人にとっては、
” 常識 ” みたいなことかも 知れないけど、
とりあえず、知ってることを 整理する
という意味で 読んでみるといいゾ。

それから、
今日 記事の上の方に 貼ってある写真は、
食事の作法とは 全然関係ないもので、
オレが以前、休日になるとよく散歩に行った
孔子廟前の、路地の様子だ。
” お宮の前の、お土産屋さんがある参道 ”
っていう感じかな。

” 保哥黒輪 ” というおでんやさんとか、
小さなお寺の前には、細いらせん階段でしかいけない
” 緑屋 ”
っていう、オレのお気に入りの、食堂もある。
緑屋の3階は、露天になっているので、
天気の良い午後は、孔子廟を散歩したあとここに来て
風に吹かれてビールを飲むと 最高に気持ちがイイ。





(3)料理の取り方

前回の(2)で説明した要領で、注文した料理が来たら、
いよいよ回転台の上の料理を、自分の取り皿に取ってみよう。

中華料理では、取り皿とか、お椀は、
普通は、一時には、一人一つずつしか用意されない。
しかしこれは、
料理を食べて汚れたら、給仕の人が、どんどん取替えてくれる
という意味だから 何も問題ない。

「 味が違うものを取るんだから、取り皿は2枚も3枚も必要だ。 」
なんていうのは、
回転台の上にある みんなの料理を、
その時に自分が食べる分だけ じゃなくて、
何種類も 自分の前にキープしたい
- っていう意味になってしまって、はしたない感じがする。

料理は、大抵一品ずつ出て来ると思うが、
一度にどばっと来たときは
でかい皿ほど テーブルの中央に置くのが 基本だ。

料理を取る順番は、本当に正式の作法なら、
接待者が 先に少し食べてから、客人に薦めるんだが
( 食べ物に問題はありませんよ - のデモンストレーションだ )
今では、普通は上席者から、順に料理を取っていくのが普通だ。

料理を取るときには、
ちょっと前までは 個人個人の箸で取るのが 普通だったが、
SARS の騒ぎがあってからは、
それぞれの料理に 取り箸を付けてある場合も 多い。
取り箸があれば、それを使い、
無ければ 自分の箸を使えばよい。

とりあえず、
全員がひとわたり料理を 取り終わる前は、
どんなに 美味しそうな菜でも、思いっきり がめたりせずに、
目分量で、一人分の量を超えないように、料理をとるようにしよう。
みんながひとまわり取った後に、たくさん残っていたら、ラッキー!
好きなだけ 取っていいぞ。

あと、料理を自分の皿に取るときに、
変な場所から取って キレイな盛り付け状態を、
台無しにしないように 注意しよう。
でも、丸ごと一匹の料理で、
魚の清蒸とか、アヒルのローストとかだったら、
食べていくうちに、いつかは、
仕切り役の人が、裏返したり ばらばらにしたり しなくてはいけない。
みんなも、料理をうまくさばける自信があったら、
積極的に仕切ってみよう。

魚の丸ごとの食い方で注意を二つする。

一つは、
表を食ったあと 裏返すのは、禁止だってことだ。
” 船が転覆する ” 意味になって、縁起がわるい所作だからね。

もう一つは、
頭の部分は、上席者から 食うべきものなんで、
若ぞうが、黙って真っ先に 手をつけたりしてはいけないっていうこと。

結構、ビジネスの食事の時も、気がつかないで
顰蹙をかっている日本人が 多いぞ。


(4)料理の食べ方

ここでは、料理の食べ方ということで、
一番重要な、箸の使い方の話をする。
最初に 箸の取り上げ方 の説明をするんで、
まずは、下の写真を見てみてくれ。



中華料理では、
食事を開始するときの、箸のセッティングが 日本とは違う。

箸は 上の写真のように、
先が向こう側、持つ方が手前側になるように
食器の右側に、縦におかれている。
ちなみに、日本みたいに、
自分の前に 横向きに箸を置いたら
それは 食事が終わったヨ という意思表示だ。

日本では、箸を取り上げるときは
両手で取り上げて、右手に持ちかえるのが
小笠原流 ( ? ) だと思うが、
中華料理では、右手だけを使って、さっと持ち上げる。
下の連続写真で 要領を説明するから、参考にしてくれ。

(1)


(2)


(3)


(1)
まず、箸に 手をかけるんだが、
このとき、親指をは曲げて 拳の中に握りこむような感じで、
箸の右側からアプローチする。
そして、親指以外の2指か4指は、箸の左側に持っていって
親指に押し付けるようにして、箸をつかむ。

(2)
箸をつかんだら、拳を立てるような感じで、手を上向けていく。

(3)
最後に、てのひらを返したら、中華風箸の取り上げの完成。
な、日本とやり方が全然違うだろ!


取り上げ方以外の、箸の使い方は、殆んど日本と同じ。
” ねぶりばし ”
” うろうろばし ”
” さぐりばし ”
なんていうのは、全部タブーだ。

あと、気をつけた方が良いのは、
食事中に箸をきちんとおくと、
” 食べ終わりました ” のサインになるので、
その後、また食い始めると、意地汚い感じがする っていうこと位かな。


箸のつかい方以外は、大概、
日本料理や、西洋料理の作法と同じだ。

韓国と違って、
茶碗や皿を 左手で持って 持ち上げても良いし、
ナプキンがあったら、二つ折りにして
折り目が自分の方に来るように、ひざの上に置く。

食べるときに、
ぐちゃぐちゃ、ずーずー 音を立てないようにするのは、
日本以外の 世界に共通のマナーで、
台湾の人も子供の頃から、家庭で教育されている。
( 日本だって、日本蕎麦を江戸っ子が食べるときと、
  お茶会で 抹茶を飲むとき以外は、あまり音は 立てないはずだけどね。 )

まぁ、ヨーロッパとかアメリカほど うるさくないから、
食べ物を口に入れるときに、
空気を吸い込みながら 入れないように気をつけて、あとは、
口を空けたまま、食い物をかんだりしないようにしたら、
それで良いだろう。


さて、すごく長くなってしまったが、
最後に、先回のラストで書いた 飛行機内でのエピソードに出会って、
オレが考えた、食事の作法のあり方について、簡単にまとめる。

まずオレは、食事の作法の主な目的は何か、
と考えるとき、やっぱり
” 他人に不快感を与えないようにする ”
ということしか ないんじゃないか思う。

例えば、オレは上の説明で、中華料理の箸の取り上げ方を
くどくど説明したが、
こんなことを、横浜の中華街に日本人同士で行ったときに やったら、
ただの知ったかぶりで、嫌味になるだけで、
作法でもなんでもない。
それに、日本蕎麦だからっていって、国際線の飛行機のなかで
” ズズズーッ ” って デカイ音で蕎麦をすするのも
はた迷惑ってもんだ。

要は、食事の作法っていうのは、
何を食うかで 決まるんじゃあなくて
まわりの状況を思いやることで、どうするかが 決まるっていうことだ。

それと、オレは食事の作法には、二つのレベルがあると思う。
一つは、他人に不快感を与えないために、必ず守るべきレベル。
そしてもう一つは、自分が 変なヤツ と思われたくない時だけ、
守るべきレベルだ。

例えば、
” メシ食ってるときに汚い話をする ”
なんていうのは、他人に不快感を与えるから、
絶対に してはいけないレベルに 属することだが、
前にちょっと話をした、
” 台湾で 小籠包をおかずにして チャーハンを食べる ”
なんていうのは、変な人と思われたって、自分が好きなら
別に やっても全くかまわない様な レベルに属することだとだろう。

だが、そういうことになると、
前回と今回、オレが くどくどくどくど 書いてきた
” 中華料理の食事作法 ”も、 その大半が、
” 変な人と思われても かまわなければ、守らなくてもよいこと ”
のレベル分類に入ってしまうゼ。

な~んだ、この2回は、
他人の目がすごく気になるような 小心者のための 解説だったのか!
- って違うヨ。
最初から言ってるだろ。
「 これは、知識の整理のための解説だ。 」って。
守る/守らない、は全部みんなの勝手なんだ。


- ということで、オレの食事作法の話はおしまい。


今回は、本当に長くなっちまった。
つまんない話を 最後まで読んでくれたみんな、
どうも、ありがとう。

それじゃまたネ♪



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4 コメント

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魚をひっくり返す・・・・ (九九)
2005-03-06 19:54:40
魚を引っくり返してはいけないというのは船に乗る漁師の作法で地域性のある作法(たとえば東港など)だと思いますが。。。
返信する
九九さんへ (kool_tada)
2006-05-04 12:22:04
はじめまして、



九九さんのご指摘、kool_tada としては、大変興味があります。

「魚をひっくり返してはいけない-は漁師の習慣。」

という意見は、kool_tada も実は何回か聞いたことがあります。

そして最近、そのことばを聞くときに一つの共通点があるような気がし始めてきました。



- つまり、”魚をひっくり返さない”

という食事作法(餐桌禮儀)は、大陸北部発のものなのでは無いかということです。

この作法を強調する、殆んどの友達が、今までの所、外省系の人たちで、

「そんなのは漁師だけの作法だろ。」

という友達が、実は殆んど福建省出身の人たちでした。



このことには、今の所何の確証もないのですが、

とりあえず、参考として、このマナーに関係するような情報が得られる、2~3のサイトを下に紹介しますので、お時間が御有りの時には、ご参照してみてください。 

kool_tada もこのことについては引き続き調べてみて、何かおもしろい情報が得られれば、

このBLOGの上で紹介していくつもりです。



https://www.cleanup.co.jp/ir/pdf/inout13.pdf

http://tw.knowledge.yahoo.com/question?qid=1005021604814

返信する
魚はひっくり返さない (中鎮)
2006-05-08 10:31:32
こんにちは。

中華料理の作法については全く知りませんが、以前中国大陸に駐在していたとき、ローカルスタッフに何度となくこの話は聞きました。

どうしてなのか聞いたところ、やはり”船が転覆する”からということでした。

私の駐在していたところは、南京の隣の揚子江沿いにある香醋で有名な鎮江というところでした。上海にもよく出張していたのですが、上海のスタッフも同様のことを言っていました。
返信する
中鎮 さんへ (kool_tada)
2006-05-10 19:48:30
中鎮 さん、



南京と上海の人も魚をひっくりかえさないという情報ありがとうございました。



別の話ですが、先日膨湖島へ行った時、

安いツァーで行ったので食事に出てくる魚がみんなすごく小さくて、

ひっくり返さないようにするのに四苦八苦しながら食べていたら、

「あんた! そんな小さい魚、ひっくり返してもいいのヨ!」

なんて、同席のおばあさんに言われてしまいました。

- ということで、

どうも、魚も小さければひっくり返しても良いみたいです。



また、マナーについても面白い話があったら報告します。

お時間がお有りの時には、このBLOGもチェックしてみてください。



では失礼いたします。
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