「真相報道 バンキシャ!」は、日テレ・読売らしくないつっこみ方でそこそこ好感の持てる番組だったと思う(そんなに見てないけど)。
今、謝罪文が載っている。
あっという間に消えるだろうから全文引用。
2008年11月23日の放送について
去年の11月23日に
全国の自治体の裏金問題について放送しましたが、
4つの自治体のケースを紹介する中で、
岐阜県庁の職員に200万円の裏金が振り込まれたという内容を
建設会社の元役員の証言としてお伝えしました。
しかし新たに行った日本テレビの取材に対し、
元役員は証拠とした銀行の送金記録は自ら改ざんしたもので
岐阜県庁側に裏金を送金した事実はなかったと証言を翻しました。
放送の2か月後、元役員は、岐阜県庁とは関係のない
岐阜県・中津川市の係長の公金詐欺事件の共犯として逮捕・起訴されました。
中津川市の事件は、市役所の係長が別の業者に発注した架空の公共工事の代金を、
元役員を通じて還流させたもので、
元役員は、この事件の構図を岐阜県庁の話に置き換えて話したと証言しました。
また、架空名義の銀行口座を裏金作りに使ったとしていましたが、
この口座も県とは関係なく、市役所の事件で使ったものだったと証言しました。
なお、岐阜県は証言者を偽計業務妨害罪で告訴しています。
視聴者のみなさん、岐阜県庁、並びに岐阜県議会のみなさんに
大変ご迷惑をお掛けしました。
既に色々言われているように、この謝罪文は、全く謝罪になっていない。
自分たちも被害者だと言わんばかり。
この手の報道番組に良くある匿名の証言者の信憑性というのを、本気で信じている人の方が少ないかも知れない。
「やらせ」だろうという疑い。
しかし、今回は現代日本の役所が相手だから、やらせではすまされない。
反論があるのは当然だ。
単純な話。
「裏を取る」と言うことを怠っている。
もう随分前の話のようだけれど、天晴れ門前塾の成果報告会(3/6)が、静岡新聞に掲載された(2009.03.10 朝刊 18頁)。これも全文引いておこう。
「社会」学んだ成果披露-葵区で県内学生が発表会
県内の学生が集い、社会人を講師に社会について学ぶ「天晴れ門前塾」の成果発表会がこのほど、静岡市葵区で開かれた。学生スタッフが運営する「市民と静大共同企画講座をすすめる会」(通称アッパレ会)が主催した。
学生約二十五人が、「限界集落と女性」「新聞記者の世界」などのテーマごと五グループに分かれ、四カ月間の活動で感じたこと、学んだことを発表した。
人材コンサルタントのキャリア・クリエイト(同市)代表取締役、杉山孝氏が講師を務めたチーム「駿生山組」は、会社経営者や企業の人事担当者へのインタビューを通じ、自分たちなりの「キャリア」の概念を模索した。
さまざまな視点を持つことの重要さを学んだ学生は「キャリアとは何か」との問いに対し、「人生そのもの」「積み重ね」などと発表した。
発表後にはグループごとにブースを設け、写真などを使って研究内容を詳しく説明した。
一見何の問題もない(し、面白くもない)取材記事なのだが、主催関係に事実誤認がある。
学生スタッフが運営する「市民と静大共同企画講座をすすめる会」(通称アッパレ会)が主催した。
とある部分、去年の静岡新聞では
同塾は「市民と静大・共同企画講座をすすめる会」(通称・アッパレ会)の学生 スタッフが運営し、県内の大学から参加者を募った。
となっている。
恒例行事を前年の記事データベースをテンプレートにしないで記事にした記者は偉いと言うべきなのかも知れないし、正直アッパレ会と門前塾の関係をちゃんと理解している人は、出発点で関わったほんの一握りの人に限られる気がする。
それは認めるけれど、それにしても、ちゃんと取材してないからこういう事になる。
門前塾の発表会の中に、同じ静岡新聞の元記者という人が“組長”を務めたグループがあって、“学徒”たちが作ったインタビュー記事が配られた。“組長”さんが指導し、「新聞記者合格」と太鼓判を押したもの。
しかしここにもまた事実誤認がある。
このグループは、新聞記事の出来るまでを寸劇仕立てで見せてくれたのだけれど、やっぱり記者クラブからスタートしている。
「バンキシャ」もそうだけれど、発表とリークしか取材源はないのか知らんと思う。
私はジャーナリストに憧れていた。
で、研究者になって、やっぱり、調べて、まとめて、書く仕事をしている。
そのなかで、まず、問題点、テーマは自分で決める(実際、私の扱うテーマの殆どは先行研究など存在しない)し、他人の論文は裏を取る。
当たり前のことだ。
ジャーナリストは、ずっと、あこがれの人で居て欲しい。
岸田吟香と本多靖春が好きです。
偉そうなことを言うけれど、私は、今はもう研究者としては終わってしまったかなぁ、と思わないでもない。
しかし、教師としては新しいことに取り組んで、今年度はそれなりに自信の持てる成果も上げたと思っている。それにしても、私の思いの通じない学生も居るのは否定しがたい事実で、教師としてのコニタももう終わってしまった感がある。ゼロから再出発しないと。
成功も挫折もあるけれど、やっぱりプロの仕事をしていたい。
全く関係ない話のようだけれど、今日読んだある文章にひどく感動した。
しょせん高校生のお芝居と考えて見に来なかった人たちは、きっと後悔をすることでしょう。御覧になった方は、十数年後に、ああ、二一世紀の演劇はここから始まっていたのだなと振り返って、たいへん得をした気分になるでしょう。 平田オリザ「『転校生』について」
この気迫。
仕事をするならこうありたい物。
我田引水を承知で、この文章は、私がハリストス正教会イベントについて書いたことと、少し似ている。これやら、そしてこれやら。
勿論、スケールは全然違うけれど。
静岡版『転校生』が再演される。
フェスティバル・トーキョーでも上演される。
これは確かに事件だ。
今回は、スノドカフェ企画で、みんなで劇評を書くらしい。
どういう進め方なのか判らないけれど、それも含めて楽しみにしている。
そこでもまた、表現が問われている。
前の記事でリンクした、この辺、予習にいいかもね。
あぁ、表現者と言えば、「音声言語・文章表現Ⅰ」の成果報告書の校正がやっと届いた。
ここにある気迫。
みんな凄いね。
それが何より嬉しい。
今、謝罪文が載っている。
あっという間に消えるだろうから全文引用。
去年の11月23日に
全国の自治体の裏金問題について放送しましたが、
4つの自治体のケースを紹介する中で、
岐阜県庁の職員に200万円の裏金が振り込まれたという内容を
建設会社の元役員の証言としてお伝えしました。
しかし新たに行った日本テレビの取材に対し、
元役員は証拠とした銀行の送金記録は自ら改ざんしたもので
岐阜県庁側に裏金を送金した事実はなかったと証言を翻しました。
放送の2か月後、元役員は、岐阜県庁とは関係のない
岐阜県・中津川市の係長の公金詐欺事件の共犯として逮捕・起訴されました。
中津川市の事件は、市役所の係長が別の業者に発注した架空の公共工事の代金を、
元役員を通じて還流させたもので、
元役員は、この事件の構図を岐阜県庁の話に置き換えて話したと証言しました。
また、架空名義の銀行口座を裏金作りに使ったとしていましたが、
この口座も県とは関係なく、市役所の事件で使ったものだったと証言しました。
なお、岐阜県は証言者を偽計業務妨害罪で告訴しています。
視聴者のみなさん、岐阜県庁、並びに岐阜県議会のみなさんに
大変ご迷惑をお掛けしました。
既に色々言われているように、この謝罪文は、全く謝罪になっていない。
自分たちも被害者だと言わんばかり。
この手の報道番組に良くある匿名の証言者の信憑性というのを、本気で信じている人の方が少ないかも知れない。
「やらせ」だろうという疑い。
しかし、今回は現代日本の役所が相手だから、やらせではすまされない。
反論があるのは当然だ。
単純な話。
「裏を取る」と言うことを怠っている。
もう随分前の話のようだけれど、天晴れ門前塾の成果報告会(3/6)が、静岡新聞に掲載された(2009.03.10 朝刊 18頁)。これも全文引いておこう。
県内の学生が集い、社会人を講師に社会について学ぶ「天晴れ門前塾」の成果発表会がこのほど、静岡市葵区で開かれた。学生スタッフが運営する「市民と静大共同企画講座をすすめる会」(通称アッパレ会)が主催した。
学生約二十五人が、「限界集落と女性」「新聞記者の世界」などのテーマごと五グループに分かれ、四カ月間の活動で感じたこと、学んだことを発表した。
人材コンサルタントのキャリア・クリエイト(同市)代表取締役、杉山孝氏が講師を務めたチーム「駿生山組」は、会社経営者や企業の人事担当者へのインタビューを通じ、自分たちなりの「キャリア」の概念を模索した。
さまざまな視点を持つことの重要さを学んだ学生は「キャリアとは何か」との問いに対し、「人生そのもの」「積み重ね」などと発表した。
発表後にはグループごとにブースを設け、写真などを使って研究内容を詳しく説明した。
一見何の問題もない(し、面白くもない)取材記事なのだが、主催関係に事実誤認がある。
とある部分、去年の静岡新聞では
同塾は「市民と静大・共同企画講座をすすめる会」(通称・アッパレ会)の学生 スタッフが運営し、県内の大学から参加者を募った。
となっている。
恒例行事を前年の記事データベースをテンプレートにしないで記事にした記者は偉いと言うべきなのかも知れないし、正直アッパレ会と門前塾の関係をちゃんと理解している人は、出発点で関わったほんの一握りの人に限られる気がする。
それは認めるけれど、それにしても、ちゃんと取材してないからこういう事になる。
門前塾の発表会の中に、同じ静岡新聞の元記者という人が“組長”を務めたグループがあって、“学徒”たちが作ったインタビュー記事が配られた。“組長”さんが指導し、「新聞記者合格」と太鼓判を押したもの。
しかしここにもまた事実誤認がある。
このグループは、新聞記事の出来るまでを寸劇仕立てで見せてくれたのだけれど、やっぱり記者クラブからスタートしている。
「バンキシャ」もそうだけれど、発表とリークしか取材源はないのか知らんと思う。
私はジャーナリストに憧れていた。
で、研究者になって、やっぱり、調べて、まとめて、書く仕事をしている。
そのなかで、まず、問題点、テーマは自分で決める(実際、私の扱うテーマの殆どは先行研究など存在しない)し、他人の論文は裏を取る。
当たり前のことだ。
ジャーナリストは、ずっと、あこがれの人で居て欲しい。
岸田吟香と本多靖春が好きです。
偉そうなことを言うけれど、私は、今はもう研究者としては終わってしまったかなぁ、と思わないでもない。
しかし、教師としては新しいことに取り組んで、今年度はそれなりに自信の持てる成果も上げたと思っている。それにしても、私の思いの通じない学生も居るのは否定しがたい事実で、教師としてのコニタももう終わってしまった感がある。ゼロから再出発しないと。
成功も挫折もあるけれど、やっぱりプロの仕事をしていたい。
全く関係ない話のようだけれど、今日読んだある文章にひどく感動した。
しょせん高校生のお芝居と考えて見に来なかった人たちは、きっと後悔をすることでしょう。御覧になった方は、十数年後に、ああ、二一世紀の演劇はここから始まっていたのだなと振り返って、たいへん得をした気分になるでしょう。 平田オリザ「『転校生』について」
この気迫。
仕事をするならこうありたい物。
我田引水を承知で、この文章は、私がハリストス正教会イベントについて書いたことと、少し似ている。これやら、そしてこれやら。
勿論、スケールは全然違うけれど。
静岡版『転校生』が再演される。
フェスティバル・トーキョーでも上演される。
これは確かに事件だ。
今回は、スノドカフェ企画で、みんなで劇評を書くらしい。
どういう進め方なのか判らないけれど、それも含めて楽しみにしている。
そこでもまた、表現が問われている。
前の記事でリンクした、この辺、予習にいいかもね。
あぁ、表現者と言えば、「音声言語・文章表現Ⅰ」の成果報告書の校正がやっと届いた。
ここにある気迫。
みんな凄いね。
それが何より嬉しい。
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