この忙しいのに何処をほっつき歩いているのだ?! と言うお叱りの声も聞こえてきそうなんですが、済みません、趣味が学問というか、私にとっては大事なことなので、ご勘弁下さい。
と言うわけで、この連休の行動。
まず連休前の10/08(金)、
福井利佐氏講演会「KIRIGA(切り画)が放つ生命力の原点」(SiCセミナー) ホテルセンチュリー静岡
静岡県インテリアコーディネーター協会主催の公開講演会。
去年左官の久住有生氏講演会にうかがったのでご案内を戴いた。
今回は地元出身の売れっ子作家福井利佐と言うことで幅広い年齢層で大にぎわい。
人前で話すのは苦手、と仰りながら、周到に用意された原稿と画像をつかって、“現在ある自分”が、“過去の出会い”とどのように有機的に結びついているのか、を、非常に明確に示された。
それは勿論御本人による主観的な“歴史語り”でしかないのだけれど、研究熱心な美容師一家で観察と表現の才能を育んだバスケ少女が美大に進学して、というストーリーには全く無駄がない。
作品の実物も4点展示されていたので、技術的なことなども、もう少し詳しく話されたら良かったようにも思うけれど、それでも満足度の高い講演会だった。
京劇の石山さんとは正反対の表現だけれど、“キャリアデザイン”という問題を考えるときにも多分重要な話。
“キャリアデザイン”なんて言うコトバはどうでも良いのだ、と言う事も含めて。
太宰治の「グッド・バイ」、かなり面白かった。年末年始頃再放送ありとのこと。
アンケートの今後の講師リクエスト欄に春田幸彦さんのお名前を書いておきました! ホントに実現したら素敵だなぁ。
この日は色々名刺交換。
全く異業種の人たちなんだけれど、こう言うのが後々響いてくるのです。
そうそう、去年メールで少しやりとりした後藤史恵ざんは進化系整理コンサルタント「片づけ対話」を展開。
これって、栗宇治さんの仕事そのもの!
ちょっと感動。
そして、私の精神的な問題も……。
10/09(土)
早起きして板橋区立美術館、江戸文化シリーズ No.26
諸国畸人伝
江戸時代、日本各地で活躍した絵師10人の作品展。
超大物からそれほど有名ではない(とおもう)人たちまで。
展示品リスト
この企画力にまず舌を巻く。
館蔵品展ではないので日本中の収蔵者から集めた物。
誰の、何を持ってくるのか。
そして、展示方法、解説、図録。
やたら広くて疲れる展示会が多い中、数量限定、二室+導入展示という禁欲的な展開も毎度の事ながら好感が持てる。
素晴らしい美術館だと思う。
蕭白、白隠は言わずもがな、院生の頃ここで出会った林十江や、写真では何度も観ている絵金や狩野一信の前に立つのも感慨深いけれど、全然知らなかった佐竹蓬平が、思いがけず何とも言えず素敵で、こういうの、いいなぁ、と。
午後からは国立劇場。
芝居と語り芸 -庶民の娯楽-
大衆娯楽は語り物とビジュアルを合体させた構成を守りながら、様々なメディアで進化してきた。
そういう認識のもとに集められた娯楽文化ショーケース。
東京文化発信プロジェクトということで、みんな東京の物。
この日1回限りの特別興行だったので、当然売り切れ。あぜくら会員でよかった(しかし、非会員の吉田稔美さんが1列目に!!)。
内容は以下の通り。贅沢の極致。
【車人形】
説経節 小栗判官一代記 高倉館判官矢取りの段
八王子車人形 西川古柳座
説教節=太夫 十三代目家元薩摩若太夫
三味線 京屋純
【地芝居】
義太夫節 絵本太功記 本能寺の場
秋川歌舞伎保存会 あきる野座
【江戸写し絵】
新内節 葛の葉 狐子別れの段 劇団みんわ座
新内節=新内仲三郎ほか
落語 だるま夜噺
落語=柳亭左龍
【無声映画】
チャップリンの冒険
番場の忠太郎 瞼の母
活動弁士 澤登翠
こう言うのはみんな“現地”で観るのが一番だと思うのだけれど、なかなかそうも行かないので、本当に有り難い。
あきる野座、森蘭丸を演ったひとは、かなり“スター性”がありましたね。見得が決まってました。
10/10(日)
朝一でまずグランシップ。
第50回記念 平成22年度静岡県芸術祭 写真展・記念展覧会
去年卒展にも出かけていった常葉菊川高校(卒業)の紅林大空さんが出展、トークもやるというので朝からみんな集合。
もはやファンクラブ状態。
実際、紅林はどんどんビッグになっていく。
“才能”というコトバで片づけてしまえば簡単だけれど、転がっているチャンスをみつけて正確に飛びつく行動力は静大生も見習って欲しい。
勿論私も。
この展覧会は、県内の美術科のある高校、専門学校、大学の合同展ということで、若い才能の向かっている方向が見えておもしろい。
教育学部の白井先生もいらしたので、チラシを押しつけ。
17日まで。
一旦グランシップを離れ、長政まつり。
他の学科・学部の学生もいるのだろうけれど、学生ボランティアスタッフの半分以上が言語文化学科じゃないかという感じ。
数年前に私が関わって道をつけたんだけれど、去年・今年は積極的に関われないまま出かけていって、こういう光景を見るのは本当に嬉しい。
実行委員会の手配もあるし、学生達の中でもこの祭の特別な魅力がちゃんと伝わっていると言うことなんだろう。
この日の目玉は“操り人間”。
去年の三人遣い人形を見逃して、今年はこれ。
ギャップもすごいけれど、実際こうまでして“人形を演じる”事の意味ってなんだろう、と深く考えてしまう。
一瞬私が映りますな。
やられた。
長政まつりでは、いつも久しぶりに会う顔が多い。
今年もびっくりするような人たちに再会したり、これからのいろんな話をしたり。
色々次に繋がる企画が生まれそうです。
それが門前町のお祭りなんだよな、と、再認識。
ギャラリーで会ったチーム「転校生」Yちゃんのお母さんが実はタイマッサージをやっていると言う情報を頂き、やっとマッサージも実現しました。
歩き疲れてたのでホントに気持ちよかったです。
タイ料理については室長さんのブログが詳しいのでそちらをどうぞ。
動画、沢山観られます。
祭の終了を待つことなく静岡県教育会館へ。
ここでは近藤一郎の思想と空間~建築家 近藤一郎がのこしたもの~開催中。
私がローカル建築家の展示会に何故出かけるのか。
これはまた一つの不思議な縁。
リンク先を見れば判るように、この人の代表作の一つは、静岡ハリストス正教会信徒会館(アークホール)。
実は、福井利佐講演会で、SiC顧問でもある教育学部の外山名誉教授にイベントのチラシを押しつけたら、こう言うのをやってるから! と教えてくださったという……。
外山先生はナカノ工房の顧問もされている。
アークホールを建てた近藤一郎の奥様は、前のイベントの時にもお世話になったマリアさん、と言うことはうかがっていたので、繋がった。
こういう因縁がおもしろい。
そして、近藤一郎の作品は、教育会館そのものも含め、本当に沢山あることも再認識させられたし、建築家の仕事が、哲学・思想の分野であることも、当たり前のようだけれど、もう一度深く考えさせられる。
疲れもあったのだけれど、チラシ配布と休憩を兼ねて、鷹匠のきものcafeちどりで甘い物とお茶。
ここのオーナー、五味さんとも、何とも言えない不思議な因縁があるんだけれど、それはまた別の機会に書くかな。
さて、この日の締めはグランシップで文楽。
これは既に予告で書いたように、簑助さんが徳兵衛を勤める「曽根崎心中」。
学生も結構行ってくれたようで、制作Fさん、Kさんもニコニコ出迎えてくださいました。
これだけは逃してなる物かと、気合たっぷりでチケット購入したので2列目。
国立劇場でもこんなに間近では見たこと無いぞ、と言う特等席。
素晴らしい。
正直簑助さんの徳兵衛だからどう、と言うことを見分けられる力は私にはないのだけれど、それでもメリハリのある演技にはうなる。
観劇後に一緒になった仲間と色々話をして、文楽ファンが増えたな、と思うのが嬉しい。
ちなみに、10/22にFM-Hi!で、私が文楽についてちょっと語ります(グランシップ提供番組Radioグランシップ・ナビ。パーソナリティはTJさん。収録済み。放送時間は15時~ですね)。
そして11日。
さすがに仕事も少し。
夜に入ってAYAMEさんから連絡、別件ライブで静岡訪問中の、水族館劇場、桃山邑さん、千代次さんが、メイン宴会を抜けて会ってくださるというので“あさひ”で、小一時間。
アングラ演劇の歴史と関係者の近況の話題には全くついていけないのだけれど、若いとき松田修『複眼の視座』に影響されたと言う妙な共通点があったり、愉しいひとときでした。
そのあとAYAMEさんの家で千代次さん、鷹匠訓子さんも一緒にもう少し。
大衆演劇の話とか。
大衆演劇は本気で“勉強”してみようかな、と思う今日この頃。
AYAMEさん、桃山さん、千代次さん、本当にありがとうございました。
ふうう。
簡単に書くつもりが長くなった。
個別にはまたあとで書き足すこともあるかも知れません。
と言うわけで、この連休の行動。
まず連休前の10/08(金)、
福井利佐氏講演会「KIRIGA(切り画)が放つ生命力の原点」(SiCセミナー) ホテルセンチュリー静岡
静岡県インテリアコーディネーター協会主催の公開講演会。
去年左官の久住有生氏講演会にうかがったのでご案内を戴いた。
今回は地元出身の売れっ子作家福井利佐と言うことで幅広い年齢層で大にぎわい。
人前で話すのは苦手、と仰りながら、周到に用意された原稿と画像をつかって、“現在ある自分”が、“過去の出会い”とどのように有機的に結びついているのか、を、非常に明確に示された。
それは勿論御本人による主観的な“歴史語り”でしかないのだけれど、研究熱心な美容師一家で観察と表現の才能を育んだバスケ少女が美大に進学して、というストーリーには全く無駄がない。
作品の実物も4点展示されていたので、技術的なことなども、もう少し詳しく話されたら良かったようにも思うけれど、それでも満足度の高い講演会だった。
京劇の石山さんとは正反対の表現だけれど、“キャリアデザイン”という問題を考えるときにも多分重要な話。
“キャリアデザイン”なんて言うコトバはどうでも良いのだ、と言う事も含めて。
太宰治の「グッド・バイ」、かなり面白かった。年末年始頃再放送ありとのこと。
アンケートの今後の講師リクエスト欄に春田幸彦さんのお名前を書いておきました! ホントに実現したら素敵だなぁ。
この日は色々名刺交換。
全く異業種の人たちなんだけれど、こう言うのが後々響いてくるのです。
そうそう、去年メールで少しやりとりした後藤史恵ざんは進化系整理コンサルタント「片づけ対話」を展開。
これって、栗宇治さんの仕事そのもの!
ちょっと感動。
そして、私の精神的な問題も……。
10/09(土)
早起きして板橋区立美術館、江戸文化シリーズ No.26
諸国畸人伝
江戸時代、日本各地で活躍した絵師10人の作品展。
超大物からそれほど有名ではない(とおもう)人たちまで。
陸奥 菅井梅関
常陸 林十江
信濃 佐竹蓬平
江戸 加藤信清
狩野一信
駿河 白隠
京 曾我蕭白
祗園井特
大坂 中村芳中
土佐 絵金
常陸 林十江
信濃 佐竹蓬平
江戸 加藤信清
狩野一信
駿河 白隠
京 曾我蕭白
祗園井特
大坂 中村芳中
土佐 絵金
展示品リスト
この企画力にまず舌を巻く。
館蔵品展ではないので日本中の収蔵者から集めた物。
誰の、何を持ってくるのか。
そして、展示方法、解説、図録。
やたら広くて疲れる展示会が多い中、数量限定、二室+導入展示という禁欲的な展開も毎度の事ながら好感が持てる。
素晴らしい美術館だと思う。
蕭白、白隠は言わずもがな、院生の頃ここで出会った林十江や、写真では何度も観ている絵金や狩野一信の前に立つのも感慨深いけれど、全然知らなかった佐竹蓬平が、思いがけず何とも言えず素敵で、こういうの、いいなぁ、と。
午後からは国立劇場。
芝居と語り芸 -庶民の娯楽-
大衆娯楽は語り物とビジュアルを合体させた構成を守りながら、様々なメディアで進化してきた。
そういう認識のもとに集められた娯楽文化ショーケース。
東京文化発信プロジェクトということで、みんな東京の物。
この日1回限りの特別興行だったので、当然売り切れ。あぜくら会員でよかった(しかし、非会員の吉田稔美さんが1列目に!!)。
内容は以下の通り。贅沢の極致。
【車人形】
説経節 小栗判官一代記 高倉館判官矢取りの段
八王子車人形 西川古柳座
説教節=太夫 十三代目家元薩摩若太夫
三味線 京屋純
【地芝居】
義太夫節 絵本太功記 本能寺の場
秋川歌舞伎保存会 あきる野座
【江戸写し絵】
新内節 葛の葉 狐子別れの段 劇団みんわ座
新内節=新内仲三郎ほか
落語 だるま夜噺
落語=柳亭左龍
【無声映画】
チャップリンの冒険
番場の忠太郎 瞼の母
活動弁士 澤登翠
こう言うのはみんな“現地”で観るのが一番だと思うのだけれど、なかなかそうも行かないので、本当に有り難い。
あきる野座、森蘭丸を演ったひとは、かなり“スター性”がありましたね。見得が決まってました。
10/10(日)
朝一でまずグランシップ。
第50回記念 平成22年度静岡県芸術祭 写真展・記念展覧会
去年卒展にも出かけていった常葉菊川高校(卒業)の紅林大空さんが出展、トークもやるというので朝からみんな集合。
もはやファンクラブ状態。
実際、紅林はどんどんビッグになっていく。
“才能”というコトバで片づけてしまえば簡単だけれど、転がっているチャンスをみつけて正確に飛びつく行動力は静大生も見習って欲しい。
勿論私も。
この展覧会は、県内の美術科のある高校、専門学校、大学の合同展ということで、若い才能の向かっている方向が見えておもしろい。
教育学部の白井先生もいらしたので、チラシを押しつけ。
17日まで。
一旦グランシップを離れ、長政まつり。
他の学科・学部の学生もいるのだろうけれど、学生ボランティアスタッフの半分以上が言語文化学科じゃないかという感じ。
数年前に私が関わって道をつけたんだけれど、去年・今年は積極的に関われないまま出かけていって、こういう光景を見るのは本当に嬉しい。
実行委員会の手配もあるし、学生達の中でもこの祭の特別な魅力がちゃんと伝わっていると言うことなんだろう。
この日の目玉は“操り人間”。
fhottaさんが動画をアップしているのでこれ、戴き。
去年の三人遣い人形を見逃して、今年はこれ。
ギャップもすごいけれど、実際こうまでして“人形を演じる”事の意味ってなんだろう、と深く考えてしまう。
一瞬私が映りますな。
やられた。
長政まつりでは、いつも久しぶりに会う顔が多い。
今年もびっくりするような人たちに再会したり、これからのいろんな話をしたり。
色々次に繋がる企画が生まれそうです。
それが門前町のお祭りなんだよな、と、再認識。
ギャラリーで会ったチーム「転校生」Yちゃんのお母さんが実はタイマッサージをやっていると言う情報を頂き、やっとマッサージも実現しました。
歩き疲れてたのでホントに気持ちよかったです。
タイ料理については室長さんのブログが詳しいのでそちらをどうぞ。
動画、沢山観られます。
祭の終了を待つことなく静岡県教育会館へ。
ここでは近藤一郎の思想と空間~建築家 近藤一郎がのこしたもの~開催中。
私がローカル建築家の展示会に何故出かけるのか。
これはまた一つの不思議な縁。
リンク先を見れば判るように、この人の代表作の一つは、静岡ハリストス正教会信徒会館(アークホール)。
実は、福井利佐講演会で、SiC顧問でもある教育学部の外山名誉教授にイベントのチラシを押しつけたら、こう言うのをやってるから! と教えてくださったという……。
外山先生はナカノ工房の顧問もされている。
アークホールを建てた近藤一郎の奥様は、前のイベントの時にもお世話になったマリアさん、と言うことはうかがっていたので、繋がった。
こういう因縁がおもしろい。
そして、近藤一郎の作品は、教育会館そのものも含め、本当に沢山あることも再認識させられたし、建築家の仕事が、哲学・思想の分野であることも、当たり前のようだけれど、もう一度深く考えさせられる。
疲れもあったのだけれど、チラシ配布と休憩を兼ねて、鷹匠のきものcafeちどりで甘い物とお茶。
ここのオーナー、五味さんとも、何とも言えない不思議な因縁があるんだけれど、それはまた別の機会に書くかな。
さて、この日の締めはグランシップで文楽。
これは既に予告で書いたように、簑助さんが徳兵衛を勤める「曽根崎心中」。
学生も結構行ってくれたようで、制作Fさん、Kさんもニコニコ出迎えてくださいました。
これだけは逃してなる物かと、気合たっぷりでチケット購入したので2列目。
国立劇場でもこんなに間近では見たこと無いぞ、と言う特等席。
素晴らしい。
正直簑助さんの徳兵衛だからどう、と言うことを見分けられる力は私にはないのだけれど、それでもメリハリのある演技にはうなる。
観劇後に一緒になった仲間と色々話をして、文楽ファンが増えたな、と思うのが嬉しい。
ちなみに、10/22にFM-Hi!で、私が文楽についてちょっと語ります(グランシップ提供番組Radioグランシップ・ナビ。パーソナリティはTJさん。収録済み。放送時間は15時~ですね)。
そして11日。
さすがに仕事も少し。
夜に入ってAYAMEさんから連絡、別件ライブで静岡訪問中の、水族館劇場、桃山邑さん、千代次さんが、メイン宴会を抜けて会ってくださるというので“あさひ”で、小一時間。
アングラ演劇の歴史と関係者の近況の話題には全くついていけないのだけれど、若いとき松田修『複眼の視座』に影響されたと言う妙な共通点があったり、愉しいひとときでした。
そのあとAYAMEさんの家で千代次さん、鷹匠訓子さんも一緒にもう少し。
大衆演劇の話とか。
大衆演劇は本気で“勉強”してみようかな、と思う今日この頃。
AYAMEさん、桃山さん、千代次さん、本当にありがとうございました。
ふうう。
簡単に書くつもりが長くなった。
個別にはまたあとで書き足すこともあるかも知れません。
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