こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 試写会 上映時間 122分 製作国 アメリカ 公開情報 劇場公開 (ブエナビスタ) 初公開年月 2006/07/01 ジャンル ファンタジー/アクション/コメディ
カー・レースの最高峰ピストン・カップに出場する若きレーシングカー、マックィーン(声:オーウェン・ウィルソン)。新人ながら天才的な実力と圧倒的な人気を誇る彼は、優勝まであと一歩のところまで登りつめていた。ところが次のレースの開催地へ向かう途中、マネージャーとはぐれたマックィーンはルート66沿いのさびれた田舎町へ迷いこんでしまう。突然のハプニングで気が動転し、町の道路をメチャクチャに破壊してしまった彼は、道路の補修を済ますまで町に足止めされることに…。
(goo映画より抜粋)
キャラクターは”子供向け”。ストーリーは”やや大人向け”。
そしてこの画(え)は”職人”こそがなせる技・・・。
腰抜かしながらカンドーだあ!
その昔、実写的観念と相反する世界のごとく誕生したアニメーション。
そこにあるものをカメラで捉えるのではなく、絵コンテからセル画を起こし、フィルムに焼き付けます。この作業の繰り返し。そうして出来上がった作品はあ~ら不思議!出来上がった画面の中で、様々なキャラたちが元気いっぱい駆け回ってる。誠、不思議な世界。だってね、そもそも人が描いた絵が生きてるかのように動くのですから。「これを”魔法”と呼ばずして何と呼ぶ?」という気持ちにもなるわけです。
そのアニメ文化は「いつかは消えるもの」と、勝手ながら思とりましたが、これがなんと!意外にも今日に至っても消えることなく、毎年、毎年、確実に数本は新作が発表されているわけでございます。特にそのアニメの中でもCG(コンピューター・グラフィックス:computer graphics)を用いて作られた作品においては、新作が出るたび「わお!」と声を漏らさずににはいられないほどの出来栄えを見せ付けてくるワケでして・・・。もうスゴイですね、ほんと。驚きの映像レベルが、まるでポップコーンが跳ねるようにポンポン飛びだすんだから。
中でも、ドリームワークス、ディズニー・ピクサーの毎年の技術向上は特筆に価するものだと思うわけです。
CGとはいえ、当然ながらセル画アニメ同様、モトは上図のような絵コンテが存在するのすが、それを画として仕上げる道具にコンピューターを使用する。古いタイプのこっちゃんなんかは、「コンピューター = 所詮、冷たい(血の通わない)もの」なんてイメージをまだ心のどこかで持ってたりもするのですけど、こんな映画を目の当たりにされたら、「めちゃめちゃ人肌じゃん!」という言葉も出るってもんです。
血が通わない?いいえ、いいえ。ブルンブルン首を横に振らざるを得ないのですよね、さすがに。
そんなワケで、ディズニー・ピクサーの最先端技術を駆使して作られたCGアニメ『カーズ』は、もう息を呑むほどの美しさでして。その艶(なまめ)かしさときたら。お話だって、現実の世界ですら探すのに骨が折れるほどの暖くもりが、シッカリと込められていました。
いいですよ、これ。
実は、今回の試写会は、【字幕版】での上映だったのですが、上映前に会場を見渡すと、周りには小さなお子ちゃまがいっぱい。トイレなんか、まるで遊園地のような盛り上がりようです。
(* ̄◎ ̄*)コラコラ! シズカニシナサイ。
まぁ、どちらかと言えば、こっちゃんが子供たちの間に入れてもらって観せてもらったような感じでもありましたが、【字幕版】でお子ちゃまたちが理解できるわけがない!という読みをこっちゃんは観る前から持っていました。
フッ、勝ったな。( ̄ー ̄)ニヤリ ←子供相手に本気モード
でもね、いざ上映始まったらみんなちゃんとお利口に観てるし・・・あれ?┌|∵|┘ナンデヤ?
何故だか分かりました!
このキャラクターってあまりにもフレンドリーでユニーク、コミカルでオバー・アクションじゃん!
ハッキリ言って、字幕なんか読まなくても楽しめるってモンです。
じゃあ、というワケで、あえて”大人的に”誉めさせて頂けば(まだ張り合ってる)、今までのクルマ・キャラって、ヘッドライト部分を目玉にするのが“定番”ちゃー定番だったでしょ?でもね、この『カーズ』は違うのだー。
フロント・ウィンドウにパッチリお目目が描かれてる!(笑)パチクリ、パチクリって、目蓋(まぶた)まであるんだよ。これが意外に新鮮なのね。顔の表情がより一層ユニークに見えちゃうんです。
そうなると当然、フロントのインテーク(空気取り入れ口)がお口になってくるワケで。ガハハと大口で笑ったり。しかめ面をしたかと思えば、ニヤリとイタズラま微笑みを浮かべたり。あ、中には出っ歯までいましたね。(笑)
とにかく表情豊かです。
でね、この映画に人間は一人も出てこないの。右を見ても左を向いてもぜ~んぶクルマ。で、そのクルマたちは各々心を持ち、自由に歩き回り会話する。ボディは鉄で出来ているはずなのに、時には人肌のような温もりを感じさせ、タイヤは手足のように自由自在な動きを見せます。
ああ、これぞまさしくディズニーだ!夢があるなぁ~。(*´ー`*)ステキナノジャ♪
恐らくこの映画の凄さを語るなら、冒頭いきなり始まるレースシーンだけでもぅ十分でしょう。とにかく細かいこの設定。クルマ自体には大胆なデフォルメを施しながらも、細部にはトコトンコダワル。決して手を抜かない職人魂に驚愕します!
いったい、これほどの作品を仕上げるのにどれほどの時間を費やしたというのでしょうか?!これはもう神業に近いとすら思える偉業ですよッ。
と、と、とにかくね・・・・美術的にだけ観ても、圧倒的な美しさを持った作品です!現実を超えた質感がここにはありますね。こっちゃん的にはこの美術的なスバラシさをイチオシしたいところです。これはスクリーンで観て大正解の映画ですよ。きっと、皆さんの中には「アニメだからDVDでいいや」って思う人多いかもしれませんけど、こういうのこそスクリーンで観るべきだと思います。
ルート66を中心とした夕焼け、夜の景色などの背景も美しいですが、それ以上に美しいクルマのボディの輝き・・・・。
だって、だって、だってね。ボディに周りの景色が映り込むんですよ!たかがアニメなのに!マックィーンは、後半でラメ入りのカラーに全塗装し直すんですけど、その仕上がりの違いまで明確に描き分けるほどの徹底ぶりなんですから。
全く頭が下がると言うか、顎(あご)が落ちるというか・・・。( ̄∀ ̄*)
ほんとスゴイ映像ですよ、これ。
そして、その美術に負けず物語の舞台設定も凝りまくってます。
例えば、この上の画像。レースのワンシーンなのですが、この画の中にも夢のようなネタがビッシリと詰め込まれているワケでして。ちなみに中央を走る赤いクルマがこの映画の主役:ライトニング・マックイーン(声:オーウェン・ウイルソン)、その右のブルーのクルマが今レースで現役を引退するキング(声:リチャード・ペティ)、左のグリーンのクルマがチック・ヒックス(声:マイケル・キートン)、です。映画のクライマックスはこの三人、いや三車の王座決定戦となるのですが、このレース・シーンひとつ取っても実に凝りに凝った作りだと言えます。
コーナーを駆け抜ければ、コース上に散らばっているタイヤのゴム片がパラパラと舞い上がる。周回を重ねる度に、ピッチ・タール(らしき)汚れがフロントマスクとタイヤ周りに付着する。息を呑むクラッシュ・シーン(結構スゴイ迫力!)の直後、イエローフラッグが振られ、ペースカー導入。まるでホンモノのレースさながらのこの進行。こんな展開を次々と観せられて、「いったいどんなマニア層に訴えかけようとしているのか?」と、コチラが聞き返したくなるほどの入れ込みようでした。
先ほども申し上げた通り、この映画には人間が出てこないわけですから、当然レースの観客はクルマたち。スタンドで歓声を上げているのは全てクルマなのです。
もちろん、報道、解説、レースクイーンに至るまで全ン部クルマ。ロードスター姉妹の黄色い声援が飛んだりなんかしています。ピットクルーなんかリフトですからね。この世界では、ぶぅ~んと飛んでるハエですらクルマに羽根をつけたように見えます。おもろいですね。もうムチャクチャですが。(笑)
あ、そーいえば、クルマは人が乗らないからドアも開きませんでしたね。そう、これは”一度もドアの開け閉めの無いクルマ映画”なのです。(運転席はないと思われます )今、気がつきましたねぇ。
この物語は、レースで早く走り優勝することしか考えていなかった主人公のマックィーンが、ひょんなコトからルート66号沿いの錆(さ)びれた田舎町に迷い込み、そこで出会ったクルマたちとの交流で、大切なものを見つけ出すというお話。
単なるクルマだけのおとぎ話と思って観ていると、途中で「あ!」と、なります。
これは題材にクルマを使っておきながら、クルマの域を超えた話なのですよ。
何が飛び出すかは、観てからのお楽しみ~♫ 興味がある方は、子供に戻った気分で劇場に足を運んでください。きっと人間として失くしてはならない大切なものを、クルマの世界から教わった気分になれますよ。
見ず知らずの町で、裁判にかけられ、町のために強制労働をさせられてしまったマックィーン。これが、マックィーンとこの町のクルマたちとの交流のはじまりでした。
スクリーンに映し出される表情豊かなクルマたちを見ているうちに、時が経つのも忘れてしまいます。弁護士は”弁護車”と呼ばれ、犯罪者は”犯罪車”と呼ばれるようなこの奇妙な世界に、いつしかスッカリ自分もクルマになって入り込んでしまったようでした。
とてもディズニー・ピクサーらしい楽しい映画でしたよ。
きっとストーリーだけ取っても、キャラクターだけ取っても、美術だけ取っても、これは楽しめる映画です。BGMのロックナンバーもイカしてます!だって、シェリル・クロウにチャック・ベリーだよ!もう、ノリノリだもんね~♫ シブいわぁ~!
Cars [Original Soundtrack] [Collector`s Edition]
サントラです♫
それにしても・・・・いったいこの先アニメはドコまで行くのでしょう?そら恐ろしくすらなりますが、「またしてもディズニーの傑作が一つ増えたなあ」という喜びに満たされて帰ってきました。
ところで・・・ラストのフェラーリに大笑い。あ、アナタ様があの有名な○○○○○○さまでしたか!(笑)
取り巻き連中がマセラッティというのがイカにもという感じでしたね。
※エンドロールの後にもお楽しみあるです
《2006.08.30記事一部改訂》
日本じゃあんまりモータースポーツってメジャーじゃないけど、
ヨーロッパでは結構メジャーなんだよね?
きっと子供でもペースカー位は知ってるんだろうね。
フロントガラスが目ってのは確かに斬新だよねぇ~。
まぁ、おいらはなんだかんだ言っても、アニメ映画のNO,1は「機動警察パトレイバー THE MOVIE」なんだけどね。(笑)
その次「天空の城ラピュタ」ね。
うっふ~ん(o^-^o) ウフッ
その2個を越えられるかな???
(´▽`*)アハハ
アニメの進歩は日々目を見張るものがあるね。(☉д⊙)ギョ
これは予告でも観たんだけど、映像の素晴らしさは、こっちゃんの言うとおりだわさ。すごいよね~。
アメリカで大ヒットしてるのも頷けるな、うん。
これ観てもイイなぁ~。
うっふ~ん(o^-^o) ウフッ←あっ、違う違う!
苦手です。
アナログ色塗りの作品が
どちらかといえば好みです。
だからってCGの作品が嫌いって
ワケではないんだけどね。
DVDになったら見ようかな…
日本でもモータースポーツってあるんだけどね。
けっこうあちこちでやってるのに
報道されないんだよねーイマイチ。
北海道にもカート・サーキットとかあるけど
「盛ん」というほど盛んでもないしなあ・・・
欧州はすごいよね。羨ましい~
クルマネタ笑えますね。
ピクサーの自虐ネタもあったよね♫
▼mくんへ
そーだねー
「パトレイバー」「ラピュタ」かぁ。
路線が違うよね。(笑)
比べられないっていうか。
セル画アニメも良い物は良いですよね。
CGアニメは、正直アニメとは言い切れない次元に
入ってきてると思います。
実写に近いというか、超実写的というか。
まったく異次元のジャンルと言った方がいいかもね。
クルマは観てるだけで目の保養になるわヒヒヒ
▼らいとにんぐ・かーずさんへ
あ、アナタもかーずさんでしたね。(笑)
アニメもCG中心の時代でしょうか。
そりゃ進歩するだろうけど、
この進歩に上限が見えないというのはスゴイことだよね。
もう最新の動物アニメなんて、
ほとんど3D感覚だよ。
浮き出て見えるもの。
質感もほとんど究極のレベルに近づいてるのじゃないか???
とにかく感心します。
▼るさんへ
そーだねー。
これが嫌いって人もまだまだいると思う。
るさんは最近のCGアニメ何観たのかな?
いかにも絵らしいアニメが好きな人には
ちょっと近寄りがたい世界かもね
いつの間にか引き込まれていて...。
あの映像はスゴイですね~。
タイヤに入っている文字までクルクル回転していて。
これは大人が忘れていたものを取り戻す映画でもあったようですね。
ラストまで良かったよね。
それとこの映像技術・・・。
気の遠くなるほど綿密で美しかった!
マニアックですよねーホント。
こっちゃん大満足です!
車マニアのこっちゃんをも満足させるアニメ!
楽しみですなー。私の楽しみはもちろん、
オーウェンの大役でございます。
え?誰も気にしてない??
いいのよ、いいのよ
楽しんでもらえれば。
クルママニアって言っても、
こっちゃんはあまりアメ車がスキじゃないので、
この映画の車種はほとんど分かりませんでした。
でも、オーウェンのアフレコヨカッタよ~。
あの特徴ある口回しがね、ちゃんと生きてた。
大役だったね。ほんと。
大丈夫だよkinoさん。
ちゃんとみんな分かってるから。
←なぜか泣くこっちゃん
そうでしたよねぇ~、クルマたちの「目」はヘッドライトじゃなくてフロントガラスに、しっかと描かれてました~
メタリックに塗装された時の輝きも、実写みたいでしたよね。
私は吹き替えで観たのですが、とっても良かったです