こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

ラブ・レター パイランより (2001)

2006年09月28日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境 こっちゃんシアター
上映時間 116分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開 (シネカノン)
初公開年月 2003/06/14
ジャンル ロマンス/ドラマ
amazonでCHECK! NTT-X storeでCHECK!

一人暮らしの中年男性・カンジェ(チェ・ミンシク)は、ある日、妻の訃報に接する。身に覚えの無いカンジェは、かつて金欲しさに中国人女性と偽装結婚したことを思い出す。一度も会ったことがない妻・パイラン(セシリア・チャン)の遺体を引き取りに、彼女が暮らした町を訪れたカンジェ。そこには、パイランがしたためた最後の手紙が遺されていた…。

 

(NTT-X store解説より抜粋)

 

静かな波の音からはじまるこの映画。
そんな穏やかな波のように、心にジワジワと深く染み入るような作品です。
観終わると、涙で顔がグシャグシャになっていました。

「う"ーん、カンドーした!」 (*`◇´*)/ by 純一郎

いや冗談はさておき、ホントこれは泣かせます。実に秋向きの映画ですね。
というわけで、またまた”オータム・センチメンタル・セレクション”(勝手にネーミング)からの一本です。
いまや、レンタル屋さんに何本も置いてあるような派手な作品とは違いますが、
きっとこの作品は、あなたに借りてもらえるのを 静かに待っていると思います。
もし気が向いたら、ぜひ手に取ってみて下さい。

さて。

この映画の主演は「オールド・ボーイ」「シュリ」「親切なクムジャさん」「クライング・フィスト」と
主役・脇役問わず話題作に出演の多い韓国俳優チェ・ミンシク
本作では、とにかくうだつの上がらないヤクザの役です。

肝っ玉は小さい。根性も無い。だらしない。その上、天下のお人好し。
こんな風だから同期で入ったダチにも先を越され、今やそのダチを「兄貴」と呼ぶザマに。
まったく こういうカンジをやらせたら、チェ・ミンシクはやっぱ圧倒的に上手いですねえ。
他の追随を許さぬほどの上手さ。
さすが、その持ち味の深みでは、同じく韓国の名優ソル・ギョングを凌ぐほどです。

それともうひとりの主演は、香港女優のセシリア・チャンです。
真田広之、チャン・ドンゴンらと共演した映画「PROMISE」でのヒロインですね。
「小林サッカー」(こばやしサッカーではありません)なんてギャグ映画にも出てたりします。

彼女は今回、韓国での不法滞在を隠すのにヤクザの職業仲介所で偽装結婚をさせられ、
その時に出来た諸々の借金返済に充てるため、オバチャン経営の小さな洗濯屋で
住み込みスタイルで働く破目になるという中国女性の役。
これがなんとも。
ノーメイクな可愛らしさでググッと涙を誘います。

髪を後ろで結わえると、その髪型の雰囲気から菊川怜ともややカブり気味の彼女ですが、
あまりに映画自体のストーリーと演出が良いので、観ているとそんなコトも気にならなくなります。
(気にする方がおかしいか?)

まず、この主演二人の組み合わせがとにかく良いですね!
お陰で、非常に感情移入しやすい映画です。

ある日、独身のはずの男に届く ”妻”の訃報___。

その時、男は自分が金目当てで1年前に偽装結婚していたことを思い出すのでした。
ただの一度すら顔合わせもせず、別々の暮らしに入った二人。
男はそのままコトを忘れていましたが、女の中にはゆっくりと愛情が芽生えてゆきました。
そんな二人を結びつけたのは、妻自身の病死の知らせだったという、この皮肉さ。

男は遺体を引き取りに行った先で初めて、
それまでいかに 自分が彼女に愛されていたかを知ることになります。

「イタズラか?ふざけているのか?会ったこともない男を愛するだと?」
はじめはその程度にしか思っていなかった男。

しかし男は彼女によって書かれた”手紙”によって、彼女の偽りのない心を知ることになったのです。

男は後悔します。 今まで彼女を迎えに来なかったことを。
男は後悔します。 今まで自分が真面目に生きてこなかったことを。

そして最後は・・・あまりにも悲しい結末が待っています。

しかし、これで良かったのかもしれません。
そんな風にも思えます。
この方が二人にとって幸せだったのかもしれませんね。
色んな考えが頭を過ぎる結末です。

両親を亡くし、頼みの綱の身内にも会えず、異国の地で23歳の若さで死んでいったパイラン。
彼女にとっては、カンジェだけが心の拠り所でした。
たとえそれが、うだつのあがらぬヤクザだとしても。
たとえそれが、一度も会ったことのない 戸籍だけの夫だとしても。

カンジェの証明写真を小さな額に入れていつまでも眺め、優しく語りかけるパイラン。
使われることのない夫の歯ブラシを自分のと一緒に買い、並べて置くいじらしい姿に、
ますます切なくさせられます。

気がついたら 海辺で彼女の手紙を手にし、声を上げて泣くチェ・ミンシクと一緒に
わんわん泣いている自分がいました。

この話は1998年に「ラブ・レター」として 日本でも映画化されていることからも分かるように、
元々は日本のお話。
浅田次郎氏による著書『鉄道員(ぽっぽや)』の中に収録された短編小説がモトになっています。
どうやらこの韓国映画は”リメイク”ではなく、同じ小説を別々の国で映画化したという
位置づけらしいのですが、日本版とは一味違った良い味が出てますね。
日本版の方は中井貴一主演ですが、そちらもかなり良いですよ。
もちろん、この韓国版も巧みな演出が利いていて、とにかく泣かされる作品です。
ちなみに こちらの韓国版。監督は「力道山」のソン・ヘソンです

ストーリー自体は、「気がついた時には全てが遅すぎた」という悲しいお話なのですが、
この映画を観た後は、きっとそばにいる愛しい人をもっと大切にしたくなるはずです。
観終わった後に、何故か温かいものが残る・・・そんな映画でもありました。

「愛してます。」という”ありきたり”などではなく、「感謝します。」というこの言葉。
これこそ究極のラブ・レターなのかもしれません。

観ておいて損はない作品ですよ。

 

それでは、【こちゃ和尚:ありがたい今日の一句】でございます。

 やっぱり「PROMISE」のあの声は吹替えだったか!

 

(○ ̄ ~  ̄○) ウーン調子が出てきたのでもう一句・・・。

 意外とミンシクは私生活でも持ってたりして・・・

 

以上、今日の二句でした。

【DVD】最安値が探せます♪ 【カンジェ】チェ・ミンシク
【監督】ソン・ヘソン 【パイラン】セシリア・チャン
【原作】浅田次郎
【日本版】ラブ・レター(主演:中井貴一)

 



最新の画像もっと見る

15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この映画は (m52387177)
2006-09-28 19:44:11
派手さはないけど、心に染みる映画でしたね。



最近は韓国映画にこういう美しさのある映画が少ないですね~。



デイジーなんかは_| ̄|○でしたからね。
カンドーするのか!? (かぶ一郎)
2006-09-28 19:46:22
素敵な "オータム・センチメンタル・セレクション" ですね。



そうかぁ、日本映画でもあったのかぁ。

でもストーリーが結構ツボツボに来たなぁ~。

ウ~ン、いい話だ。ひょっとしてレンタルするかも?



っていうか、いい話なんだけど、最後にやっちゃったね。

調子こいて2句も読んでしまったんだね、アンタ。
究極のラブラブ (にげら)
2006-09-28 20:04:15
う~ん。

最後は涙でぐちゃぐちゃなんですね。

そして、俳句をよんじゃったわけですね。



レンタル屋さんが100円セールの時にでも

探してみようかしら。←消極的発言



センチになりたいアナタにイチオシです! (【お返事】こっちゃん)
2006-09-28 20:25:06
▼mちゃんへ

観たんだもんね~、mちゃん。

これは良いよね~。ほんと、良い!

確かに最近、こういう映画が出てこないんですよね。

まったくもって残念だな。

「デイジー」でまた倒れたね、チミ。_| ̄|○





▼かぶ一郎さんへ

これねー。ほんと良いですよ。

元々のストーリーが良いですしね。

演出もなんとまあ見事なカンジで。

是非、探して観てくださいよ。

かぶ一郎さんのレビューも読みたいです。

え?最後がなんですって?

何か、まずいことしましたか、アタイ。





▼にげらさんへ

そうなんです。

もう涙を惜しんでたらこんなの観れませんよ。

ドーンと泣いちゃうわけです。

で、その感動で一句詠む。

これに尽きます。

セールで良いから観てね。(笑)
うわ~ (miyu)
2006-09-28 22:10:32
コレも良さそうだなぁ~(T-T) ウルウル

セシリア・チャンの声って確かに

ガチョウ声(ガチョウの声は分からないけど)

だけど、

好きなんだよねぇ~♪

韓国ラブストーリー苦手の彼でも大丈夫かしら?
秋にぴったり! (ありばば)
2006-09-28 22:37:19
恋愛系が続きますねぇ~。

でも、記事読むだけでうるうるしてきそー。

でも、がちょう声?

雰囲気、壊しそうな気が……。
ほ~~♪ (ゆゆ)
2006-09-28 22:55:29
なかなか良さそうですねえ(^0^)

今度、チェックしてみます~。



日本版の「ラブ・レター」って、中山美穂がでてましたっけ?!
良いですから。もうっ! (【お返事】こっちゃん)
2006-09-28 23:45:40
▼miyuぽんへ

これも良かですよ~~~。

是非どーぞ。

セシリアの声って、顔に似合わないよね。

でも、こっちゃんも嫌いな声ではないですよ。

むしろ個性を感じるよね。

韓国苦手の彼には・・・ちょっとキビシイかな?





▼ありばばさんへ

ちょっと恋愛シリーズを続けようかと思います。

ちょっとだけね。

ガチョウ声は大丈夫だよ。

すぐに慣れます。そんなに気にならないから。

この映画はお薦めです。





▼ゆゆさんへ

なかなか良いのですよ、これが。

ぜひチェックしてみて下さい。

セシリア・チャンが出てくるまでちょっとキツイかもしれませんけど、

後半は一気に良くなりますから。

日本版の「ラブ・レター」は中山美穂は出て無いですね~。

中井貴一、山本太郎、倍賞美津子さんらのご出演ですよ。
いいよねぇ~ (くみょん)
2006-09-29 00:28:44
これはかなり前に誰が出ているのかも知らずに観ました。

「シュリ」の人とも気づかず・・・



チェ・ミンシクは本当に凄いと思いますよ!

インタビューとか見るとけっこうおちゃめだったりするのよね。

ピカチューはプレゼントしたら喜んでくれそう。

Unknown (pu-ko)
2006-09-29 01:09:05
韓国モノ続きですね。



「オータム・センチメンタル・セレクション」いいなぁ。

私も明日から「秋季大ロマンス運動会」おっぱじめようかな。