城郭探訪

yamaziro

・鶴塚

2013年06月17日 | ブロガーによる歴史探訪情報発信

  

     

 

満願寺跡宝塔 鶴塚塔

安閑神社と目と鼻の先 、神社のある道筋の先、次の辻を右に廻れば民家の軒先狭い空間に巨大なそれは建っている。琵琶湖の周り、特に湖西の安曇川付近には優れた宝塔が集中しているような気もするが??・・・石塔には門外漢の僕も興味は有って、石仏と共にある石塔などには良くお目にかかるが、これほどの見事なものは珍しい。この地は満願寺と呼ばれる廃寺跡で、この宝塔もその遺物なのでしょう。県内きっての規模だと言われる宝塔は総高約4m、台石の1辺約1.5mそれでも頂部の相輪は、後補でやや低く造られ、元々の高さはもう少し高かったようです。素人目にも軸部と笠部にかけてのバランスが良く、鎌倉中期頃の造立だと考えられているようです。軸部には並座する阿弥陀のようにも見える??二仏が彫られている。

 

鶴夫婦愛を讃える宝塔 

安曇川(あどがわ)の住宅地に、ひときわ大きな石の宝塔が立っています。
 昔、ある武士が雄の鶴を射落としましたが、首がありません。翌年、別の雌鶴を射落としたところ、その鶴は昨年射落とした雄の首を羽の間に抱いていました。鶴の夫婦愛にうたれた武将は、この塚を立て、鶴を弔ったと伝わります。
 鶴塚は高さ4.2mあり、鎌倉時代の建造とされています。
 また、湖南の野洲(やす)市にも同じような民話が残されています。

鎌倉時代中期頃に造立された宝塔で、高さは4mを測る。県内の石造宝塔内では最大級

【民話】
むかし、三里尾の里に亀吉という百姓が住んでいた。
子供はなくて妻のお松と二人暮らし、真面目でしっかりした働き者やった。
そんな亀吉にも一つだけ道楽があった。鉄砲撃ちである。
百姓仕事が暇になる冬の季節には、毎日の様に琵琶湖の岸辺に行ってガンやカモを撃った。
今日も亀吉は、手に重い獲物をさげ、
「おれの鉄砲の腕も、だいぶ上がってきたなあ。」
と、顔をほころばせながら帰って来た。
しかし、出迎えた妻のお松は、あまり嬉しそうな顔を見せなかった。口にこそ出さなかったけど、心の優しいお松は、亀吉が生き物を殺して来る事に心を痛めていたんや。
そんなある日、亀吉は湖の近くで一羽のツルを撃ち落とした。田圃から飛び立とうとしたところを仕留めたものやった。
ツルは首が取れていた。
「どうや、この大きなツルは。見事なもんやろ。」
亀吉は家に帰ると、獲物をお松に自慢した。
「まあ、こんなに奇麗なツルを撃ち落とすなんて。あれ、このツルには首があらへんわ。」
「ツルの首に狙いを付けて撃ったからな。見事に命中したら首が飛んでしもた。たいした腕やろ。」
亀吉は、得意そうにいうた。
その夜、お松はいつまでも眠れなかった。首の無いかわいそうなツルの事が、頭から消えんかった。
お松は、こんな事を考えた。
(わたしらに子供が産まれたら、うちの人の鉄砲撃ちも少し熱がさめるのかもしれへん。神様にお願いしてみよう。)
次の朝から、お松は、子宝がさずかりますようにと、近くの神社へおまいりを始めた。
亀吉には、そのお松の気持ちは分からない。次の冬が来て、亀吉は、前よりも熱心に鉄砲を撃ちに出かけた。
ある日、亀吉は一羽のツルが飛んでいるのを見つけた。すぐ近くのアシ原に隠れて、降りて来るのを待った。
ツルは亀吉から遠くない所に舞い下り、こちらに向かって歩いて来る。亀吉は狙いを定めた。
ズダーン。
鉄砲が火を噴き、ツルの体がはじかれた様に浮き上がった瞬間、大きな光が走った。亀吉の体は、雷に打たれた様に地面に叩き付けられた。
「う、いたい。」
亀吉はしばらく動けず、そこにうずくまっていた。少しして体が動く様になると、撃ち落としたツルを見に行った。
倒れたツルの体を起こすと、翼の中に何やら抱え込んでいる。それは、雄のツルの首だった。
亀吉は思わず声を上げた。
「そうか、このツルは、おれが去年撃ち落としたツルと夫婦やったのか。」
雌のツルは、雄の首を一年間だいじに抱えて飛んでいたのである。
亀吉は、いたわり合って生きるツルの夫婦の愛情に心を打たれた。そして、生き物を殺
す事の罪深さをさとったんや。
「おれが悪かった。ツルよ、堪忍してくれ。」
亀吉とお松は、家の庭にツルを埋めて塚を作った。
そこは、鶴塚と呼ばれたという。

所在地:高島市(旧・安曇川町北出)

 

 

参考資料:パンフレット各種・現地説明板・専門員のガイド説明・PCホームページ/blog 等々

本日も、訪問ありがとう御座いました!

 


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