月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(38) 長官機護衛の6機

2014-04-26 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(38) 長官機護衛の6機

山本五十六連合艦隊司令長官のブーゲンビル、バラレ、ショートランド方面への日帰り視察の護衛は、わずか零戦6機だった。

当初、宮野善次郎大尉はラバウルの稼働機、ほとんどすべての20機を護衛につけようと主張したが、最前線といえども日本軍の制空権下であり、大切な飛行機を、自分の護衛で20機も出すのは心苦しいと、山本長官は却下した。

それにブーゲンビル島のブインにも零戦がいるので、わずか6機の零戦が護衛にあたることになった。
護衛の零戦隊は、中隊長 森崎武海軍予備中尉に率いられた全6機。

中隊長 森崎武海軍予備中尉
二番機 辻野上豊光一飛曹
三番機 杉田庄一飛兵長

第二小隊長 日高義巳上飛曹
二番機 岡崎靖二飛曹
三番機 柳谷謙治飛兵長

昭和18年(1943)4月18日(日) 午前6時ちょうどにラバウル東飛行場を飛び立った。

バラレまでは約2時間、零戦隊としては通いなれた『ブイン街道』。
敵機と遭遇する確率が極めて低い日本軍の制空権下を、一式陸攻は高度2500m、零戦隊はその後方で長官機より500mほどの高さを保ち、快適な飛行を楽しんだ。

ところが、ブーゲンビル島上空に入り、バラレ到着の15分前、日高上飛曹が、後下方1500m付近を全力で、我らに接近してくるP-38 4機を発見!
急いで上空を確認すると、高度6000m付近にいる敵機 12機を発見!
直ちに速力をあげて先頭に出るとバンク(左右に翼を振る)して敵発見を知らせた。

全機に緊張が走る。
零戦全機はただちに増層を切り離し、森崎中尉は列機を率いて下方の4機に迎かい、日高上飛曹も列機を率いて急上昇し、上空のP-38 12機に立ち迎かった。

零戦6機対アメリカ軍P-38 16機、零戦が追えば敵は逃げ散り、追い払ったかと思えば高高度から急降下で襲ってくる。

それでも一撃目で、増槽を切り離すことができず、もたもたしていたP38 1機を辻野上一飛曹は見逃さず一撃を浴びせ、杉田飛兵長も別の1機を攻撃して手ごたえを感じていた。

零戦隊が二撃目に入ろうとしたころ、長官機は急降下してそこから約50kmほど先にあるブインを目指し、ジャングルの上を這うように逃げながら盛んに応戦するも、ついに右翼付け根付近に被弾し、火を噴きながらジャングルに落ちていった。

一式陸攻2番機も、モイラ岬近くの海上に落ちて転覆したことを確認したP-38は、意気揚々と引き上げていった。
P-38の撃墜はわずかに1機。

岡崎二飛曹は本来の目的地、バラレに緊急着陸して長官機の遭難を報告。
その他の5機はブインに緊急着陸し、長官機の墜落地点を確認し憔悴しきった森崎中尉は、第26航空戦隊司令官 上阪香苗少将に長官機遭難を報告した。

最年長の森崎予備中尉は24歳、最年少の杉田飛兵長はまだ18歳。
若いパイロットの6人にはあまりに酷な事件だった。

零式艦上戦闘機(39) 長官機護衛の6機(2) 2014-05-03  につづく~
前の記事 零式艦上戦闘機(37) 山本長官機撃墜(2) 2014-04-19
零式艦上戦闘機(36) 山本長官機撃墜 2014-04-12

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