月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(46) 特設空母と護衛空母

2014-06-21 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(46) 特設空母と護衛空母  

日本海軍では、護衛空母という概念はなく、商船を改装した空母を『特設空母』とよんだ。

日本では、1393年ごろから『優秀船建造助成施設』を設立し、標準規格の商船の建造が始まった。
有事の際には、その船を徴用して『特設空母』に改修するのだ。

就航した空母は正規空母並みの設備を整え、正規空母の不足を補うために運用する。

一方ヨーロッパでは、イギリス商船がドイツ軍の無差別攻撃によって、甚大な損害を受けていた。
イギリスの戦闘機や護衛艦では補えない海域での船団を、ドイツ軍の潜水艦や爆撃機の脅威から護るために、船団に随伴させる『護衛空母』という発想が生まれた。

日本の最大の「特設空母」、『隼鷹(じゅんよう)』は、基準排水量24,140トン、全長220m、飛行甲板210m、幅27.3m、最高速力25.5ノット、航空機の搭載数、零戦、艦爆、艦攻の合計48機、補用10機、乗員1,187名

日本の空母では珍しく電探(電波探信儀)、つまりレーダーを備え昭和17年(1942)6月3日から7日に行われた、アリューシャン列島のダッチハーバー攻撃に投入された。

アメリカの「護衛空母」、『カサブランカ級』は、満載排水量15,400トン 、全長156m、飛行甲板152m、幅25.9m、
最高速力19.3ノット、航空機搭載数28機、乗員 860名

通常22ノット程度の速力がないと、飛行機は発艦することができないが、アメリカの護衛空母は全て油圧のカタパルトを備えていたので、飛行甲板が短く最高速力が低くともカタパルトで飛行機を発艦せることができた。

艦上攻撃機のグラマンTBFアベンジャーは、自重がおよそ5トンもあり、燃料、弾薬を満載し900キロ爆弾を搭載すると、総重量は8.2トンにもなるのだが、護衛空母のカタパルトはそれを発艦させる能力があったのだ。

アメリカは1941年から護衛空母の建造を始め、驚くべきことに1942年7月から建造がはじまったカサブランカ級空母は、翌1943年9月までの13ヶ月間で、50隻を就航させた。
計算上は、まるで毎週のように就航したようにみえるので、『ウィークリー空母』とも言われたのだが、恐るべき工業力である。

日本が建造した『特設空母』はわずかに7隻。
アメリカが大戦中に建造した『護衛空母』は115隻!
桁が違う。。。
その内の38隻をイギリスに貸与し、残りの77隻が日本との戦いに向けられたのでありました。

零式艦上戦闘機(47) ”陸軍”の空母 2014-06-28  につづく~
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3 コメント

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読んでいてわくわく (しゃちくん)
2014-06-22 10:20:43
空母は風上に向かって全速力で航行するのですよね。

距離の短い艦上の滑走路から離陸させるための艦船と戦闘機の共同作業を想像するだけでもわくわくします。
返信する
しゃちくん様 (月乃和熊(ツキノワグマ))
2014-06-22 18:16:06
コメントありがとうございます。
そうですそうです。
風上に向かって離陸するんです。

日本にも火薬式のカタパルトはあったんですが、アメリカはより安全で効率的な、油圧式カタパルトを実用化したので、これが勝負の分かれ目になってしまいました。。。
返信する
Unknown (電脳 大本営)
2015-08-10 05:10:01
隼鷹の煙突が好きです。

同型艦「飛鷹」は機関の調子が悪くってあまり活躍できなかったけど、隼鷹は妹の分まで頑張ったんですね。
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