月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(28) 動力学的相似模型

2014-02-15 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(28) 動力学的相似模型 

昭和16年4月17日に発生した下川萬兵衛大尉の死亡事故、2回目の空中分解の原因解明は遅々として進まず、回収された機体を調査していた曽根技師は、下川大尉の部下であったパイロットから詰め寄られる場面もあった。

空技廠の松平精(まつだいら ただし)技師は、零戦はこれまでの振動実験で、時速約925キロ以下ではフラッターは起きないと考えていた。

フラッターとは、エンジンの振動や、高速化による空気抵抗などで、翼がはためくように振動する現象のことだが、確認されていた主翼の”ねじれ”現象は、今まで考慮されいなかった。

そこで、松平技師は、機体各部の剛性(強さ)の分布を実機とまったく同じにした、”動力学的相似模型”を日本で初めて作成し、振動実験をすることにした。

まず、松平技師は、部下の田丸喜一技手を連れ、東大航空研究所の岩本周平教授を訪ね、模型製作の指導を受けた。

すると田丸技手は、桁や小骨を木で作り、各所に鉛の小片をつけて重量の分布を実機とまったく同じにし、補助翼やバランスタブも作り、外板には薄い絹の布を張り、その上から寒天の水溶液などを塗って、実物の十分の一の主翼模型を1週間ほどで完成させた。

6月初旬、松平技師と田丸技手は模型が完成すると直ちに風洞実験を開始した。
模型をセットし終わったころにはすっかり夜も更けたが、田丸技師が風速を調整するハンドルを回し、風速少しずつ上げて振動を観測していくと、実機に換算して風速が約550キロに達した時、突如模型がねじれるように振動し始めた。

事故の原因は、「主翼のねじれ」と「補助翼フラッター」という二つの要因が重なって起きた事を、ついに突き止めたのでありました。

零式艦上戦闘機(29) 新幹線に活かされた零戦の技術 2014-02-22 につづく~
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