12月22日中国新聞 天風禄 冬至より
「雪化粧」という名前のカボチャがある。白っぽい皮が新雪を頂いた山を思わせる。18年前に種苗会社が生み出したメード・イン・ジャパン。甘くてホクホクしているとあって、けっこう人気が高い
産地の一つが広島市佐伯区湯来町。市内のスーパーに頼まれて3年前から、十数戸の農家が栽培を始めた。長雨や猛暑に悩まされた今年も、丹精して育てた大玉が店先に並んでいる。黒っぽいメキシコ産と売れ行きを二分し、「地場産」の意地をみせる
「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われる。収穫期は夏から秋にかけてだが、長期保存がきく。旬の野菜が乏しくなる冬の時季には、貴重なビタミン源だったに違いない。先人の知恵がしのばれる
今年は天候に泣かされただけではなかった。円高やデフレが企業マインドを冷え込ませ、大学生の就職は「超氷河期」に突入した。政治の方も「ねじれ国会」や「コップの中の争い」のせいで凍り付いた場面がやたら目立った
冬至の別称は「一陽来復」。きょうを境に日脚が伸びていく。悪いこともこれまで、良い方に向かうという意味もある。カボチャの「雪化粧」は、ゆでると皮が白から緑に変わる。雪解けした野山のようにも見える。世の中を覆う氷も早く解けてくれないか。
以上
残り写真 公園の落ち葉
「雪化粧」という名前のカボチャがある。白っぽい皮が新雪を頂いた山を思わせる。18年前に種苗会社が生み出したメード・イン・ジャパン。甘くてホクホクしているとあって、けっこう人気が高い
産地の一つが広島市佐伯区湯来町。市内のスーパーに頼まれて3年前から、十数戸の農家が栽培を始めた。長雨や猛暑に悩まされた今年も、丹精して育てた大玉が店先に並んでいる。黒っぽいメキシコ産と売れ行きを二分し、「地場産」の意地をみせる
「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われる。収穫期は夏から秋にかけてだが、長期保存がきく。旬の野菜が乏しくなる冬の時季には、貴重なビタミン源だったに違いない。先人の知恵がしのばれる
今年は天候に泣かされただけではなかった。円高やデフレが企業マインドを冷え込ませ、大学生の就職は「超氷河期」に突入した。政治の方も「ねじれ国会」や「コップの中の争い」のせいで凍り付いた場面がやたら目立った
冬至の別称は「一陽来復」。きょうを境に日脚が伸びていく。悪いこともこれまで、良い方に向かうという意味もある。カボチャの「雪化粧」は、ゆでると皮が白から緑に変わる。雪解けした野山のようにも見える。世の中を覆う氷も早く解けてくれないか。
以上
残り写真 公園の落ち葉