大土神社
(おおつちじんじゃ)
神戸市灘区鶴甲3-15-24
六甲登山口交差点から六甲ケーブル下駅へと向かう道の脇に鎮座する大土神社。
〔御祭神〕
天照大御神
(あまてらすおおみかみ)
住吉大神
(すみよしたいしん)
菅原道真公
(すがわらのみちざねこう)
阪急六甲駅の北には、神戸大学と神戸松蔭女子学院大学という2つの大きなキャンパスがあり、朝夕授業へと向かう学生たちの列が続いています。駅から六甲登山口の交差点を経由し、両キャンパスの間を抜けて六甲ケーブル下駅へと続く坂道をほぼ登りきったところに、小さな神社が鎮座しています。この神社の名は大土神社。「水車のお宮さん」とも呼ばれて崇敬を集めています。
無作為に伸びる野の草が境内を彩っています。
18世紀の初め頃、この地域では紀州の郷士であった田林宇兵衛という人が六甲川の急峻な流れに目をつけ、菜種を搾って灯油を生産する目的で水車を建て始めました。天明年間(1781~89年)には25基の水車が操業していたことが記録に残っています。産業が興るにつれて雇用が生まれ、人が集まってきたことでコミュニティが成立していきました。水車新田村と呼ばれたこの村の守護神として、また搾った油を出荷する際の船の航行の安全祈願のために大土神社が創建されたのは1748(寛延元)年のことでした。
1748(寛延元)年に創建された大土神社の社殿。
境内には駐車場も設けられていますが、その傍らに蛙の形に似た自然石が置かれています。この石は「蛙石」と呼ばれるもので、旅に出かける前に撫でて参拝すると「無事かえる」、つまり旅行安全の御利益があるといわれています。元々は大土神社のずっと南にあって鉄柵で囲われていましたが、道路建設の都合で大土神社の境内に移されたそうです。伝説では、この石は夜な夜な山道の真ん中まで現れ、大きな蛙の姿になっては人々を驚かせていたそうです。そこで村人は、出て来られないよう石の周囲を鉄柵で囲み、「蛙まつり」と称してこの石を祀ったといわれています。さらに、蛙石の後ろにはオタマジャクシの形をした石が幾つかあり、年々少しずつ大きくなっていたという伝説も残されています。
境内西の六甲川。この清流では蛍も見ることが出来ます。
アクセス
・阪急電車「阪急六甲駅」下車、北へ徒歩20分
・神戸市バス26系統「昭生病院」バス停下車、北へ徒歩2分
大土神社地図 Copyright:(C) 2011 NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.
拝観料
・境内無料
拝観時間
・常時開放
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