青龍神社
(せいりゅうじんじゃ)
明石市藤江字出ノ上
県道718号線沿いに立つ鳥居。青龍神社はこの小高い丘の上にあります。
〔御祭神〕
葺不合命
(ふきあえずのみこと)
神武天皇
(じんむてんのう)
玉依姫
(たまよりひめ)
允恭天皇
(いんぎょうてんのう)
少童海神
(わたつみのかみ)
県道718号線、通称「旧浜国道」と藤江川が交差する地点に、緑に包まれた小高い杜があります。道路沿いに立つ大きな明神鳥居がひときわ目を引くこの神社は青龍神社。鎌倉時代に創建されたといわれている古社です。もともとこの地には既に厳島神社が祀られており、藤江村が発展するにつれて新しく青龍神社をお祀りしたために厳島神社は末社として祀られるようになったという伝承も残されていることから、人々の信仰の場としての歴史はさらに長いものだと考えられます。
また、青龍神社があるこの丘は、縄文時代の土器や石器などが発見された藤江出ノ上遺跡としても知られています。国立歴史民俗博物館の教授も務められた春成秀爾氏がまだ学生だった1959(昭和34)年に確認した遺跡で、藤江川周辺には藤江別所遺跡や藤江川添遺跡など縄文時代や旧石器時代の遺跡が点在していることから、この流域を中心に古くから栄えていた土地であることが分かります。
石段を登ると広がる境内(左)と、参道の右手に建てられている石碑(右)。
近隣の林神社に伝わる話によると、1254(建長6)年9月に上宮青龍五社大明神を勧請し、社殿を建てて祀ったのが青龍神社の始まりとされています。高台の「上野」と呼ばれていた地に少童海神(わたつみのかみ)を祀って鎮座し、かつて「上野宮」や「上の宮明神」という別称で呼ばれていた林神社は、1005(寛弘2)年に彦火々出見尊・豊玉媛命・葺不合尊・玉依媛命の4柱を合祀したことから上宮五社大明神と呼ばれるようになっていましたので、青龍神社の御祭神である「上宮青龍五社大明神」というのは、林神社の「上宮五社大明神」のことだと考えられます。
青龍神社と林神社の両方に共通する御祭神として葺不合命(鸕鶿草葺不合尊)・玉依姫・少童海神が祀られていますが、林神社に祀られている彦火々出見命(神武天皇の祖父と言われている)が青龍神社では神武天皇へと変化している点や、林神社には祀られていない允恭天皇がどのような経緯で青龍神社に祀られるようになったかは残念ながらはっきりしていません。
青龍神社の社殿。毎年10月第2週の土日には秋季大祭が行われます。
アクセス
・山陽電鉄本線「藤江駅」下車、南東へ徒歩5分
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拝観料
・無料
拝観時間
・常時開放