駒竹稲荷神社
(こまたけいなりじんじゃ)
神戸市長田区駒ヶ林町1-9-16
市道高松線沿いに立つ駒竹稲荷神社。道路沿いにあるのでよく目立ちます。
〔御祭神〕
倉稲魂大神
(うかのみたまのおおかみ)
長田港にほど近い、磯の香り漂う神戸市営地下鉄海岸線の駒ヶ林駅周辺には、意外と神社仏閣や旧跡が多く点在しています。その中のひとつ、駒ヶ林駅を出てすぐのところを東西に走る市道高松線沿いに、民家に並ぶように鎮座しているのが駒竹稲荷神社です。小さな神社ですが、鮮やかな緑の植栽と赤い玉垣が目印となっていて、意外と見つけやすい神社です。
市道高松線に面して立つ赤鳥居(左)と、その脇に立つ石灯篭(右)。
駒竹稲荷神社のはっきりとした創建時期は不明ですが、19世紀初頭の文化・文政時代の創建といわれています。五穀豊穣・食べ物を司る神である倉稲魂大神を祀る駒竹稲荷神社は、ここでは商売繁盛の御利益をもたらす神様として崇敬を集めているようです。御祭神の倉稲魂大神は、高取山から勧請されたと伝えられています。高取山に鎮座する高取神社の御祭神の一柱である豊受大神は高取稲荷大神ともいわれていますので、おそらくはこのお稲荷さまを勧請したのではないかと思われます。その名残りで、半世紀ほど前までは毎年冬の時期には氏子たちが列をなし、太鼓などの鳴り物を鳴らしながら高取山の本宮まで参拝する「野施行(のせぎょう)」と呼ばれる行事が行われていたそうです。
参道の脇には良く手入れされた花壇があります(左)。右は社殿前の手水鉢。
野施行は、冬のあいだ獲物が減って飢えに苦しんでいるであろう狐や狸たちに食べ物を施す事が功徳となり、廻り回って御利益があるという考えから行われていました。こういった風習も、駒竹稲荷神社が神戸市の都市計画事業の影響で、1964(昭和39)年10月に創建当初の鎮座地だった駒ヶ林町1丁目3の地から北に位置する現在地へと移転された後には野施行は失われてしまいました。しかしながら、初午祭の時には油揚げと赤飯のおにぎりが供えられるなど、わずかながらその風習の名残りは残されているようです。
駒竹稲荷神社の本殿。
アクセス
・神戸市営地下鉄海岸線「駒ヶ林駅」下車、徒歩1分
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拝観料
・無料
拝観時間
・常時開放
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