欧州でベストセラーとなった小説を『明日を夢見て』のイタリアの名優、セルジオ・カステリットが映画化。彼自身が監督と主演を担当し、究極の愛の形に迫る。共演はスペインの至宝、ペネロペ・クルス。イタリア語を完璧にマスターし、身も心も底辺で生きる労働者階級の女性になりきってみせた。本作は2003年度イタリア・アカデミー賞11部門ノミネート、最優秀主演男優賞と最優秀女優賞をW受賞するという快挙を果たす。[もっと詳しく]
自己破壊をかけながら「究極の愛」がまさぐられる。
イタリアの大ベストセラー「動かないで」(マルガレート・マッツァンティーニ著)を原作として、その夫君であるセルジオ・カステリットが、自ら監督・主演で制作した。
美しい妻に恵まれた富裕な外科医である主人公ティモティーオ。
娘が交通事故で、自分の病院で同僚が手術中。
無神論者である主人公だが、「死」の淵にいる娘を前にして、15年前のイタリア(ペネロペ・クルス)との情事を回想する。
不自由ない主人公が、ある日イタリアと行きずりの情事。
それは、主人公の欲望が、美しい妻と対極にある貧しく孤独な女性を前に、ある種の暴力衝動的に、SEXに及んだことによる。
車が故障しての苛立ちか、ウォッカのせいか、幸せの底に隠された暗い衝動か。
二人の関係は続くが、妻の妊娠と時を同じくして、イタリアも妊娠してしまう。
イタリアは、闇で堕胎するのだが、それが命を蝕むことになる。
幸せそうな妻がときどき沈黙の中でみせる「孤独」、主人公が少年時代の「父」の不在でもつデラシネな「感情」、父親に弄ばれた過去を持つイタリアの出口のない「絶望」。
心の渇きを埋めるのは「性愛」なのか。
自己チューのようにみえる主人公だが、憎めないのは、自分の(自分でも説明がつかない)感情の昂ぶり、衝動、迷いに正直なところだ。
イタリアとは激しく刹那的にときにはSM的に交わる。
おそらく、それまでの主人公は、「紳士的」な性愛体験がすべてであったのかもしれない。
「性愛」を通じて、自己破壊をかけながら、関係をまさぐっていくというひとつの「愛の究極」が提示されている。
死んでしまったイタリアの喪失感が蘇る中で、主人公は娘の生存に対し、ついには、神に奇跡を祈る。
その神は、幻想の中に再び出現した不幸なイタリアそのものにあった。
TBありがとうございました。
この原作はセルジオ・カステリットの奥様の作品なのですか!知りませんでした!
とにかくこの映画には、心をガシッと掴まれました。
>イタリアの出口のない「絶望」、まさにその通りですね。
彼女の演技には圧倒されました。
TB返させて下さいね。
だから、あの主人公「すけべねぇ」なんてこと、言う人いるけど(笑)、原作が奥様ですから、堂々とラブシーンですね。
ペネロペの演技が好きなので借りましたが、セルジオ・カステリットという思わぬ逸材に出会いました。
産婦人科の入り口で、靴の底が取れて崩れ落ちるイタリア
に駆け寄るティモーティオ。
あのシーンが忘れられません。
ありがとうございました。
この映画では,イタリアの歩き方が印象的でした。
のちほどTB返させて頂きます。
それにしても、奥さんの小説を、自分で監督し、しかも、自分が指名したベネロベを演技指導しながら、自分がその相手役(主演)するということ、しまも、激しいラブシーン。複雑です(笑)
>雨さん
切ない運命ですね。イタリア・・・。本当にこんな名前あるのかしら。
>kobitopenguinさん
ええ、体当たりの演技でしたね。
TBして頂いて、また無性に観たくなって来たえんちです。
おはようございます・・・。
何がよいってBGMです。
サビのとこ・・・めっちゃ痺れちゃいますね。
(TBさせて頂きました・・・BGMもチェックできますよ♪聴いてね)
いくつになっても恋はいいですね。
でも反面、歳を重ねるごとに恋ほど、苦しく報われないものも
ないような・・・そんな気もします。
みなさんは、いい恋してますか?!
男性の視点からの感想楽しみにしております。
先日東京国際映画祭の中の一本を鑑賞後、六本木シネマズを出てすぐの中華のお店で行定監督を目撃しました・・関係ない話でごめんなさい。根がミーハーなもので。
いい恋してますか?といわれても・・・・・。
「はい、しておりません」(笑)
音楽はききました。セクシーですね。
>マダムSさん
ミーハーというのはいいことです。でも、行定監督・・・。あんまり顔立ちは、みても、おもしろくないでしょ?いよいよ、「春の雪」えすねぇ。さて。
復讐者に憐れみを・・にもコメントくださいまして
ありがとうございます。
この作品は、男性のかたの感想も聞きたかったので
参考になりました。男のために一途な女性でしたよね。自分勝手な男と思いながら、結構引き込まれながらみておりました。こちらからもTBさせていただきますね。