サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

小型原子炉(核融合炉も廃炉も若い専門家の必要度80点)

2013年03月01日 | それでも世界は回る

米18歳少年が小型原子炉を考案、発電量は「10万世帯分」

  • 2013年03月01日 16:03 発信地:ロングビーチ/米国

英イングランド北部のセラフィールド(Sellafield)原子力発電所で、再処理される前に水槽内で冷却される放射性廃棄物が入った容器(2002年9月26日撮影、資料写真)。(c)AFP/ODD ANDERSEN

 4年前、家族と一緒に住む自宅のガレージに設置する核融合炉を設計したことで有名となったウィルソン君は、米カリフォルニア(California)州南部で28日に開催されたTEDカンファレンス(TED Conference)で、新たな構想を披露した。

 それは、最大10万世帯の家庭に電気を供給できる、5万~10万キロワットの発電量を持った小型原子炉だ。組立ライン方式で製造が可能で、核兵器から取り出した溶融状態の放射性物質を使い発電するという。比較的小型で、30年間の発電に必要な燃料を炉内に密封した状態で出荷が可能だ。

 この原子炉のタービンは、蒸気ではなくガスで回るように設計されている。よって、通常の原子炉よりも温度は低く抑えられ、炉が破損しても中の物質は噴き出ることがない。

 ウィルソン君によると、燃料は溶融塩の形をとっており、原子炉は加圧する必要がない。また「事故が起きたときには、炉心(の燃料)を原子炉の下の中性子吸収材が入ったタンクに排出すれば、核融合は止まる」という。

 昨年5月に高校を卒業したウィルソン君は現在、大学進学を先延ばしして、「モジュール型核融合炉」を製作するために設立した会社の事業に集中している。

おいおい、大丈夫かよと思ったりもするが、こういう天才少年が出てくるのは、いいことなのだと思う。
世界中にある核兵器が死滅に向けてスケジュール化され、廃絶する兵器から放射性物質を取り出し、これが安全なエネルギー変えられれば、そんないいことはない。 

もちろん、日本の原発施設だって、「平和利用」という筋書きの中で、コントロールできない化物に、なってしまってはいるのだが。

原子力工学が数十年前に立ち上がった時に、日本でももっとも優秀な連中たちが、原子力工学の狭い門をくぐったのだ。
ウィルソン君のような天才もいただろう。
けれど、20年、30年前から、原子力工学の限界、問題点も出てきて、専攻する学生が一挙に減りだした。
いまや、日本の帝大系に、原子力工学の学科さえもない。
もちろん文部省は、そのための補助資金を約束しているのだが、応募者が少なければどうしようもない。
「鉄腕アトム」の幻想は、20年前には終わっていたのだ。

しかし、福島原発事故以降、その廃炉の技術を極めるためにも、若い優秀な研究者がどれだけいても足りないということになるだろう。
たぶん、今回の「フクシマ」で家族と別れたり、避難を経験している子供たちの中から、「原子力工学」の道を志す少年・少女も多く出てくるかもしれない。
そこは国家として、期待をかけるべきだと思う。

言ってみれば「廃炉大学」(名前は変えるとしても)を新設し、そこでは最高の教育(倫理やエンジニアリング含め)がなされ、今回の被災者の子達に希望者が居れば、全額無償で最高の環境の中で頼りになる工学系の専門家が、育ってほしいと思う。 


 


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