歴声庵

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ヴォー・グエン・ザップ著「人民の戦争・人民の軍隊」

2006年05月21日 20時54分53秒 | 読書
 日本人を除けば、有色人種で初めて白人の軍隊を近代戦で破った北ベトナム軍の司令官ザップ将軍の自伝です。通販で購入したので、内容を知らずに購入したのですが、てっきりザップ将軍のベトナム戦争の回想録かと思っていたら、全体の3/4はいかに共産主義が素晴らしいかをひたすらイデオロギーを書き綴り、残り1/4がデイェンビェンフーの戦いについての記述と言う期待していたのとは違う内容だったのでがっかりしました。
 読む前は拠点攻撃と拠点防御のドクトリンの米軍を、ザップ将軍率いる南ベトナム開放軍がいかに翻弄したかと言う、ザップ将軍のドクトリンが読めると思っていたんですけどね。実際には大半が上記の通り共産主義のプロパガンダでしかなかったので、読んでいて滅入ってしまいました。
 それでも、せめてデイェンビェンフーの戦いについての記述が読みごたえのあるものだったら良かったのですが、正直雑誌「歴史群像」での記述の方がイラストや写真を多用して説明してくれる分、この本の記述よりも判り易いと思いました。
 そんな訳で期待外れだったこの本ですが、元々著者としてはイデオロギーを書きたくてこの本を書いたように思われますので、悪いのは内容を確認せずにタイトルだけを見て注文した私なんですけどね。

 余談ですが、ザップ将軍著と書かれていますが、文章の洗練さから見て絶対ゴーストライターが書いたとしか思えません(汗) 更に余談ですが、実際に米軍と仏軍相手の戦争に勝利したザップ将軍ですが、士官としての正規教育は受けていないので、正規軍同士を率いての戦いだったら、あれほどの手腕を発揮できたか疑問と言われています。

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